フェアリータイプのポケモンは何がモチーフ?神話や伝承から元ネタを調べてみた

任天堂のゲーム
広告

どうも、みう太(@arai_miuta)です(ΦωΦ)

1997年から長きに渡って続いてきたアニメ『ポケットモンスター』もサトシの旅が完結し、2024年4月14日からはパルデア地方を舞台とした新シリーズが始まりました。

まだゲームでは発見されていないカメのような新しいポケモンも登場し、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』のDLC『ゼロの秘宝』で登場が明らかになっている『テラパゴス』とどのような関係があるのか…今から気になる今日この頃です。

パルデア地方でも存在感を放っていた『フェアリータイプ』

『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』は2022年11月18日に発売され、気が付けば早くも5ヶ月が経ちましたが、現在も定期的に特別なレイドバトルなどが開催されていて、変わらず遊び続けている方も多いのではないかと思います。

オープンワールドが取り入れられた本作はどこから攻略するかもプレイヤーの自由だったため、人によってルートも手持ちのポケモンも大きく違い、遊び方に個性が出たのが個人的にも面白かったです。

舞台となるパルデア地方には400種にも及ぶ様々なポケモンが生息していて、どのようなパーティを組んで冒険するか考えるのも楽しいですが…、私の手持ちでは『デカヌチャン』が『デカハンマー』を振るって特にに活躍してくれました。

しかしこのデカヌチャン、フェアリータイプという通り妖精らしくはありながら、モチーフが一体何なのかはパッと見では分からず、なかなか謎に包まれているポケモンなのではないかと思います。

というわけで今回はパルデア地方に生息する中で『モチーフが気になるフェアリータイプのポケモン』を調べて、いくつか取り上げてみようと思います!

金物の扱いを得意としたフェアリー『デカヌチャン』

『デカヌチャン』は『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』に初登場したポケモンで、進化前には『カヌチャン』と『ナカヌチャン』が存在しており、はがね・フェアリーという優秀な複合タイプを持っています。

デカヌチャン本人はそこまで大きくありませんが、何より目を引くのはその手に持つ大きなハンマーで、図鑑説明を見る限りハンマーの重さは100kg以上にもなるようです。

名前の由来は『鍛治(かぬち)』で、金属を鍛えて武器を生成する鍛冶屋からきており、『鉄くずを集めてハンマーを作る』とされるデカヌチャンを見ればそのモチーフはうなずけるものがあります。

しかし当然ながら鍛治は人間の職業なので妖精ではなく、フェアリータイプのモチーフをたどるのであれば、『背が低くて鍛冶に長ける』ドワーフが特徴に当てはまっているのかもしれません。

ドワーフは今やファンタジー系の創作物でおなじみの存在であり、『とても背の低い人間』『小さきもの』という意味を持っていて、屈強かつ大雑把な性格でありながら、細工師や鍛冶師として非常に高い技術を持っていると伝わっています。

作品によってはドワーフは男しかおらず、女性がいないことから岩から生まれる…なんて伝承も残されていますが、デカヌチャンは逆にメスの個体しか存在せず、ここは少しモチーフとは違う性質を持っているようにも思えます。

パルデア地方のモチーフとなったスペインとドワーフは調べたところほとんど関りが無いようでしたが、同じような風貌の妖精に『ノーム』というものがいて、そちらはスペインにて『森の妖精 ノーム』というアニメが放映されていたそうです。

また、デカヌチャンは海外で『Tinkaton』という名前で、由来となる『Tinker(ティンカー)』は『金物の修理屋』の意味を持っており、日本の『かぬち』と近い言葉が由来になっています。

『ピーターパン』でおなじみの『ティンカー・ベル』も原作では金物修理の妖精であり、物を直すことが何よりの喜びで、デカヌチャンのフェアリータイプと合わせて考えるとピッタリの名前ではあるかもしれません。

ピカチュウに擬態した恐ろしい生態を持つ『ミミッキュ』

2016年に発売された『ポケットモンスター サン・ムーン』に初登場した『ミミッキュ』はフェアリーとゴーストの複合タイプで、その人気の高さから現在グッズなども数多く販売されています。

ピカチュウに似た見た目をしていますが、これはミミッキュ本体が自らの姿を隠すためピカチュウに似せたボロ布をかぶっているからであり、その恐ろしい中身を見たトレーナーや学者はもがき苦しみながら死んだ、とポケモン図鑑に記録が残っています。

ミミッキュの名前は生物学で『擬態する』という意味を持つ『ミミック』が由来と思われ、まさにピカチュウに擬態しているミミッキュのイメージ通りであり、ゴーストタイプらしい正体不明な恐ろしさが印象的でした。

