ゲームの『誰でもクリアできる難易度』は今から約20年前にも目標になっていた

どうもみう太です(ΦωΦ)

最近インディー系のゲームをよく遊ぶようになったのですが、Steam向けに開発された精密な2Dアクションゲームもあれば、スマートフォンから移植されたお手軽なゲームまであって、かなり幅の広いジャンルを楽しんでいます。

基本的にこれまで購入して『ハズレ』だったタイトルはほとんど無いのですが、ゲームによって『難易度の差』が大きく違うにも関わらず、多くのユーザーから高評価を得ているのが興味深いなと思いました(ΦωΦ)

最近のゲームって簡単だと思う?

ゲームの難易度に関しては、『最近のゲームは簡単で歯ごたえが無い』という意見が近年ネットでよく見られます。

確かに、今のゲームにはチュートリアルが最初に用意されていたり、体力制が導入されて一撃でミスになる事がなかったり、少し行き詰まれば何かヒントが貰えたり…、昔のような厳しさは少なくなっているかもしれません。

それは『丁寧な作り』や『初心者への配慮』だと言えますが、昔からゲームを遊び続けているユーザーにとっては『お節介』だったり、『不要なヌルさ』だと捉えられる事もあります。

しかし、『ゲームをユーザーフレンドリーに』という目標は近年の話ではなく、今からおよそ20年前、ニンテンドー64の時代からすでに始まっていたそうです。

なんで昔のゲームは難しいのか

ニンテンドー64の話に行く前に、まずそもそも何故昔のゲームが難しかったのかを書いてみましょう(ΦωΦ)

まず、高難易度のゲームが生まれたきっかけとしては、かつての『アーケードゲーム』の影響が大きいと考えられます。

今では数は減ってきていますが、昔のアーケードはシューティングやアクションといったジャンルが主流で、お客の回転率を上げるためにもステージ2辺りから急に難しくなるタイトルが少なくありませんでした。

『魔界村』や『グラディウス』、『メタルスラッグ』などが有名かと思います。

アーケードと並行して家庭用ゲーム機もブームになっていましたが、当初はアーケードから入ってファミコンなどを購入するユーザーも多く、難易度の高いゲームをクリアする事がステータスのようになっていました。

『スーパーマリオブラザーズ』を皮きりに、クリアのしやすいアクションゲームも少しずつ増えていきましたが、その後も『悪魔城ドラキュラ』や『スペランカー』といった高難易度のアクションゲームは生まれ続けています。

また、過去の『ゲームセンターCX』では、有野課長と任天堂の岩田前社長が対談する機会があり、昔のゲームがなぜ難しいのかという質問に答えています。

岩田前社長はテクモの『忍者龍剣伝』を例に挙げて、開発会社のスタッフがテストプレイを繰り返すうちにスキルが向上し、『もう少し難しくしても良いと思う』が積み重なった結果だと裏事情を語りました。

他にもゲームによっては『前作を超えたい』という気持ちから、難易度を上げてしまったタイトルもあります。

例えば多くのファンの心を掴んだ『スーパーマリオブラザーズ』も、1年後に発売された続編『スーパーマリオブラザーズ2』では格段に難しくなり、後に『スーパーマリオコレクション』の開発を担当した杉山さんや森さんも『私は投げました』と、当時はクリアができなかったそうです。

また、『スーパーマリオ オデッセイ』のプロデューサーを務めた小泉 歓晃さんも、幼少期に『スーパーマリオブラザーズ』を遊ぶ事が出来ず、ようやく親を説得して『スーパーマリオブラザーズ2』を買って初めてマリオをプレイしたら、周りの友達はこんなに難しいゲームを遊んでいたのか…、と愕然したという話があります。

まさに今、最前線で活躍しているクリエイターであっても当時クリアできなかったというエピソードは、如何に難易度が高かったかを裏付けていると思います(ΦωΦ)

ユーザーが食べたくなるような味付けを

さてニンテンドー64の話に移って、1998年に発売された『ゼルダの伝説 時のオカリナ』の頃から、ゲームの難易度に関する議論が増えています。

この頃はゲームが2Dから3Dに移り変わって、ゲームとしてもやれる事が格段に増えてきたので、どのハードであっても操作が複雑になり始めていました。

当時の『樹の上の秘密基地』のインタビューでは、遊ぶ人もグルメになってきて、『自分で開拓する事』があまり喜ばれていないとスクリプトディレクターの大澤さんは感じていたようです。

『ゼルダの伝説 時のオカリナ』の操作に対しても、『もっと簡単にして欲しい』という意見はあったものの、開発者としては『乗り越えた先に3Dの世界が待っている』という想いがあり、何とか頑張って自分でモノにして欲しいと答えました。

だからと言って、今後は『分かる人だけ分かれば良い』というゲームを作るのは間違いであり、難しい操作や難易度であっても『食べたくなる味付け』が必要で、それを考えるのが私たちの仕事であるとコメントしています。

近年ではオープンワールドを取り入れたアクションゲームも増えており、一本道ではない広大な世界が魅力になっているタイトルも多いですが、これも味付けを間違ってしまうと『開拓』の面白さを感じられずに、結局は目的地に真っ直ぐ向かうだけのゲームになってしまう事があります。

シリーズ最新作の『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は、『時のオカリナ』に比べてやれる事が格段に多いですが、基本的な操作方法のチュートリアルはあるものの、応用の仕方は自分で考える必要がありました。

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は確かに3Dゲームを遊んだ事のない人には難しいかもしれませんが、ちょっとした閃きで道を『開拓』できるようになっている味付けが、アクションゲームの初心者にも受け入れられる要因なのかもしれません。

9割の人がクリアできるゲームを作る

1999年の宮本 茂さんへのインタビューでは、買ってくれた人の8割から9割がクリアできるものを作りたいとコメントしています。

当時のイベントで『時のオカリナをどこまで進めたか?』というアンケートを取ったところ、ほとんどの人が『最後まで行きました』と答えてくれたそうです。

しかし、そのイベントブースにはゼルダが好きな人ばかりが集まっていたので、実質的にはあまり参考にならず、実際は『炎の神殿』や『闇の神殿』辺りで3割から5割くらいの人が止まっているかもしれないと思い、最後までたどり着けなかったユーザーが多いのであれば、今後はボリュームも難易度も見直していきたいと考えていました。

難易度を下げると『手ごたえ』や『達成感』が薄れてしまうリスクがありますし、苦労してエンディングを迎えてくれたファンもいたので安易に決める事は出来ませんが、多くのユーザーが同じ喜びを共有するという事が、この頃から少しずつ重要視されてきたのかもしれません。

宮本さんの子供もゲームを遊んでいるのですが、それを見ていると親として『時間の浪費』に感じてしまう事があるそうです。

例えばRPGのストーリーを楽しむのは良いのですが、あるステータスを上げる為に延々と同じ事を繰り返していたり、レースゲームで1/100秒縮める為にやり続けたりするのは、ほどほどのところで止めた方が良いと思うとコメントしています。

ゲームに対して『不毛な時間』をユーザーが感じてしまうと、そのゲームの続きをプレイしなくなってしまう人も多いかと思います。

難しいゲームは自分が上達する楽しみがありますが、あまりに理不尽な難易度だったり、クリアに運の要素が絡むとやり直しの時間が『無駄』に感じてしまい、何回も繰り返してまでクリアを目指そうとは思わなくなってしまいます。

一方で、誰でも簡単にクリアできる難易度になると、今度はやりがいや面白さをゲームに感じる事が出来ず、こちらもゲームのプレイ自体が不毛な時間に感じてしまうかもしれません。

宮本さんは『ゲームの物語』も面白いのかもしれないけれど、それだったら小説や漫画でも役割を果たせる訳であって、『自分で次に進む感じ』がゲームは面白いのだと分析しており、『物語が進む実感』を味わえる難易度が今のスタンダードになっていそうです。

因みに、任天堂のSRPG『ファイアーエムブレム』も、開発のインテリジェントシステムズは『滅びの美学』を基に難しい難易度設定をしていましたが、任天堂から『8割はエンディングまでたどり着けるようにして』という要望があり、キャラクターが復活するカジュアルモードが実装された…なんてエピソードも残されています。

『ごく僅かなユーザーだけ』を回避した

当時の宮本さんは、『再挑戦度の高い事』こそがゲーム性であると掲げてゲームを作っていましたが、それを続けていると付いて行けなくなったユーザーは離れ、新しいユーザーは取り込めない『ごく僅かなユーザーだけ』が残った世界になると思い始めていました。

ゲームの容量がだんだん大きくなり、ストーリーも長くて重厚な作品が増えていた時代ですが、中身が難しければせっかくの物語も途中で投げ出してしまう人が増え、『次に進む面白さ』が薄れてしまう一面はあったかもしれません。

(レベル上げばっかでなかなか進まないゲームとかも結構あった気がする(ΦωΦ))

インターネットがあまり普及していなかった当時では、今のような攻略サイトも少なく、子どもが情報を得るには手段が限られていました。

しかし任天堂もクリアの為に調べる事を『悪』だとは考えておらず、当時の公式サイトに攻略本が紹介されていたり、『ゼルダの伝説 時のオカリナ』に関しては『ゼルダダイヤル』なんてサービスが開設されていました。

このゼルダダイヤルは、指定の電話番号にかける事で任天堂の子会社『マリオクラブ』のスタッフに繋がり、クリアできないところを伝えると、スタッフが電話口で実際に同じところを操作しながら突破方法を教えてくれるという、今ではとても考えられないサービスが公式で行われていたそうです。

