こんにちは、こんばんは、『みう太』と書いて『みうた』と申します!(Xアカウント)
今や任天堂を語るうえで欠かせない存在となった『マリオ』ですが、彼の初登場作品であるアーケードゲーム『ドンキーコング』が、2024年7月9日にはなんと43周年を迎えるようです。
これだけ古いタイトルでありながら、『大乱闘スマッシュブラザーズ』のステージに選ばれていたり、『スーパーマリオ オデッセイ』の仕掛けのモチーフになっていたりと、未だに高い知名度を誇っています。
元祖ライバル関係だったマリオとドンキーコング
そんな『ドンキーコング』は1983年にファミコンへ移植され、近年でも『ニンテンドークラシックミニ』や『Nintendo Switch Online』などに収録されているため、多くの方が1度は触れたことのあるタイトルではないかと思います。
2024年7月18日に発売が予定されている『ニンテンドーワールドチャンピオンシップス ファミコン世界大会』にも『ドンキーコング』は収録されていて、『落とし物拾い競争』などのお題に挑戦できます。
当時のマリオとドンキーコングは敵対していて、幾度となく熾烈な戦いを繰り返していましたが、どうやら心から憎み合っていたわけではなく、少し特殊な形のライバル関係だったようです。
というわけで今回は、ファミコンで発売された『ドンキーコング』シリーズについて、なぜマリオとドンキーコングは戦っていたのか、理由を調べてみようと思います!
ポリーンに嫉妬してマリオと戦った初代『ドンキーコング』

1981年にアーケードで稼働を開始した初代『ドンキーコング』は、主人公を操作してドンキーコングの様々な妨害をかいくぐりながら、建築中のビルにさらわれた『レディ(のちのポリーン)』を救い出すのが目的になっています。
主人公はオーバーオールに帽子をかぶったヒゲの男性でしたが、当時はまだ『マリオ』という名前が付いておらず、『ジャンプマン』や『救助マン』と呼ばれていて、キャラクターの設定の多くがまだ未確定な状態でした。
また、近年のマリオと比べるとジャンプ力がかなり低かったり、少し高いところから落ちるだけでミスになってしまったり、近年の超人的な能力はまだ持っていなかったようです。

このころのドンキーコングはマリオのペットとされていて、どのように飼育していたのか定かではありませんが、『ペットがゴリラ』という設定は今思えばなかなかのインパクトだったと思います。
そんな中、マリオはレディと恋人関係になり、ドンキーコングは自分が構ってもらえなくなったヤキモチからマリオをからかってやろうと、レディをさらってビルへ逃げ込んでしまいます。
これだけ大事になっているのを考えると、やはりゴリラをペットにするのはかなりリスクが高かったようですが…、誘拐の動機が嫉妬なのであれば、もとよりマリオとドンキーコングの関係は悪くなかったのではないかと思います。

本作は25m、50m、75m、100mの4ステージ構成で、最後はビルを支える鉄骨の『ビス』をすべて取り外し、ドンキーコングをビルから転落させてゲームクリアとなります。
転落したドンキーコングは頭から地面に叩きつけられますが、決して命のやり取りをしているわけではなく、開発の宮本茂さんも『ドンキーを殺すのではなく、プレイヤーが知恵を使ってイタズラ者の気を失わせる』のがコンセプトだと明かしていました。
『元祖宿命のライバル』というイメージの強いマリオとドンキーコングも、決して根本から憎み合っていたのではなく、あくまでマリオにとっては『ペットのしつけ』に近い感覚だったのかもしれません。
息子がマリオに立ち向かう『ドンキーコングJR.』

1982年にアーケードで稼働を始めた『ドンキーコングJR.』は、『ドンキーコング』の続編として開発されたタイトルで、その名の通りドンキーコングの息子である『ドンキーコングJr.』が主人公を務めています。
前作でレディに迷惑をかけたその罰なのか、本作のドンキーコングはマリオによって檻に閉じ込められており、アーケード版ではそのまま搬送されるドンキーコングのデモ画面を見ることもできます。
ちなみにデモ画面では2人のマリオがドンキーコングを運んでいて、なぜマリオが2人いるのかは未だに明かされていませんが、もしかしたらこれがまだ名もなき頃のルイージ…?なんて憶測もあるようです。