ミミックといえば近年では『ドラゴンクエスト』を始めとして、宝箱に擬態しているモンスターのイメージが強いですが、歴史的な神話や古典にはミミックという生物は存在せず、比較的近年になって創られた魔物の1種のようです。

さらに時代を遡ると初出は1977年発売のTRPG『アドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ』で、ミミッキュと同じようにミミックは太陽の光を苦手としており、完璧に石や木に擬態できる特徴を持っています。

具体的な見た目は明らかではありませんが、原始的な生命体らしく、獲物の通りそうな場所で擬態して待ち伏せし、棍棒状の義足で殴りかかったり、粘着性のある液体を吐きかけて動きを封じたり、まさに生きるトラップといえるような存在です。

今やミミックを取り扱ったゲームは数多く存在し、例えば『ファイナルファンタジー』や『ダークソウル』などにも宝箱の姿に化けて登場、一般的な敵キャラクターよりも比較的強めに設定されていることが多く、苦戦された方も多いのではないかと思います。

ミミッキュは総合的なステータスで見れば決して高くはありませんが、特性『ばけのかわ』によって攻撃を1回だけ肩代わりし、安全に『つるぎのまい』や『トリックルーム』などを使える優位性から、対戦においても高い人気を誇っていました。

ミミックのような凶暴性はミミッキュには無いものの、中身を除いた者には死が降りかかる…という点ではある意味共通していて、今後もその正体については謎に包まれたままになりそうです。

圧倒的なパワーを持った異色のフェアリー『オーロンゲ』

2019年に発売された『ポケットモンスター ソード・シールド』においても新たなポケモンが多数追加されましたが、中でも『ベロバー』『ギモー』『オーロンゲ』の3匹は、その見た目からユーザーに大きなインパクトを与えました。

ベロバーは常に大きな舌を出していて、由来は相手をからかうときに使われる言葉『べろべろばー』に加えて、ヨーロッパの伝承に登場する妖精『オベロン』も関係しているのでないかと推測されています。

舞台となったガラル地方はイギリスがモチーフであり、オベロンは15~16世紀のイギリスにおいて妖精の使い魔としてよく使われた名前で、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『真夏の夜の夢』においても『妖精王』として非常に重要な存在でした。

最終進化のオーロンゲは全身に巻き付く髪の毛が筋肉のようになっていて、『オーク』もしくは『オーガ』に『ロン毛』を組み合わせた名前ではないかと思われます。

オークといえばこちらも近年のファンタジー作品においておなじみの存在ですが、16世紀末頃から『怪物』を指す言葉として存在しており、1954年に作られたイギリスの小説『指輪物語』でも邪悪な勢力の兵士として登場しました。

指輪物語のオークは人間に近い風貌をしているものの、ひどく惨めで醜い生物として扱われており、人を殺す道具やつるはしなどを創り出す『破壊者』として描かれているようです。

近年のオーク像といえば体格が良く、ブタやイノシシのような顔をしているイメージを持ちがちですが、指輪物語にはそのような描写はなく、アイルランド語の『orc』が偶然にも『豚』の意味を持っていたことからイメージの定着に関連したのではないか、といわれています。

『オーガ』もオークと近い存在として扱われていて、絵画では髪の毛やヒゲなどが非常に豊かな大男に描かれることも多いため、その点でいえばオーロンゲの特徴とも一致しているかもしれません。

一方で暴虐かつ無慈悲な伝承が多い中、オーロンゲは体は大きくなってもベロバーのときと同じようにイタズラ好きな性格で、原作と比べるとかなりマイルドな表現…といえそうです。

森を荒らすものには容赦しない性格の『ブリムオン』

同じく『ポケットモンスター ソード・シールド』で初登場した『ブリムオン』は、『ミブリム』『テブリム』の進化系で、オスしかいないオーロンゲとは対照的にメスしか存在せず、対の存在として扱われることも多いポケモンです。

名前の由来は『身振り』『手振り』に『無音』を合わせたもので、また帽子を意味する言葉『ブリム』にもかかっていると推測されています。

その見た目はまるでおしとやかな魔女ですが、何よりも静寂を好んでいて、争いを招く者であればビームで気絶させてから触手の爪で引き裂いてしまう容赦ない性格をしており、彼女の住む森には他の生き物の気配がしないとも記録されています。

オーロンゲやミミッキュに比べると直接的なモチーフが分かりにくく、調べるとどうやらヨーロッパの様々な伝承がミックスされているようで、例えば『アーサー王物語』に登場する『湖の乙女』や、アーサーの異父姉であり魔女と呼ばれた『モルガン・ル・フェ』と関係が深いのではないかと思われます。

