スイッチでリマスターされる『バテン・カイトス』をオススメしたい5つの理由

任天堂以外のゲーム
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どうも、みう太(@arai_miuta)です(ΦωΦ)

2023年2月9日にNintendo Direct(ニンテンドーダイレクト)が配信され、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』の新たなPVや、『Splatoon3』のエキスパンションパスについてなど…気になる新情報がいくつもありました。

完全新作タイトルが気になるのは間違いありませんが、今回の配信では『メトロイドプライム』や『マリーのアトリエ』『みんな大好き塊魂』といった往年の名作のリメイク・リマスターも数多く、遊びたいゲームは尽きないと感じる今日この頃です。

ゼノブレイドに隠れた?モノリスソフトの名作『バテン・カイトス』

そんな2023年2月9日のニンテンドーダイレクトでは『バテン・カイトス Ⅰ&Ⅱ HD Remaster』が発表されており、本作もゲームキューブで発売されたタイトルのリマスター作品になります。

バテン・カイトスは『ゼノブレイド』シリーズで有名な『モノリスソフト』が開発したタイトルですが、2003年当時モノリスソフトはバンダイナムコの傘下で、任天堂の子会社となった今となっては復活も難しいのではないか…と思われていました。

リマスター版は1と2がセットになって収録されていて、私は特に1作目に当たる『バテン・カイトス 終わらない翼と失われた海』を当時ずっと遊んでいたので、この発表は本当に嬉しかったです。

ゼノブレイドと比べると知名度は『知る人ぞ知る』タイトルかもしれませんが、その独特なシステムと重厚なストーリーはRPGとしても非常に面白いので、今回はそんな『バテン・カイトス』の魅力を簡単に紹介してみようと思います!

※この記事は2020年2月24日に投稿した記事を再構築したものです。

一筋縄ではない?アクの強さがクセになるキャラクター達

『バテン・カイトス』の魅力を語るのであれば、まず最初にアクが強くも個性的なキャラクター達については外せません

RPGの主人公のイメージといえば、正義感が強く敵に立ち向かっていくような人物が真っ先に思い浮かびますが、『バテン・カイトス』の主人公である『カラス』はかなりひねくれた性格をしていて、なかなか他のゲームでも見られない人物像が描かれています。

その性格の悪さはヒロインの『シェラ』からもたしなめられるほどであり、例えば亡くなった冒険者の持ち物を『死人には不要なもの』と躊躇なく拾おうとしたり、利益がなければ困っている人を『助ける理由がない』と見捨ててしまったり、『ゼノブレイド』シリーズの主人公と比べるとかなり穿った性格をしています。

バテン・カイトスの世界においてほとんどの人は『こころの翼』を持っていて、集中する事でオーラのような翼を背中から生やして空を飛べるようになります。

しかし、カラスは何故か生まれつき『こころの翼』が右側にしかなく、それを補うために祖父に作ってもらった『飛翔機』という機械を左側に付けて空を飛んでいました。

ところがカラスの祖父と弟がアルファルド帝国の軍人である『ジャコモ』に殺されてしまったことで、その憎しみと復讐心から簡単には他人を信じなくなり、打算的でひねくれた性格へとなってしまいました。

カラスは旅の途中で魔法使いの『シェラ』と出会い、帝国が邪神の復活を計画している事実を知りますが、あくまでカラスの目的は『帝国のジャコモを倒して仇を取る』ことであり、世界の平和にも関心がなく、一般的なRPGの主人公像とはかなり異なっています。

そんな自己中心的で世界の危機にも無関心だったカラスですが、仲間と共に旅を続けるうちにその心境にも変化があり、彼がどのように精神的な成長を遂げるのか…も見どころのひとつです。

『バテン・カイトス』はキャラクターのデザインを含め全体的にクセが強く、その見た目からなんとなく食わず嫌いをされていた部分がありましたが、だからこそそれぞれのキャラクターの個性も際立っていて、ストーリーを最後まで進めたときの愛着も大きくなるのではないかと思います。

