こんにちは、こんばんは、『みう太』と書いて『みうた』と申します!(Xアカウント)
スーパーマリオシリーズのアイテムといえば、今や優に100を超えるほどの種類がありますが、中でも特に有名なのが、初代『スーパーマリオブラザーズ』から登場する「スーパーキノコ」「ファイアフラワー」「スター」の3つです。
これら3つのアイテムは、ゲーム内でマリオをパワーアップさせるだけでなく、時に「マリオの世界を表すシンボル」として描かれることもあって、任天堂のメニューやアイコンにもたびたび用いられました。
『マリオカート』では「キノコカップ」などグランプリの名前に付けられていたり、『スーパーマリオRPG』では宿屋の看板がスターになっていたり、どのタイトルにおいても見かける機会は多かったのではないかと思います。
意外と統一感のなかった『ファイアフラワー』
そんなスーパーマリオの世界に欠かせない存在となった3つのアイテムですが、実はこの中の「ファイアフラワー」に限っては「楕円型」と「チューリップ型」の2種類のデザインがあって、作品によって異なる姿で登場しました。
初登場作品の『スーパーマリオブラザーズ』を始め、近年は赤と白にベースにした楕円型のデザインで描かれることがほとんどですが、1990年発売の『スーパーマリオワールド』に登場したチューリップ型のファイアフラワーも、覚えている方は多いのではないかと思います。

改めて調べてみると、ファイアフラワーは作品によって見た目だけでなく使い方や効果にも少しずつ違いがあって、スーパーキノコやスターほど「決まった形」が意外にも定められていませんでした。
もしかしたら、例えば「リンゴ」でも地域や環境によって様々な種類のリンゴがあるように、ファイアフラワーも同じ名前でありながら、実は作品によって厳密には違う種類…だったりするのかもしれません。
というわけで今回はそんなデザインの変更も含め、過去の作品を振り返りながらファイアフラワーの特徴の違いをまとめてみようと思います!
元々はキノコ王国の住民だった『スーパーマリオブラザーズ』

ファイアフラワーが初めて登場した作品は、先ほども紹介した通り1985年発売の『スーパーマリオブラザーズ』です。本作では、赤と白を基調とした楕円形の花の形で描かれ、マリオが触れても大丈夫なアイテムとして分かりやすいデザインがされていました。
マリオがファイアフラワーを取得すると「ファイアマリオ」に変身し、白と赤の配色の衣装に変わります。この状態でボタンを押すと火の玉を発射でき、敵を遠距離から攻撃する手段としてゲームの攻略に大きな役割を果たしました。
このファイアマリオは40年近くが経った今でも引き継がれていて、2Dマリオにおいてはほぼすべてのタイトルに登場しており、シリーズを代表する変身のひとつと言っても過言ではありません。

今思えば限りなくシンプルな2Dピクセルアートに見えますが、データの容量が限られていた当時はグラフィックもできる限り節約する必要がありました。そのため、絵の半分を左右反転してくっ付ければ完成するような、左右対称のデザインが採用されたのではないかと考えられます。
ちなみに当時のファイアフラワーは「キノコ王国に自生している花」ではなく、クッパの魔法によって姿を変えられてしまったキノコ王国の住人で、マリオは彼らを助けることでパワーを分けてもらい変身する、という設定でした。
この設定は初代スーパーマリオブラザーズ特有のもので、後の作品には引き継がれていませんが、マリオはファイアフラワーを食べるのではなく、手に触れてパワーアップしていたようです。

1988年に発売された『スーパーマリオブラザーズ3』では、ファイアフラワーが従来の赤ではなく水色に変更されました。変更された明確な理由は分かりませんが、本作は舞台がキノコ王国ではなく、キノコワールドに点在する7つの王国なのもあって、「違う土地のファイアフラワー」として描かれたのかもしれません。
また、ファミコンはゲーム内に使用できる色数が限られていたので、背景や他のアイテムとの区別を明確にするため、赤よりコントラストの目立つ水色が採用された可能性も考えられます。
近年では青系統の色を基調にした「アイスフラワー」や「アワフラワー」といったアイテムが登場しているため、「水色のファイアフラワー」はかなり珍しく、後にも先にも本作だけの登場になりそうです。
チューリップ型のデザインに変更された『スーパーマリオワールド』

1990年にスーパーファミコンで発売された『スーパーマリオワールド』では、ファイアフラワーのデザインが一新され、鮮やかなオレンジの花びらに緑の茎が印象的な、チューリップ風のデザインとなりました。
長い歴史を振り返っても、アイテムの見た目がここまで変わるのは珍しく、その後も『スーパーマリオランド2 6つの金貨』や『ヨッシーのロードハンティング』など、一部のタイトルではこちらのデザインが採用されています。
デザインが変更された理由はこちらも不明ですが、他のアイテムと比較するのであれば、例えば「スーパーキノコ」と「スター」にはキャラクターのような顔が描かれていたのに対して、当時のファイアフラワーに顔は描かれておらず、あくまで「不思議な植物」といった印象でした。