『湖の乙女』は個人ではなく複数の女性を指す言葉で、初期の騎士物語では水の精霊として扱われていましたが、のちに魔術で作った湖の中に住む高貴な魔法使いに変更され、魔女の1人である『ニムエ』は異界の威嚇的な力の化身ともいわれているようです。

湖の乙女の1人であった『ニニーヴ』はアーサーの助言者であり魔術師『マーリン』を師匠にしていましたが、女性好きだったマーリンはたびたび強引にニニーヴの純潔を奪おうとしたため愛想を尽かし、最終的にニニーヴは魔法を用いて2度と出られないようマーリンを地面に生き埋めにしています。

『モルガン・ル・フェ』は『妖精モルガン』という意味を持つ女性の呼び名で、ケルト神話における戦争の女神『モリガン』とも同一視されており、12世紀半ばの書物『マーリンの生涯』にて伝説の島『アヴァロン』を統治する9姉妹の長姉として登場します。

『マーリンの生涯』では重傷を負ったアーサー王を金のベッドに運び、治癒の力で助けたとされていますが、15世紀後半の文献『アーサー王の死』では黒魔術を扱う邪悪な魔女に変更され、一転アーサー王に立ちふさがる最強の敵として登場しました。

これら伝承はいずれも古いものなので説がいくつかあり、直接的にブリムオンのモデルになっているとは言い切れませんが、魔女の見た目で容赦がない性格はどことなく似ているようにも感じます。

羊のような可愛らしいイタズラ好き『エルフーン』

『エルフーン』は『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』に初登場したポケモンで、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』のパルデア地方には生息していませんが、DLC『藍の円盤』にて登場が明らかになっています。

タイプは『くさ』と『フェアリー』で、つむじ風に乗って世界を自由気ままに飛び回る生態を持っており、そんな特徴を鑑みると名前の由来は『エルフ』+『タイフーン』であることは間違いなさそうです。

エルフもドワーフやオークと並ぶほどファンタジーの世界においてはおなじみの存在で、『森に住む魔法に長けた種族』のイメージが今や根付いていますが、イギリスなどでは自然の精霊全般を指す言葉として扱われ、イングランドの民話では『小さくて見つけにくく、イタズラ好き』と伝えられています。

エルフーンは『かぜかくれポケモン』に分類されていて、特性も『いたずらごころ』であることからエルフの特徴に一致しており、まさに『自然の精霊』というイメージにはピッタリです。

そしてエルフーンの特徴といえばその羊のようなモコモコとした見た目ですが、こちらは中世ヨーロッパの伝説の植物『バロメッツ』がモチーフと考えられています。

バロメッツとは一言でいえば『子羊のなる木』で、実が熟して自然に割れるとそこから生きた羊が顔を出し、木の周りの草を食いつくすとそのまま木と共に餓死、人々はその肉と羊毛を求めて集まったそうですが、なぜか肉はカニの味がしたといわれています。

これは当時の木綿を知らなかったヨーロッパ人が、『綿の取れる木』を『羊毛の取れる木』と勘違いしたことから『羊のなる木』に変化し、世にも奇妙な植物の伝説が生まれたとされています。

『羊』と『植物』の要素だけを採り上げるとエルフーンの特徴に合致しますが、名前にバロメッツの要素がまったくないことを考えると、キャラクターとしてはエルフの要素がベースになっていそうです。

しかし植物から生まれた羊を狩るというのはなかなか抵抗がありそうですが…、当時からすれば羊毛も食肉も手に入る、まさに夢の植物…だったのかもしれません。

妖精『らしさ』を大切にしたポケモンのデザイン

というわけで今回はフェアリータイプから5匹のポケモンに絞って、モチーフとなる伝説や伝承を調べてみましたが、いわばどれも空想上の創作物であり、作品によって描かれ方も微妙に違ってくるので、正しいイメージを持つのは難しいと思います。

しかしどのポケモンも『フェアリータイプ』にふさわしい『妖精らしさ』を持っていて、なんとなくのイメージを汲みながらもポケモンの世界に落とし込まれているのは面白いところです。

もちろん他にもフェアリータイプのポケモンは数多くいますが、『バウッツェル』や『プクリン』など元となる伝承の検討すらつかないポケモンも多く、また時間があれば詳しく調べてみたいと思います。

『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』のDLCは2023年の秋に『碧の仮面』が、冬には『藍の円盤』が予定されており、まだまだ先とはいえ今度はどのポケモンが新たに登場するのか…いまから配信が楽しみです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました