【レビュー/感想】『いい大人達の大冒険』はレトロゲームの面白さを現代に詰め込んだやり応えがあった

4.0
ゲームレビュー
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どうも、みう太(@arai_miuta)です(ΦωΦ)

今やおなじみになっている『ゲーム実況動画』ですが、私も10年ほど前からいろいろな動画を見るようになり、今や時間があれば自分でゲーム配信などをするようになりました。

私は自分でこれから遊びそうな新しめのゲームの動画はあまり見ないのですが、逆にスーパーファミコンやゲームボーイといったレトロなタイトルのプレイは懐かしさを感じてつい見てしまいます。

ゲーム実況グループが『本気で』考えたアクションゲーム

そんな今や当たり前な存在になったゲーム実況動画ですが、実況グループ『いい大人達』が自分たちを主人公にしたゲームの企画を立て、2022年7月28日に実際に『おもしろアクション いい大人達の大冒険』が発売されました。

本作はスーパーファミコンを彷彿とさせるような2Dアクションゲームで、『タイチョー』『オッサン』『マオー』『マッツァン』、そして現在はグループを卒業した『ノッチ』も含めた5人を操作できます。

ゲーム内に使用されているイラストやシナリオはタイチョーが作成したもので、いい大人達を知っている人はもちろん、知らない人でもアクションゲームとして楽しめるクオリティに仕上がっていました。

私はいい大人達を10年近く前からよく見ていたのである意味ファングッズのようなもの…と思いきや、レトロゲームさながらの難しさと奥深さも兼ね備えていたので、その辺りもふくめて今回は簡単にレビューを書いてみようと思います!

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カジュアルでありながらやり応えのある難易度バランス

本作はいつものように実況動画を撮ろうと集まったいい大人達のメンバーがゲームの世界に迷い込んでしまい、5人ともそれぞれ別の場所に飛ばされてしまう…というところから始まります。

みんながバラバラになってしまったためゲームの前半は1ステージにつき1人ずつしか操作できませんが、後半では終結した5人のメンバーを切り替えながら協力して攻略を目指します。

内容はアクションゲームとして非常にオーソドックスで、いわゆる『ロックマン』などに近しいデザインになっていますが、往年のレトロゲームを彷彿とさせるグラフィックや音楽も作り込みも見どころの1つです。

メンバーはそれぞれ違った攻撃方法やアビリティを持っていて、ステージ1で操作できる『オッサン』はナイフを投げて攻撃するほか、魔法で炎を自分の周りに展開してバリアのようにすることも可能です。

オッサンのナイフは射程が長く連射も利きますが上下から近づいてくる敵が苦手で、できるだけ距離を取って一方的に攻撃できるポジションを意識した立ち回りをしなければなりません。

ステージ2で操作できる『マオー』は高いジャンプ力にホバリング能力まで持っていますが、通常攻撃の火炎瓶が山なりの軌道で少々クセが強かったり、ステージ3の『タイチョー』はヨーヨーを攻撃だけでなく杭に引っ掛けて移動に活用したり…個性を強みに変えていかに動かせるか考えるのが面白いところです。

難易度設定は『ノーマル』の他にも『イージー』『ハード』『ベリーハード』『修羅』と5段階に分かれていますが、ノーマルでもなかなか難しく、私もクリアを迎えるまでに数回ゲームオーバーになりました。

難易度をハード以上にするとこちらのHPの最大値が減ってダメージを受ける余裕がなくなったり、最初から保持している残り人数が減ってゲームオーバーになりやすくなったり…、自信があればよりやり応えのある難易度を選べます。

一方でアクションゲームに慣れていなければイージーにすることでHPが時間経過で回復したり、残り人数が多い状態で始められたりするので、幅広い層のプレイヤーがカジュアルに遊べるのではないかと思います。

レトロゲームさながら…?だからこその良さがある

本作は2022年に発売された最新のゲームですが、いい大人達がレトロゲームを中心に実況しているグループなのもあって、本作もどこか懐かしさを感じる要素が多く含まれています。

メインモードはストレートに進めば3時間程度でクリア可能ですが、アクションゲームに慣れていない人だと何回もコンテニューを繰り返してより多くの時間がかかるかもしれません。

ゲーム全体のボリュームが多い…とはいえませんが、レトロゲームさながら『繰り返し練習して突破する』のが面白さになっていて、自分に合わせた難易度でちょっとずつ攻略できる範囲を広げていく達成感が味わえます。

また、ただクリアするだけであればそこまで時間はかかりませんが、本作は各ステージに10個の宝箱が隠されていて自分のHPが減っていれば回復アイテムの『肉』が、HPが満タンであればスコアを増やせる『宝物』が手に入ります。

宝物のスコアは200点、500点、1000点…と手に入れる度に増えていくので、HPを減らすことなく10個の宝箱を見つけ出せばかなりの高得点になり、ハイスコアを目指した遊び方も面白いと思います。

宝箱は『魔界村』のように『特定の場所を通る』『ジャンプする』『しゃがむ』ときには『壁を壊す』などがきっかけで出現するので、なんとなく怪しいな…という場所があればいろいろと試してみることが大切です。

ベリーハードや修羅といった高難易度に設定してクリアを目指したり、タイムアタックでできるだけ早いステージクリアを目指したり、自分で様々な遊び方を見い出せるのが古き良き昔のゲームを思い出させます。

