キャサリンの性別が『オス』の設定は残っている?過去作から歴史を調べてみた

任天堂のゲーム
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どうも、みう太(@arai_miuta)です(ΦωΦ)

2023年3月9日、『マリオカート8 デラックス』の『コース追加パス』によって新たに『キャサリン』が参戦し、ここにきて新キャラクターが増えるのか…!と驚きました。

今回はキャサリンのみの追加でしたが、キャラクター選択画面にはまだ5つの枠が残っていて、今後誰が追加されるのかも今から楽しみな今日この頃です。

今のキャサリンの性別はオス?メス?

『キャサリン』がマリオシリーズに初登場したのは1992年発売の『スーパーマリオUSA』で、当時は中ボスとしてマリオの前に立ちふさがり、色によって異なる攻撃パターンを持っていました。

なぜマリオと敵対していたのか、ラスボスの『マムー』とはどのような関りがあったのか…未だに不明ですが、当時のCMではキャサリンがメインに起用されていて、それだけスーパーマリオUSAを象徴していたのは間違いありません。

ピンクの体に大きなリボンと女性的なビジュアルをしていますが、CMを見れば分かる通り男性の声が当てられていて、当時のゲームでも珍しい『オカマ』設定が付けられていました。

近年のキャサリンは基本的に女性として扱われていますが、実は性別はオスである…というその設定は今も残っているのか、これまでの活躍や歴史を追いながら調べてみようと思います!

初登場時は『自分を女の子と思いこんでいた』キャサリン

『スーパーマリオUSA』は基本的にゲーム内にセリフがないので、キャサリンの性別を特定するにはヒントが少なく、そのビジュアルだけ見れば女性キャラクターと思うのは不思議ではありません。

しかし取扱説明書には『自分を女の子だと思い込んでいる』と書かれていて、当時の攻略本や雑誌にも同じように紹介されていたことから、『キャサリンが実はオス』という噂はかなり広まっていました。

2014年に学研から発売されたムック本『With YOSHI』にも同じように記載されていたため、思った以上に長い間このイメージは根付いていたようです。

ゲーム内でキャサリンが『オカマ』と明言されたことはありませんが、スーパーマリオUSAのCMで口からタマゴをはき出して『できちゃった』と発言したり、1996年発売の『スーパーマリオRPG』で『なにかんがえてるの?』を使うと『最後は、あなたの手で お・ね・が・い♥』と表示されたり…どこか意味深なのも、『セクシーだけど実はオスだから』という前提があってこそだったのかもしれません。

1990年代はまだ日本に『トランスジェンダー』という言葉も広まっておらず、オカマは『男性でありながら女性の姿をした面白いキャラクター』という捉え方がされていたので、キャサリンも一種のネタキャラとして扱われていたように思えます。

あまり知られてはいませんが、1996年にはサテラビューでスーパーマリオUSAの後の世界を描いた『BSスーパーマリオUSA パワーチャレンジ』が配信されていて、こちらは3匹組のキャサリンが『スーパーキャサリンズ』というチームでラジオのように話し続けます。

マリオの声が古谷徹さん、マムーの声が古川登志夫さんと豪華声優陣の中、3のキャサリンはそれぞれ現役のニューハーフが声を当てており、よりオカマのキャラクターを強調していました。

また、ピーチ姫に対してだけ『あの非常識女』『お姫様が顔まっ赤にして野菜引っこ抜くのも面白いわね』と当たりが強く、美人に対する対抗心があったのかもしれません。

気が付けばヨッシーのパートナー?薄れていったオカマ設定

1994年発売の『ワリオの森』、1996年発売の『スーパーマリオRPG』などにもたびたび登場していたキャサリンですが、一躍彼女の知名度を押し上げたのが2000年発売の『マリオテニス64』です。

本作は『マリオゴルフ64』以上のキャラクターを登場させるにあたって、開発のキャメロットも過去のマリオシリーズから誰を出すか吟味し、任天堂の提案もあってキャサリンが抜擢されました。

当時のインタビュー記事はこちら

実のところキャメロットもキャサリンを知らないスタッフがいて、『知る人ぞ知るマニアックなキャラクター』という認識だったようで、すでにこの時点で『オカマ』の設定はあまり意識していなかったかもしれません。

