忍者?小悪魔?ハックンの初登場から今までの歴史を調べてみた

キャラクターの話
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こんにちは、こんばんは、『みう太』と書いて『みうた』と申します!(Xアカウント

1985年に『スーパーマリオブラザーズ』が発売されて以降、マリオ作品には数多くのキャラクターが登場していますが、近頃にわかに話題となっているのが、真っ黒な一頭身のキャラクター『ハックン』です。

ハックンは『スーパーマリオUSA』や『スーパーマリオワールド』などに登場したザコ敵の一種で、ノコノコやクリボーと比べると影も薄く、どちらかといえばややマイナーな存在でした。

しかし2021年発売の『マリオゴルフ スーパーラッシュ』や、2024年10月発売の『スーパー マリオパーティ ジャンボリー』では突如プレイアブルキャラクターとなり、ここ数年で知名度も急上昇しているようです。

実はマリオの中でも長い歴史を持つキャラクター

ハックンは一頭身の小さな体ながら、体全体を使ったダイナミックな動きが印象的で、その見た目も相まっていかにも「忍者」を連想させるキャラクターです。海外名が『Ninji(ニンジ)』であることも、そのイメージに拍車をかけているかもしれません。

ハックンの初登場作品は1987年の『夢工場ドキドキパニック』という、任天堂とフジテレビが共同開発したアクションゲームで、もともとはスーパーマリオと一切関係のないキャラクターでした。

この夢工場ドキドキパニックを海外で販売するに当たって、キャラクターをマリオに差し替え作られたのが『Super Mario Bros. 2』であり、日本では1992年に『スーパーマリオUSA』という名前で逆輸入されています。

実はかのヨッシーやワリオ以上に歴史の長いキャラクターなのですが、残念ながら出番に恵まれていたわけではなく、あくまでサブキャラとしての出演がほとんどでした。そのため、中には「ここ数年で初めて見た」という方も少なくないようです。

というわけで今回はハックンの登場作品を振り返りながら、ゲーム内でどのような役割を担っていたのか、いつから「忍者」のイメージが根付くようになったのか、その経歴をたどりつつ紹介したいと思います。

初登場時は忍者ではなく「小悪魔」だった

1987年に発売された『夢工場ドキドキパニック』は、夢宇界という不思議な夢の国を舞台にしたアクションゲームで、ハックンは怪物マムーがドリームマシンで生み出したモンスター、という設定でした。

ゲーム内のグラフィックだけでは分かりませんが、説明書に描かれているイラストは今のハックンと大きく違い、ギョロっとした大きな目や、口に生えたキバなど、まさにモンスターと呼べる風貌をしています。

紹介文には「ファミコン少年の夢に現れ悪夢を見せる小悪魔」と書かれていて、今のような忍者らしい設定はまったくなく、これは『Ninji』と名付けられた海外版の『Super Mario Bros. 2』においても同様です。

1990年発売の『スーパーマリオワールド』では、ラストステージのクッパ城にしか登場しませんが、当時のカードダスのイラストを見ると、大きな白目部分は目の周りの肌に、2本のキバは体に付いたボタンに変更されていて、近年のハックンとほぼ同じ見た目をしています。

クッパ城でマリオを待ち構えているということは、恐らくクッパ軍団の一員として描かれていて、少なくとも「夢宇界のモンスター」という設定は引き継がれていないようです。それもあってか、1992年に逆輸入で発売された『スーパーマリオUSA』の説明書にハックンは描かれてておらず、公式イラストも見つかりませんでした。

ちなみに、スーパーマリオワールドのエンディングでは登場キャラクターが順番に紹介されるのですが、なぜかハックンだけは紹介されない不遇な扱いを受けています。理由は分かりませんが、忘れられていた…というより、むしろハックン自体が開発の終盤でゲームにねじ込まれ、エンディングに入れられなかったのかもしれません。

20年以上の時を経て2Dアクションゲームに再び登場

スーパーマリオワールドやスーパーマリオUSAで独特な存在感を示したハックンですが、その後の2Dアクションゲームでは出番に恵まれず、『スーパーマリオコレクション』や『スーパーマリオアドバンス』といったリメイク作への登場にとどまっていました。

スーパーマリオシリーズ本編への復帰作となったのが、2016年にスマートフォンでリリースされた『スーパーマリオ ラン』で、ハックンにとって初めての3D化、スーパーマリオUSAから24年もの歳月をかけて復活を遂げることになります。

動きは昔のゲームと変わらず、その場でジャンプを繰り返すだけの単純なものですが、自動的に画面がスクロールするスーパーマリオ ランにおいては油断できない存在で、キャラクターの特性がゲームシステムと噛み合っていたからこその抜擢ともいえそうです。

2019年に発売された『スーパーマリオメーカー2』では、世界中のプレイヤーがコースクリアまでのタイムを競うイベント『ハックンタイムアタック』のゴーストとして登場、画面いっぱいに走り回るハックンは大きなインパクトを与えました。

