こんにちは、こんばんは、『みう太』と書いて『みうた』と申します!(Xアカウント)
スーパーマリオシリーズに登場する悪役といえば『クッパ』や『ワリオ』などが真っ先に思い浮かびますが、それに匹敵するヒール役のキャラクターといえば、ルイージをライバル視する『ワルイージ』に他なりません。
彼は2000年発売の『マリオテニス64』に初登場し、ワリオのパートナーとして活躍、その後も数々のスポーツゲームやパーティゲームに参戦し、今やマリオファミリーの一員として欠かせない存在になっています。
しかし一方で、ワルイージ個人にスポットが当たったことはほとんどなく、あくまで「ワリオやルイージあってのワルイージ」というポジションが根付いており、一部では彼をもっと活躍させてほしい、という意見も少なくないようです。
ワルイージの声優も期待する「主役」の座
デビューからもうすぐ25周年を迎えるワルイージですが、その出番は年数を重ねるごとに安定していて、今や『マリオカート』で自分の名前を冠するコースがあったり、任天堂からamiiboが発売されていたり、知名度は十分に高まっています。
特に海外では小物っぽい性格や不憫な扱いがインターネットミームとなり、カルト的な人気を集めているそうで、2023年まで声優を務めていたチャールズ・マーティネーさんも「ワルイージをもっと演じてみたい。彼が主人公のゲームがあっても良いね。」とコメントを残しています。
実際、これだけの知名度がありながら『スーパーマリオ』や『ワリオランド』といった、シリーズ本編に関わる作品には登場したことがなく、今ひとつ踏み込めていない印象があるのも確かです。
また、もし実際にワルイージを主人公としてゲームを作るのであれば、マリオやワリオでは実現できないことをテーマにしなければ意味がなく、より「ワルイージらしさ」を掘り下げたゲーム性が必須になるのは間違いありません。
というわけで今回は、そんな「ワルイージが主役のゲーム」を開発するとしたら、どのようなジャンルのものになるのかいろいろと考えてみたいと思います!
前提として「ワルイージだからこそ」のジャンル
具体的なジャンルの予想を挙げる前に、そもそも「なぜ主人公がワルイージなのか?」という部分から考えてみると、やはりマリオやルイージ、ワリオとの差別化が前提になってきます。
例えば1994年に発売された『ワリオランド』は、過去のインタビューによればディレクターの清武さんはアクションゲームが苦手で、不死身のキャラだったらもっと楽しく遊べると考えたそうです。ただ、マリオを不死身にするわけにはいかなかったため、生命力にあふれたワリオが抜擢された、という経緯があります。
ワルイージもマリオファミリーとして高い知名度を誇りますが、一方でワルイージ個人の人気だけで主役を飾れるほど甘くないのも事実で、他のキャラクターでは踏み込めない領域の個性を見い出さなければなりません。
そんなワルイージといえば、ワリオ以上に悪知恵の働く「知的なキャラクター」な印象が強く、キザでナルシストな一面も持ち合わせています。となれば、やはり『スーパーマリオブラザーズ』のような王道のアクションゲームではなく、少し頭をひねったジャンルの方が向いていそうです。
また、初登場作品の『マリオテニス64』当時から「マリオブラザーズを倒すため下積みを続けてきた努力家」という設定があって、2018年の『スーパーマリオパーティ』では、「オマエに勝ってチャレンジする気持ちを再び取り戻す」とまで宣言するので、意外と心には熱いものを秘めているのが分かります。
普通に勝負をしてもなかなか前に出れなかったワルイージが、小細工やイカサマしてでも躍り出ようとする…、これまでちょっとずつ蓄積された「不遇な扱い」を逆手に取るくらいの方が、ワルイージの魅力を見せられるのかもしれません。
例えば、ワルイージが影で暗躍するパズルゲーム
頭を使ったゲームのジャンルといえば、まず真っ先に浮かぶのはパズルゲームです。最近はあまり発売されていませんが、マリオ関連でもこれまで『ドクターマリオ』や『ヨッシーのたまご』など、多くのパズルゲームが開発されてきました。
ただ、普通のパズルゲームでは結局ワルイージを主人公にする必要性がありませんし、少し意地悪なギミックを入れたとしても、それだけではワリオが主人公に選ばれる可能性が高いと思います。
また、せっかくワルイージは身体的に高いポテンシャルも持っているので、純粋なパズルではなく、様々なアイテムなどを駆使したアクションパズルの方が個性を発揮しやすいかもしれません。
個人的にイメージしている近いジャンルの作品が、2019年に発売されたインディーゲーム『いたずらガチョウがやってきた!』です。これはタイトルの通りイタズラ好きなガチョウを操作して、街の人の目を避けながら道具を持ち出したり、物を壊したりなど様々なミッションをこなしていきます。
ワリオが主人公の場合は、人目も気にせず豪快なアクションで暴れまわるイメージがありますが、ワルイージの場合は裏でこっそり暗躍するような、ステルスゲームの要素も相性が良さそうです。
『いたずらガチョウがやってきた!』はプレイヤーがガチョウな以上、取れる行動に多くの制限があり、その中でどのように目的を達成するか試行錯誤するパズルゲームでした。ワルイージが主人公であれば、よりアクションの幅を広げたうえで「マリオたちに影からイタズラする」のもテーマとして面白そうだと思います。
例えば、ワルイージが王国を築くシミュレーションゲーム
パズルゲーム以外に頭をひねるゲームといえば、じっくり時間をかけて考えるシミュレーションゲームも挙げられます。任天堂関連のタイトルなら、『ファイアーエムブレム』や『シムシティ』などを思い浮かべるとイメージしやすいかもしれません。
スーパーマリオを題材にしたシミュレーションゲームは、これだけ長い歴史においても実はかなり珍しく、2017年にユービーアイソフトとコラボレーションで開発された『マリオ+ラビッツ』シリーズ程度しかなかったりします。
『マリオ+ラビッツ』は敵と味方で交互に行動するターン制のシミュレーションRPGで、マリオファミリーのみならず、彼らにそっくりな姿をしたラビッツたちまで登場するのが話題になりました。しかし『ブワルイージ』というラビッツはいるのに、ワルイージ本人が登場しない辺り、やはり少し不遇な印象は正直拭えません。
将棋やチェスのようなゲーム性もワルイージのキャラクターには合っていて、「よりカジュアルなファイアーエムブレム」と考えれば需要も十分ありそうですが、ではそのシステムでマリオやルイージと戦うのか…といわれれば、少しシリーズの雰囲気に合わない気もします。
個人的にはそこまでバトルに寄せるより、シムシティのように土地開発や資源の管理をベースにしながら、交渉や騙し合いで自国を豊かにする「国盗りボードゲーム」のような遊びの方が、よりワルイージらしく感じるかもしれません。
2024年8月発売の『ドラえもんのどら焼き屋さん物語』が大きな話題となった、『カイロソフト』開発の経営系シミュレーションゲームのような作風で、ワリオをビジネスパートナーとして一獲千金を目指す、なんてテーマも面白そうだと思います。
例えば、ワリオとのW主人公でトレジャーハント
『スーパーマリオブラザーズ』シリーズ本編には未だ登場していないワルイージですが、同じヒールとして活躍しているワリオとコンビを組んだ作品であれば、ダブル主人公として抜擢される可能性も十分あり得ます。
『ワリオランド』に属するシリーズ作品は全部で8タイトル発売されているものの、基本的にすべて1人用であり、2008年の『ワリオランドシェイク』を最後にしばらく新作も開発されていません。そこでワルイージとの協力を前提にした、マルチプレイのワリオランドであれば、新しい遊びを取り入れたアクションが生まれるのではないかと思います。
また「マリオ&ルイージ」のペアと比べると、「ワリオ&ワルイージ」は互いに体格や身体能力に大きく違いがあって、それだけ個性を活かしたアクションを作りやすくもあります。ワリオの体重の重さや、ワルイージの身長の高さに基づいたギミック、なんてのも工夫次第で面白くなりそうです。
一方、ワリオランドシリーズのワリオはかなりハイスペックな性能で、どんな攻撃を受けてもミスにならない打たれ強さや、ちょっとした壁やブロックであれば簡単に粉砕できるパワーを持ち合わせているため、やはり「ワルイージにしかできないこと」の模索は必須といえます。
アクションゲームにワルイージの個性を落とし込むのであれば、ワリオのような豪快なパワーはない代わりに、器用な手先で様々な道具を生み出したり、アイテムを活用して道を切り開いたり、知恵やひらめきを活かしたギミックの担当になりそうです。
また、「ワルイージの小細工で怯んだ隙にワリオが攻撃する」「ワリオがおとりになっているうちにワルイージが仕掛けを動かす」といった画は想像もしやすく、それぞれできることが違うからこそ、意外と役割の分かりやすいゲームになるかもしれません。
いずれワルイージというキャラクターを決定づけるかも
というわけで今回は、「もしワルイージが主役になるとしたら、どのようなゲームになるのか」を予想してみました。個人的にはやはり「ワルイージらしさ」を前面に出すのであれば、スタンダードなジャンルからちょっと外れた、ひとクセあるゲームになるのではないかと感じています。
任天堂も長い歴史の中で様々なジャンルのゲームを開発してきましたが、『ファイアーエムブレム』を始めとした一部の戦略的なゲームは、「難しそう」というイメージから敬遠していたユーザーも少なくありませんでした。
そんな敷居の高かったジャンルのゲームに対し、ワルイージを始めとしたマリオファミリーを落とし込むことで、初心者でも遊びやすい入門編として取り扱えば、需要も十分にありそうです。
ただ、『ルイージマンション』でルイージに臆病なイメージが根付いたように、『ワリオランド』でワリオが圧倒的なパワーを披露したように、主人公になることでそのキャラクターの方向性を決定づけることにもなります。
海外メディアの『スクリーン・ラント』では、「ワルイージは最小限の設定しか定義されておらず、人々が好きな特徴をなんでも刷り込むことができるため、高い人気を集めている」と意見を出していて、「主人公にすることで名脇役としての良さが薄れてしまう」、なんて考え方もあるのかもしれません。
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