『ゼノブレイド』にも共通する世界観の作り込み

『バテン・カイトス』の世界は一つに繋がっているわけではなく、空の上に浮島のように複数の大陸が存在しています。

それぞれの大陸によってもちろん特徴も違い、物語の始まりになる大陸『サダルスード』は豊かな自然に恵まれたのどかな土地ですが、それでも中心都市である『フェルカド』は歴史的な街並みが有名で賑わっており、他の大陸との交流も盛んに行われています。

このようにそれぞれ違った風土の大陸がいくつも存在するのは、ニンテンドースイッチで発売された『ゼノブレイド2』にも近しいかもしれません。

主人公のカラスとシェラは、これら数々の大陸を渡り歩きながらそれぞれの土地で仲間を増やしていきますが、生活してきた国によって考え方や戦い方も違うので、仲間たちとの会話を通じてより深く世界観を理解できます。

特にカラスは正義感からかけ離れた態度を取るのもあって、赴いた大陸での振る舞いや要人との掛け合いも注目して欲しいポイントです。

またそれぞれの大陸自体の個性も強く、サダルスードのような自然に溢れた大陸もあれば、多くの漁師が住んでいる『ディアデム』は美しい雲に囲まれた幻想的な大陸だったり、『幻影都市ミラ』ではまるで絵本を閉じ込めたような不思議な村が存在したりと、それぞれの大陸を巡るだけでもかなり楽しいのではないかと思います。

カラスの目的は『帝国アルファルド』の軍人ジャコモを倒すことなので、もちろん物語の途中で帝国にも訪れるのですが、帝国は技術力の高さから飛びぬけた国力を持っていて、戦車や戦艦を始めとした大型兵器をいくつも所有している軍事的な国家です。

しかし、科学に頼り切った生活が原因で帝国の人間は『こころの翼』を失ってしまい、機械仕掛けの翼や空中に浮かぶポッドなどを活用して暮らしているのも、他の国と比較したときの異質さが際立っていて、より物語や世界観にも厚みを出しています。

仲間の1人である『リュード』はこの帝国出身のエリート兵士で、帝国を恨むカラスと共に旅をするのも数奇な運命ですが、こころの翼を持たない代わりに巨大な銃で敵を撃破する戦い方にも地域による違いが深く表れていて印象的でした。

どんなものでもアイテムになる『マグナス』の存在

世界観やキャラクターの作りこみも素晴らしいのですが、何よりも最大の特徴が『マグナス』というカードの存在です。

この世界ではあらゆる物体から『マグナエッセンス』を取り出してマグナスに封印でき、逆にそのマグナスからエッセンスを開放して元の物体に戻すこともできます。

例えば冒険者にとって一般的な武器『ショートソード』のマグナエッセンスをマグナスに封じ込めておけば、わざわざショートソードそのものを持ち歩く必要もなく、あらゆる物体をカードに変換して持ち運べる…と考えると分かりやすいかもしれません。

あまりに大きなものはマグナスに変換できませんが、それ以外であれば武器や防具に限らず『食べ物』『道具』『魔法』などなど…、あらゆるものをマグナスにして持ち運べるようになっています。

これが『バテン・カイトス』の世界の根幹にあって、例えば『炎』をマグナスにして持ち歩くことで氷に閉ざされた道を切り開いたり、『雲』のマグナスを解放することで新しい雲の道を作って先に進んだり…と、ゲームの謎解きにもたびたび活用されています。

どのようなものでもマグナスにできる設定から、このゲームにはアイテムの数が非常に多く、『ロングソード』や『バックラー』といった装備品はもちろん、『バナナ』『苺』『たけのこ』などの回復アイテム、『彫刻刀』『枯れた花』『借金』など何に使っていいのか分からないアイテムまで…、その総数は特殊なものも含めればなんと1000を超えます

更に面白いのがこのゲームには時間経過の概念があって、例えば『たけのこ』は序盤で貴重な体力回復のマグナスですが、この『たけのこ』をしばらく持ち続けているといつの間にか『青竹』に変化しています。

『青竹』は食べられないので体力の回復には使えませんが、代わりに攻撃用のアイテムに変化していて、それこそショートソードやロングソードよりも高い攻撃力を持っています。