ハックンタイムアタックは2021年に最終回を迎え、残念ながら現在は遊べないコンテンツですが、当時のイベントとしてはかなりの盛り上がりを見せ、いわばスプラトゥーンのフェスのように、シリーズ恒例の要素となる可能性も十分にあり得ると思います。

そして2023年発売の『スーパーマリオ ワンダー』では、W4のヒデリー砂漠にて『1、2、3、ジャンプ!ハックンダンサーズ』というハックンの名を冠するコースが登場、ゲームのBGMに合わせて踊りながら飛び跳ねる様子は非常に可愛らしく、リズム系のコースの象徴として存在感を示しています。

忍者らしさが出てきたのは『ペーパーマリオ』作品

そんな2Dアクションのマリオへ徐々に出番を増やしているハックンですが、これ以外にも外伝作品にはたびたび登場していて、特に「忍者」の印象を強く表しているのが『ペーパーマリオ』シリーズです。

ペーパーマリオに初登場したのは2000年発売の『マリオストーリー』で、本作はマリオの敵ではなく、「星のうまれる谷」という場所で星の子たちを見守る友好的な種族でした。当時はなぜか語尾に「デシ」が付いており、独自のキャラ付けもされていたようです。

その後、本編と同様にペーパーマリオシリーズでも出番はしばらくありませんでしたが、2012年発売の『ペーパーマリオ スーパーシール』では敵キャラクターとして登場、「ラクヨウロード」や「ストライ湖」といった暗い場所に潜み、マリオを待ち受けていました。

バトルでは素早い動きから飛び掛かってくるだけでなく、自分の体を手裏剣に折って攻撃したり、変わり身の術でマリオのジャンプを回避したりと、見た目だけだった「忍者」の素質がついに開花を始めます。

続編の『ペーパーマリオ カラースプラッシュ』や『ペーパーマリオ オリガミキング』では、より忍者のスキルに磨きをかけ、隠れ身の術でマリオに奇襲を仕掛ける、水遁の術で池に潜む、「ござる」や「どろん」と口にするなど、忍者としてのイメージを確固たるものに昇華させました。

スーパーマリオ本編と違って、RPGはセリフやアクションでキャラクターに特徴を持たせやすく、結果ここで根差した個性がアイデンティティとして確立しているのは、長い歴史を持つマリオ作品だからこその面白さだと思います。

マリオゴルフをきっかけに、パーティゲーム参戦への兆し

登場作品は少ないながら、マリオシリーズの名脇役として活躍してきたハックンですが、2021年発売の『マリオゴルフスーパーラッシュ』では無料アップデートによりプレイアブルキャラクターとして参戦、多くのファンを驚かせました。

忍者らしくスピードタイプに分類されていて、パワーが低い代わりにそのスピードはなんと全キャラ中最速、カップインの早さを競うスピードゴルフにおいては、風呂敷を広げてムササビの術のように滑空しながら移動もできます。

マリオゴルフやマリオテニスといったオールスターゲームは、毎回『ガボン』や『ハナチャン』など意外性のあるキャラクターの参戦が恒例にもなっていて、ついにハックンにお鉢が回ってきたといえます。

そして2024年10月、シリーズ最新作である『スーパー マリオパーティ ジャンボリー』にもハックンは登場し、隠しキャラクターではありながらも、クッパ陣営のひとりとしてシリーズ初のプレイアブル化を果たしました。

本作は最大20人で遊べるモードもあってか、プレイアブルキャラクターは総勢22名にまで増え、クリボーやヘイホー、テレサなど、シリーズおなじみの敵キャラが多く使用できるのも特徴といえます。

マリオパーティはキャラクターごとに性能差がないので、あくまで見た目の違いでしかありませんが、ハックンのターン開始時には和風のジングルが流れたり、ミニゲームクリア時には宙返りをしたり、本作においても忍者らしさは十分に発揮されています。

今後の活躍も十分期待できるキャラクター

というわけで今回は、近頃出番を増やしつつある『ハックン』について、登場作品と活躍を簡単にまとめてみました。もともとは夢に現れる小悪魔だったのがいつの間に忍者になっていて、ここまで変化の大きなキャラクターは、なかなか珍しいのではないかと思います。

まだ作品の数自体は多くありませんが、この調子であればいずれマリオカートやマリオテニスなどに登場する可能性も高く、今後の活躍が期待できます。「忍者」という分かりやすい個性のおかげで、差別化しやすいのも強みです。

なにより、その小さな体でダイナミックに動くハックンは何ともいえない愛嬌があり、2D・3Dに関わらず、唯一無二の魅力を持っているのは間違いありません。

今のところハックンには『パタクリボー』や『パタパタ』のような亜種がまったくいないので、いずれ『パタハックン』や『ファイアハックン』のような、特別な個体が登場するのではないか…と、密かに楽しみにしています。

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