『バルーンファイト』が『スーパーマリオブラザーズ』の水中ステージに影響を与えていた話

任天堂のゲーム
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こんにちは、こんばんは、『みう太』と書いて『みうた』と申します!(Xアカウント

発売から40周年を迎え、様々なキャンペーンが行われている任天堂の『ファミコン』ですが、近年ではNintendo Switch Onlineで配信中のタイトルも多く、たびたび遊んでいる方は多いのではないかと思います。

私はリアルタイム世代ではなかったので、『聞いたことはあるけど触れたことはない…』というタイトルも多く、気軽に『とりあえず遊べる』のは非常にありがたいところです。

かの『マリオ』に影響を与えた『バルーンファイト』

そんなファミコンの代表作といえば、やはり1985年に発売された『スーパーマリオブラザーズ』に他ならず、本作はなんと全世界で4000万本以上の売り上げを記録しています。

任天堂のアクションゲームの礎ともいえる存在で、そのボリュームとクオリティの高さは、今遊んでも色あせない面白さが詰め込まれています。

2024年7月18日に発売予定の『ニンテンドーワールドチャンピオンシップス ファミコン世界大会』にもスーパーマリオブラザーズは収録予定で、『スーパーキノコ早取り競争』や『最速クリア競争』などのお題が用意されているようです。

しかし、このスーパーマリオブラザーズの開発には、かの『バルーンファイト』が間接的に関わっていたと聞いたので、今回はどのようなつながりがあったのか調べてみようと思います!

アーケード版とファミコン版があった『バルーンファイト』

『バルーンファイト』とは1984年に稼働を開始したアーケードゲームで、翌年の1985年には家庭で遊べるファミコン版も発売されました。

マリオやリンクのような代表的なキャラクターは登場しませんが、『大乱闘スマッシュブラザーズ』のステージに採用されていたり、Nintendo Switch Onlineなどで配信されていたりと、1度は目にしたことのあるユーザーも多いのではないかと思います。

インタビューによると、アーケード版はプログラムの受託開発をしていた『株式会社SRD』が、ファミコン版はのちの『星のカービィ』などで知られる『HAL研究所』が開発を担当しており、それぞれ同時期に並行して作られていたそうです。

当時任天堂の多くのアーケードゲームは、ファミコンと同じチップセットを使った『任天堂VS.システム』という基盤が用いられいて、性能面においても若干ファミコンを上回っていました。

しかしバルーンファイトに限っては、なぜかファミコン版の方がプレイヤーの動きがなめらかで、SRDのプログラマーだった中郷俊彦さんは、理由を探るためHAL研究所へ相談を持ち掛けています。

そのときHAL研究所のプログラマーであり、のちの任天堂社長である岩田聡さんは知っていることを洗いざらい話し、キャラクターを小数点以下で計算することで、よりなめらかな動きを実現できるとレクチャーしました。

当時の『社長が訊く』

岩田さんの助言は、中郷さんにとってまさに目からウロコで、アーケード版のクオリティアップに少なからずつながっていたようです。

こうしてリリースされたアーケード版の『VS. バルーンファイト』は、縦にスクロールする広いステージで作られていて、基本的に一画面構成のファミコン版とはまた一味違った面白さが体験できます。

このアーケード版は現在、株式会社ハムスターの『アーケードアーカイブス』としてニンテンドースイッチ版がリリースされているので、気になる方は調べてみるのもオススメです。

マリオの水中ステージに活かされた『浮遊感』

そして1985年に『スーパーマリオブラザーズ』が発売されると、その圧倒的な売り上げからファミコンの人気を不動のものにし、『世界でもっとも売れたゲームソフト』としてギネスにも認定されました。

これまでのアクションゲームは敵に触れることができず、ステージ内のギミックを利用して戦うものが多かったですが、『ジャンプで踏みつけて倒す』というシンプルな攻撃方法は、のちの様々なゲームにも影響を与えています。

当時任天堂社長だった山内博さんも、『地上と、空の上と、水中さえ行くことができる。こりゃ、みんな驚くだろうね。』と太鼓判を押しており、確かな手ごたえを感じていたようです。

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山内社長がコメントした通り、本作は地上のみならず様々なエリアを冒険できるダイナミックさも魅力の1つで、開発期間も他のタイトルの倍近くを費やしたといわれています。

中でも水中ステージは他のエリアと挙動から違い、ボタンを連打することで水中をプカプカと泳げるのですが、ここに『バルーンファイト』で培った技術が応用されているそうです。

確かにバルーンファイトも、スーパーマリオブラザーズの水中ステージも、ボタンと十字キーの繊細なコントロールが必要であり、操作感でいえばかなり近しいように思えます。

『VS. バルーンファイト』の開発に携わった中郷さんは、スーパーマリオブラザーズのプログラマーとしても参加していて、水中ステージがあれだけなめらかに動くのは、過去に岩田さんからのレクチャーを受けたおかげだとコメントしました。

岩田さんも自分の知識が役立ったことを喜んでいて、HAL研究所時代、本流の『スーパーマリオ』シリーズに関わったことがなかった中、このようなつながりで少しだけ参加できていたことが嬉しかったようです。

何気なく遊んでいたゲームの一場面でも、このように別のゲームと実は繋がりがあることを知ると、直接的ではなくともコラボ作品のような面白さが見えてきます。

『言われれば納得』の絶妙な難易度

というわけで今回は『バルーンファイト』と『スーパーマリオブラザーズ』の、ちょっと意外なつながりについて簡単にまとめてみました。

マリオの水中ステージは操作に独特のクセがあり、ダメージを受けやすいことから苦手なプレイヤーも多いと思うのですが、『根本にバルーンファイトがある』と知ると、その絶妙な難易度にも納得できます。

バルーンファイトは残念ながら近年新作に恵まれていませんが、2Dアクションのマリオに水中ステージは今や欠かせないもので、そのノウハウがつながって現代にも活きていると考えると、なかなか感慨深いものがあります。

ちなみに具体的な名前の出てこない『バルーンファイトの主人公』は、実は1度だけ『アリス』という少女に変更されたことがあるので、こちらのリメイク作なんかが出たら…意外と注目を集めるのかもしれません。

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