一方でしっかりと現代のゲームに合わせた親切さも持ち合わせていて、それぞれのキャラクターの個性や特徴はステージの冒頭で説明してくれますし、1度クリアしたステージもタイトル画面から選んで繰り返し遊べるので、レトロゲームを意識しながら遊びやすさにも配慮した作りになっていました。

敵キャラクターの動きなども様々なファミコンゲームをモチーフにしていたりするので、『Nintendo Switch Online』などであらかじめいろいろ遊んでいるとより楽しめるかもしれません。

『いい大人達』を知っているかで印象は変わってくる

本作はゲーム実況グループの『いい大人達』が主人公になっているので当然ではありますが、プレイヤーもいい大人達を知っている方がよりゲームを楽しめます。

タイチョーの武器がヨーヨーなのはタイチョー自身の趣味が関係していたり、マオーの溜め攻撃でブレスを吐けるのはドラゴンの見た目からきていたり、本人たちが由来になった要素はかなり多いです。

ステージ開始時に操作メンバーの特徴を説明をしてくれるキャラクターもオッサンが考えた理想の女性『不落の重装戦術家』、マッツァンが視聴者と考えたオリジナルキャラクター『夏野マツリ』などが登場するので、古くからいい大人達の動画を見ている人は思わずニヤリとしてしまうかもしれません。

また、ステージには宝箱の他にも特別なキャラクターが隠されていて、とある場所に攻撃し続けると現れるのですが…これもいい大人達のファンであればかなり驚きのあるものになっています。

一方でいい大人達を知らない人でもアクションゲームとしては問題なく遊べますが、そのゲームに登場するネタを拾いきれず、いい大人達の出身地『わんぱくランド』がなぜ栃木県の上空にあるのか、マッツァンの攻撃方法がなぜ『波動砲』なのか…など、元ネタの意味が分からないので少々置いてけぼりになりがちです。

ニコニコ動画でいい大人達の実況を見ればもちろんある程度把握はできますが…、彼らはほぼ毎日動画をアップロードしていてその数は今や10,000万本以上にもなるので、さすがに0からすべてを知るのは難しいと思います。

レトロゲームらしさはあるけどややバランスが悪い部分も

全体的にレトロゲームのような懐かしさと、現代のゲームらしい遊びやすさを兼ね備えたゲームに整っていますが、一方で一部のキャラクターに関してはバランスが少し悪く感じられるところもありました。

例えばメンバーのリーダーであるタイチョーはヨーヨーを武器としていますが、射程や連射力はオッサンのナイフの方が優れていますし、タメ攻撃も真横へしか判定がないので敵をホーミングするマオーの方が使いやすく感じます。

他にもマッツァンのタメ攻撃が地形に沿って攻撃できたり、ノッチは天井に張り付いて移動できたりと攻略に役立つアビリティを持っていますが、正直なところタイチョーは有利な敵やステージがほとんどなく、活躍の場が少ないように思えます。

(もちろんタイチョー特有のオナラによる攻撃や2段ジャンプを活用すれば十分に戦えはします)

ボスに関してもやり応えがありつつ攻略法を見出せば突破できる調整ですが、マオーを操作するステージ2のボスは強力な攻撃に加えてHPの回復技を持っていて、攻略法を見つけるまで他のボスと比べてもかなり難しく感じました。

このゲームは1つのエリアにつき5分の制限時間が設けられているのですが、ステージ2のボスに関しては攻めあぐねると延々回復され、実際に5分を使い切って時間切れになった経験があります。

ゲーム後半は5人のメンバーをL/Rボタンで切り替えながら操作できますが、5人からとっさに使いたいキャラクターに切り替えるのも意外と難しいので、この辺りの調整が少し欲しかったかもしれません。

昔ながらの楽しみ方を見いだせればオススメ

というわけで今回はゲーム実況グループ『いい大人達』が主導となって開発した『おもしろアクション いい大人達の大冒険』の簡単なレビュー記事を書いてみましたが、まず本作はアクションゲームとして非常にやり応えのある面白いタイトルでした。

宝箱や隠しキャラクターを探し出すのもやり込み要素として楽しいですし、私はいい大人達の実況動画を昔から見ていたので、物語の随所に小ネタが仕込まれていたのも嬉しいポイントです。

一方で難易度を変えたりタイムアタックに挑戦したり様々な遊び方があるものの、全体のボリュームはそこまで多くないので『1回クリアしたら終わり』という遊び方のプレイヤーには向いていないかもしれません。

少し前にレビュー記事を書きましたが、近年は『溶鉄のマルフーシャ』や『Luna’s Fishing Garden』などドットで描かれた面白いゲームが数多くリリースされていて、2Dアクションゲームも再注目されています。

壮大なゲームももちろん面白いですが、ピクセルアートのアニメーションにチップチューンなBGMも他には代えられない良さがあるので、今後もいろいろなタイトルに触れていきたいところです。

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  • 遊びやすさ
    4
  • 飽きにくさ
    3
  • ストーリー性
    3
  • やり込み要素
    4
  • コストパフォーマンス
    3

ちなみに『いい大人達の大冒険』は公式で実況動画の投稿や配信が許可されていて、私も配信しながらプレイしたので、ネタバレに注意しつつも参考になれば幸いです。

(思えば私が実況動画を始めたのもいい大人達がキッカケだったな…)

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