平日の明るい時間しか繋がりませんでしたが、難しいと感じているユーザーにもクリアしてもらう為、様々な措置を取っていた事が分かります。

任天堂は後の『ゲームキューブ』でハードのスペック向上を目標にしましたが、その後の『Wii』や『DS』ではゲーム人口の拡大を図り、ペットを飼育する『ニンテンドッグス』や、脳トレという新しいジャンルを切り開いた『脳を鍛える大人のDSトレーニング』などによって、従来のゲーマーとは違うライトユーザーの取り込みに成功しました。

これまでゲームに興味を示さなかった大人や女性もゲームに触れる機会が増え、ニンテンドー64時代に感じていた『ごく僅かなユーザーだけの世界』は回避できたのではないかと思います。

しかし一方、AUTOMATONの『Epic Games』へのインタビューでは、近年はスマートフォンなどにカジュアルなゲームが増えていましたが、その多くの人はすでに飽きてしまい、残った人はよりハイエンドなゲームを求める傾向にあるとコメントしています。

カジュアルなゲームは爆発的な人気が出やすい一方、それだけで市場を長期的に支えるのは難しく、カジュアルから入った新しいユーザーをどれだけ深く引き込めるかが重要なのかもしれません。

その為、結局は難易度の低いゲームだけでなく、そこからより歯ごたえを求める人の為のコアなゲームも必要である事が言えそうです。

『難易度≠面白さ』ではない説

『最近のゲームは簡単だからつまらない』という意見をよく見ますが、昔は昔で『難しくてクリアできないからつまらない』という意見も多かったみたいですね(ΦωΦ)

近年は確かに誰でも遊びやすいタイトルが多く、スマートフォンの台頭によってお手軽なゲームも増加していましたが、これも時代の波の浮き沈みがあるだけで、今後は『Epic Games』が例に挙げる『PUBG』や『フォートナイト』ようなハイエンドのコアゲームがより活性化していく可能性も十分ありそうです。

しかし、そもそも『面白いゲーム』というのは難易度に左右されないのかもしれません。

例えばファミコンで大きな人気を博していた『ロックマン』は、シリーズを重ねるごとに『チャージバスター』や『スライディング』など、使えるアクションが増えたので相対的に難易度は下がっていきましたが、それでもロックマンの人気は衰えませんでした。

『悪魔城ドラキュラ』や『忍者龍剣伝』、『魔界村』などもシリーズを通して難しい事に変わりはありませんが、少しずつ使えるアクションが増えていき、より『次に進む』実感が得やすかったと思います。

また、『ファイアーエムブレム』は難易度を調整する事で初心者から上級者まで楽しめますが、例えば低難易度で始めれば好きなキャラクターを気軽に育てながら遊べますし、高難易度に設定すれば詰将棋のような緊迫したSRPGが楽しめ、どちらにもゲームとしての違った面白さが用意されています。

もちろん、難易度が高い事が面白さに繋がっているゲームも数多くあるのですが、それは難易度を含めて遊びたくなる味付けがされているのであって、『難易度そのもの』が面白さに直結している訳ではなさそうです(ΦωΦ)

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2件のフィードバック

  1. 匿名 より:

    インターネットの存在はいろんな意味でゲームの常識を20年30年前と変えてしまったところはありますねぇ
    それも段階的に解放された気もします、まずは攻略サイトやレビューの登場、そしてDLによるデータ配信、そしてネット対戦とその規模の拡大

    少しでも詰まったら攻略サイトを見るか、我慢してでも自力で解くかなんてこともある一方で、うっかりすればネタバレの危険まで孕んでますしね
    昔なら攻略本を買う人はセレブでしたし、なにより今ほどのスピードで本など出ず
    それこそFFやDQなどは友人間でも早解を競ったりしてたフシもあります
    ここ10年15年でそのあたりの子供世代はどう変わったのだろう

    ゲームの貸し借り、友達の家でゲーム機1台ソフト1本で遊んでた時代から
    一人1台1本で協力プレイや対戦が主流なのか?モンハンもポケモンも世代でない私には弟や年下との会話から察することしかできないほどです

    • 管理人のみう太 より:

      今はネットで調べれば攻略情報が出てきますから、人によっては最初からwiki見ながら…なんて人もいるでしょうね。
      ただ、人によって謎解きや探索を楽しむタイプだったり、とにかく物語を楽しむタイプだったり、人によって違うのでそこは口を出すところではないのかもしれません。
      もうすぐ発売する『嘘つき姫と盲目王子』なんかはアクションパズルでありながらステージスキップ機能もありますし(ΦωΦ)
      私も昔は友達の家で64とか遊んでいましたけど、今はネット環境があれば対戦も交換も出来るんで、顔を合わせて遊ぶ事自体が減っていそうな感じはします。

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