近年のマリオ作品では、楕円型のファイアフラワーにも顔が描かれていますが、当時の小さなドット絵では花の中心に顔を描くのも難しく、より広い面積を確保するため、チューリップ型の新しいファイアフラワーをデザインしたのではないかと思います。
特にスーパーマリオワールドは、スーパーファミコンの本体と同時に発売されたタイトルで、「マリオの進化」もひとつのアピールポイントとされていたので、アイテムの色合いやデザインも根本から見直されていたのかもしれません。
また、本作の舞台は南の島「恐竜ランド」で、『スーパーマリオブラザーズ3』と同様にキノコ王国とは異なる地で育ったからこそ、従来のファイアフラワーと違う見た目をしていた、なんて考え方もできそうです。
用途が異なる『ペーパーマリオ』と『大乱闘スマッシュブラザーズ』

マリオをファイアマリオに変身させるアイテムとして、シリーズに定着していったファイアフラワーですが、従来と異なる使い方で描かれたのが、2000年に発売されたペーパーマリオシリーズの1作目『マリオストーリー』です。
本作は『スーパーマリオRPG』の続編に当たるタイトルで、従来のようにスーパーキノコやスターでパワーアップするのではなく、レベルや装備品、様々なスキルが身に付く「バッジ」などを活用し、マリオを段階的に強くするシステムが採用されていました。
ファイアフラワーにも独自の効果が与えられていて、戦闘中の敵キャラクター全体に3ダメージを与える攻撃用のアイテムであり、デザインも『スーパーマリオワールド』に近しいチューリップの形をしています。

使い方はマリオがファイアフラワーを手でこすると、花弁から火山のように炎が飛び出てくるという、これまでとは根本的に違う特徴を持っていて、これは後のペーパーマリオシリーズにも引き継がれています。
また、マリオが直接ファイアフラワーを食べることはできませんが、料理上手なキノピオ「キャシー」に渡すと「あつあつスープ」や「ファイアキャンディ」などに調理してくれるので、工夫次第で食べられる植物でもあるようです。
対戦アクションゲーム『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズにも、ファイアフラワーはおなじみのアイテムとして登場しています。1999年発売の初代スマブラから継続的に採用されていて、手に持つと一定時間、炎を連続で噴射できる「武器」として使用できました。

花から炎が出るという点ではマリオストーリーと近しいですが、そのデザインはチューリップ型とも違い、特に『大乱闘スマッシュブラザーズDX』では、白い花びらのオリジナルデザインが採用されています。
このような見た目のファイアフラワーはスマブラDXにしか登場しておらず、もはや本家のファイアフラワーとは別物といえるレベルで、用途やデザイン含めて独自の路線が模索されていたのかもしれません。
しかしそれでも、これまで『スーパーマリオブラザーズ』『スーパーマリオワールド』『マリオストーリー』と、それぞれで異なる見た目をしていたからこそ、「スマブラのファイアフラワーはこうなんだ」と、意外と違和感なく受け入れられていたのではないかと思います。
『New スーパーマリオブラザーズ』でおなじみのデザインに

そんな様々な姿を持つファイアフラワーですが、2006年にニンテンドーDSで発売された『New スーパーマリオブラザーズ』以降、ファイアフラワーのデザインは楕円形の花に顔が描かれたスタイルに統一されました。
一部のリメイク作では、以前のデザインのファイアフラワーがそのまま登場することもありますが、現在はシリーズ本編のみならず『マリオカート』や『大乱闘スマッシュブラザーズ』、任天堂公式サイトのアイコンなどにも用いられ、多くのユーザーに定着しているのではないかと思います。
New スーパーマリオブラザーズは、『スーパーマリオランド2 6つの金貨』から14年ぶりに発売された2D横スクロールのアクションゲームで、タイトルに「New」と付く通り、初代『スーパーマリオブラザーズ』への原点回帰がコンセプトでもありました。

ファイアフラワーも、赤と白を基調とした初代のアイテムデザインを踏襲することで、懐かしさと新しさを両立させようとしたのではないかと思います。また、グラフィックの向上も後押ししてか、花の中心には顔が描かれるようになり、アイテムでありながらキャラクターのような親しみやすさも加えられました。
その後の作品では「アイスフラワー」や「ゴールドフラワー」、「アワフラワー」といった、ファイアフラワーの色を変えた亜種も数多く登場しているので、今後大きくデザインが変更される可能性はかなり低そうです。
スーパーキノコは初登場以降、「1UPキノコ」や「巨大キノコ」など様々な亜種が登場しましたが、それも早い段階でキノコのデザインが定着していたからかもしれません。フラワーもデザインが明確になった今だからこそ、新しいアイテムに今後派生する可能性は高そうです。
今はどこの世界でも共通のファイアフラワー
というわけで今回はスーパーマリオに登場するアイテム「ファイアフラワー」について、そのデザインや使い方の違いを調べてみましたが、古いタイトルを振り返ると、意外にもデザインは二転三転していたようです。
特に『スーパーマリオワールド』から登場した、笑顔の描かれたチューリップ型のファイアフラワーは、他の作品でもたびたび使われていたので、なじみ深い方も多いのではないかと思います。

それだけデザインに違いがありながら、思いのほかプレイ中の違和感は少なく、「地域や環境によって姿が違うのかも?」と想像できる範疇で、その変化すらマリオの世界を楽しむ要素のひとつといえます。
現在はファイアフラワーのデザインも固定化され、多くのユーザーに定着しているので、今後もしチューリップ型のファイアフラワーが出てくるとしたら、普通の「ファイアフラワー」とは違った別の名前が付けられたりするのかもしれません。
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