これによって使いやすかったマグナスがいきなり腐って使えなくなってしまったり、逆に使い道の分からなかったマグナスが変化して強力なマグナスに変貌したり…、たまに手持ちのマグナスを確認するだけでも思わぬ驚きがあるかもしれません。

カードバトルとコマンドバトルが融合した独特なシステム

『バテン・カイトス』のジャンルはRPGですが、そのバトルはターン制でありながら、コマンドバトルとは違った独自のシステムになっています。

剣や盾など様々な装備品がマグナスになっていますが、決してその中からひとつを選んでキャラクターに装備させる…というわけではありません。

このゲームでは『攻撃用のマグナス』『防御用のマグナス』『回復用のマグナス』などを複数枚選んで、カードゲームのようにキャラクター毎にデッキを構築します。

敵との戦闘ではそのマグナスのデッキから一定の枚数のカードを手札にし、攻撃用のマグナスを選ぶことで相手に攻撃できます。

なので、デッキのバランスが良くなければ防御用のカードばかりを引いてしまい攻撃ができなかったり、肝心な時に回復のマグナスが引けずにそのままやられてしまったりと、構築の時点で戦略的な考えも必要になってきます。

中には攻撃にも防御にも使えるマグナスがあったり、攻撃力はない代わりに相手を状態異常にできるマグナスがあったり…多種多様なマグナスからデッキを考えるのも楽しみの1つです。

また、マグナスにはそれぞれ属性が設定されていて、純粋に能力の高いものだけをデッキに組み込めば良いという訳でもありません。

自分のターンのときに連続して攻撃用マグナスを選べばそれだけ攻撃回数も増えますが、もしも水の属性を持った『アイスダガー』と炎の属性を持った『フレイムソード』を同時に使うと、それぞれの属性の効果が相殺され相手に与えるダメージが少なくなってしまいます。

敵にも弱点の属性が設定されているので、できるだけそれを狙って攻撃すればバトルを有利に進められますが…、相反する属性のマグナスをできるだけ使わずにいかにバランスの良いデッキを組めるのか、それを考えるのも本作の戦略性を高めています。

そしてこのゲームはターン制とはいえ、決してのんびりできるゲームではありません

敵からの攻撃をガードするには、こちらも手札から防御用のマグナスを出す必要がありますが、『こちらがカードを選ぶと相手が攻撃をしてくる』のではなく、『相手の攻撃が当たるまでにこちらが手札からカードを出す』必要があります。

そのため、どのカードを出そうかと迷っていると敵の攻撃が先に当たってしまい、何も防御ができないままこちらの体力が削られてしまいます。

敵が強くなるほど相手の攻撃回数も増えていくので、こちらもテンポよく防御用のマグナスを手札から出さなければならず、実際にやってみるとなかなか忙しいのですが…、これが絶妙な難易度のバランスとテンポの良さを生み出しています。

バトル中に調合?序盤でも強力なマグナスが作り出せる面白さ

マグナスを組み合わせてデッキを作るというシステムの都合上、できる限り強力なマグナスをたくさん集めるのがこのゲームでは重要です。

マグナスを手に入れるには敵を倒したり、お店で購入したり、先ほど紹介したように手持ちのマグナスをしばらく放置して別のマグナスに変化させたり…様々な方法があります。

更にこのゲームでは、様々なマグナス同士を掛け合わせて新しいマグナスを生み出すこともできます

『バテン・カイトス』のバトルでは1回の攻撃で複数のマグナスを使用しますが、『必ずしも攻撃用のマグナスを使わなければならない』という訳ではありません。

例えば最初に『ショートソード』のマグナスを使って、それ続けて『杉の木』のマグナスを使うと、スペシャルコンボが発生して新しく『木くず』のマグナスが生まれます。

『木くず』なんてアイテムを持っていても役に立つ気はしませんが…、今度はこの『木くず』に続けて『杉の樹液』のマグナスを使うと、更に新しく『カブトムシ』のマグナスを作り出せます。