本作はドンキーコングJr.を操作してカギを集め、ドンキーコングを檻から解放するのが目的で、いわばマリオから父親を奪い返す息子の救出劇でもあります。
40年にわたる歴史の中でもマリオが悪役の作品は珍しく、本作のマリオは鞭を振るって機械仕掛けのワニ『スナップジョー』や、巨大なワシの『ニットピッカー』などを絶え間なく差し向けてきました。
前作の設定を踏まえると、ドンキーコングとマリオの関係はそこまで悪いものではなかったと思うのですが、マリオのあまりの仕打ちに、息子のドンキーコングJr.はいてもたってもいられなくなったのかもしれません。

そもそもドンキーコングJr.というキャラクターは未だに謎が多く、マリオのペットだったドンキーコングにいつ息子が生まれたのか、もともとマリオとはどのような関係だったのか、など明らかになっていない部分も少なくありません。
最終ステージをクリアすると、ドンキーコングJr.は檻から解き放たれたドンキーコングを受け止め笑顔を見せますが、果たしてドンキーコング自身はどこまで望んでいた結果なのか…、気になるところです。
なお、エンディングでは前作のお返しとばかりにマリオが建物から地面に叩きつけられ、天使の輪っかを浮かべていて、仕打ちとしてはかなり容赦ない部類ではないかと思います。
もはやマリオと関りのない『ドンキーコング3』

『ドンキーコングJR.』の稼働から1年が経った1983年、シリーズ3作目となる『ドンキーコング3』のアーケード版がリリースされましたが、本作にはそもそもマリオは登場すらしていません。
代わりに抜擢された主人公が『スタンリー』というオーバーオールの青年で、彼はスプレーを手に、フラワーガーデンへ現れたドンキーコングを追い払うため奮闘します。
ドンキーコングがマリオの元を離れて自由に行動できているのは、前作でジュニアに助け出してもらったからかもしれませんが、その結果なぜフラワーガーデンで突然暴れ出すようになったのかは未だに分かっていません。

ドンキーコングは虫を呼び出して花を奪おうとしたり、木の実を投げつけてくるだけでなく、そのままツタから飛び降りようとしてくるので、スタンリーはスプレーの噴射で逆に押し戻さなければなりません。
実はスタンリーは1982年に発売されたゲーム&ウオッチ『グリーンハウス』の主人公で、『ドンキーコング』や『スーパーマリオ』との結びつきは薄く、実際に他のキャラクターとの関りもほとんどないようです。
ただ、グリーンハウスも殺虫剤を用いて害虫を追い払うという点では共通しているので、その一点でマリオではなくスタンリーに白羽の矢が立ったのかもしれません。

しかし華々しく主人公を務めていたにもかかわらず、その後スタンリーが登場するタイトルはほとんどなく、残念ながら今や知る人の限られた『幻の主人公』にまでなってしまいました。
また、ドンキーコング自身も本作への登場を最後に第一線から身を引き、1994年発売の『スーパードンキーコング』以降はクランキーコングへと名前を変え、長老としてコングファミリーをまとめあげる存在になっています。
現在活躍しているドンキーコングは、実はクランキーコングから名前を譲り受けた2代目で、かつてのようなマリオとの因縁めいた関係なども薄れてきているようです。
今も昔も”悪いやつ”ではないドンキーコング
というわけで今回はファミコンで発売された『ドンキーコング』3作品について、なぜドンキーコングはマリオたちと敵対していたのかを調べてみましたが、まず根っからマリオを恨んでいた…ということはなさそうです。
しかし『ドンキーコング』でビルの頂上から転落させたり、『ドンキーコングJR.』で厳重な檻に閉じ込めたりしているのを見ると、当時のマリオは意外と容赦ない一面も持ち合わせていたのかもしれません。

現在の2代目ドンキーコングは『マリオカート』や『マリオパーティ』のみならず、『マリオvs.ドンキーコング』シリーズなどでたびたびマリオと対立していますが、やはり本気で争っているわけではなく、クッパとは違ったライバル関係を築き上げています。
2014年に発売された『ドンキーコング トロピカルフリーズ』では、クランキーコングがまさかのプレイアブルキャラクターとなり大きな話題を集めましたが、かつてマリオと戦った経験を考えると、実は紛れもない実力者だった…といえそうです。
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