このように特定の順番でマグナスを使うことで、他の手段では手に入らない珍しいマグナスを序盤でも集められます

組み合わせによっては強力なマグナスにもなり、そのままでは使い道のない『わら』に続けて『ダークフレア』という闇魔法のマグナスを使えば、更に強力な闇属性の攻撃力を持った『わら人形』が作れますし、『アボカド』に続けて『醤油』のマグナスを使えば体力が1900も回復する『中トロ』のマグナスが作れます。

スペシャルコンボのヒントはゲーム内にはそこまで多くありませんが、『釣竿』と『海老』を一緒に使うと『海老で鯛を釣る』のことわざに倣って『鯛』のマグナスが手に入ったり、少しとんちを利かせることでゲームも楽に進められるかもしれません。

戦闘で使ったマグナスはバトル終了後に戻ってきて無くなることはないので、必要なカードが揃っていれば何回でも強力なマグナスを作り出せます。

遊びやすく手が加えられたリマスター版

というわけで、『バテン・カイトス Ⅰ&Ⅱ HD Remaster』の発表を受けて『バテン・カイトス 終わらない翼と失われた海』の魅力を簡単にですが紹介してみました。

モノリスソフトといえば『ゼノブレイド』のイメージが今では根付いていますが、こちらも間違いなく没頭できるRPGですので、興味のある方はぜひ遊んでみて欲しいタイトルです。

ゲームキューブのタイトルはソフトが高騰している傾向にあり、今となってはなかなか遊べる環境も用意しにくかったので、今回のようにニンテンドースイッチでリマスターされるのはとてもありがたいと思います。

セットになっている続編『バテン・カイトスII 始まりの翼と神々の嗣子』はよりテンポよく遊べるよう様々な点で改善されていますが、リマスター版は『エンカウントキャンセル』『ゲームスピード変更』など便利な機能が追加されているとのことで、1作目の『バテン・カイトス』も当時以上に快適に遊べるようです。

実は残念ながら開発中止になってしまいましたが、『バテン・カイトスDS』や『バテン・カイトス3』も過去には計画されていて、その企画や設定は現在もバンダイナムコに保管されています。

実現すれば海底、陸、空を舞台に壮大な内容になる予定でした。封印された続編の大量の設定画はバンナムにあります。続編の要望は私やモノリスだけでなくバンナムさんに。

— 本根 康之 (@honnesan) September 23, 2018

もしこのリマスターでバテン・カイトスの知名度が高まれば、ゼノブレイドシリーズにゲストとしてキャラクターが登場したり、設定が練られたままお蔵入りになっていた『バテン・カイトス3』につながったり…なんて可能性もあるかもしれません。

コメント

  1. 匿名 より:

    懐かしいタイトルです
    ゲーム歴がかなり長いですが、ちょうどPS2あたりでゲームに飽きが来ていた頃に
    たまたま安く手に入ったGCでゲームを探していた時に購入した中の1本にこれがありました

    バテンカイトスに限らずですがGCは、それまでPS2で遊んでいた自分には目から鱗で
    ゲームってこういう楽しみ方をするものだったなと思い返させてくれるハードになりました
    (DUOやネオジオあたりからどうもムービーとか格ゲーに気を取られることが多かった)

    独特の戦闘とそのBGMが今でも頭から離れませんね~
    攻撃する度にリザルト画面のようなもので結果を表示されてましたけど、正直ちゃんと理解もせずに戦ってましたね
    カードの並べ方とか写真の撮り方とか、取り逃すと手に入らない写真の撮影とか気を使ってたな

    1を購入した時には既に2が発売されていたので続けて購入してプレイしたら
    バトルシステムが似ているようで別物になっていてすごく混乱してしまった思い出

    • GC独占のRPGって実は割と珍しくて、当時は結構宣伝もされていたんですよね、ちなみに私も2は最初なかなかシステムが理解できなかったタイプですw
      キャラクターのデザインがちょっと絵画的で、そこで何となく手を出しにくかった人も多そうですが…、中身を見ればゼノブレイドやテイルズと並ぶくらいのポテンシャルはあったんじゃないかなぁ…と思います。
      あの戦闘システム、ターン制でありながらスピード感があって楽しいんですよね、何とか3が復活して貰えないものでしょうか…?

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