ダブルスのトーナメントモードでキャサリンを選択するとパートナーにヨッシーが選ばれて、取扱説明書にも2匹仲良く頬を寄せているCGイラストが掲載されています。

その後『マリオカート ダブルダッシュ!!』にてヨッシーとキャサリンはペアで登場、『スーパーマリオスタジアム ミラクルベースボール』においては『ヨッシーアイランズ』という同じチームに所属しており、たびたび恋仲のように描かれることもありました。

もともとの出自はまったく違い、関りもほとんどありませんでしたが、恐竜の(ような)見た目とタマゴを使ったアクションという点で共通していて、ペアで起用するのには相性が良かったようです。

先日の『マリオカート8 デラックス コース追加パス』において『ヨッシーアイランド』と合わせてキャサリンが配信されたのも、この辺りの関連性があったからこそなのかもしれません。

一方でマリオシリーズ本編にキャサリンが登場する機会はめっきり減り、スポーツゲームやパーティゲームでオカマの要素が活かされることもないので、『自分を女と思いこんでいる』設定はだんだんと薄れていきました。

もちろん見た目だけでキャサリンをオスと判別するのは難しく、マリオテニス64以降の作品でキャサリンを知った人からすれば、女性と認識してしまうのは無理のない話だと思います。

オスでもメスでもないけど『心は女性』として描かれるように

オカマの設定が薄れてきた2000年代では女性として扱われることが増え、2003年発売の『マリオ&ルイージRPG』では久しぶりにマリオたちと敵対しますが、キャサリンは女優を目指しており、相方のパーニョもキャサリンを男性としては扱いませんでした。

2008年にWiiで発売された『キャプテン★レインボー』は任天堂のマイナーなキャラクターにスポットを当てたオールスターゲームで、『謎の村雨城』の『鷹丸』や『パネルでポン!』の『リップ』などに並んでキャサリンも登場しました。

キャサリンの知名度は決して低くありませんでしたが、『有名ながら影の薄いキャラクターが1人は必要』という理由で選出され、ゲーム内でも完全な女性として扱われています

…が、本作のキャサリンは女性向けトイレから出てきたところをロボット警官のマッポに見つかり、男性と勘違いされて逮捕、オカマではなく『男性的な特徴を持った女性』というイメージに変化していました。

キャサリンの自宅には『オンナの証』というアイテムもあり、道具説明欄には『とても説明できない証』と書かれていますが、これを見せるとマッポが納得することから女性であることに間違いはないようです。

その後2014年の『マリオゴルフ ワールドツアー』では女子更衣室にいたり、『マリオカート8』ではピーチやデイジー、ロゼッタたちと並んで女性レース協会に所属していたり、完全に女性として扱われています。

2015年に『ねとらぼ』がキャサリンの性別について任天堂に問い合わせたところ、どうやら『女の子と思い込んではいる』ものの、そもそも生物としてオスでもメスでもないと回答されました。

当時の記事はこちら

これはヨッシーも同様で、かつて『64ドリーム』という雑誌で任天堂広報担当の本郷さんは『タマゴを生むからメスです』と回答しましたが、その後MTVのインタビューにて宮本茂さんは『ヨッシーとキノピオは中性』と答えました。

インタビュー動画はこちら(海外サイトへリンクします)

また、オスかメスかを定かにするとその設定に引っ張られてつじつま合わせに時間を取られてしまうため、そういった部分をあまり気にせずゲーム作りができるよう、男性か女性か明らかにしていなかった…という側面もあるようです。

当時のインタビュー記事はこちら

作品を重ねるごとに可愛らしさが前面に

というわけで今回は『キャサリンはオカマ』の設定が今も残っているのかを調べてみたところ、結論は『女性の心を持っているが性別はない』ということが分かりました。

1990年代は『オカマ=面白いキャラクター』というイメージが少なからずありましたが、近年はトランスジェンダーへの理解も広まり、今やオカマではなく完全に女性として扱われています。

最初期はそのビジュアルや言葉遣いにかなりクセが強く、『不格好なキャラクターでナルシストなのが面白い』という面もあったのではないか…と思いますが、近年のキャサリンを見れば分かる通り、デザインやモーションも年々可愛らしく変化しています。

パーティゲームでは今やおなじみの地位を確立しているので、またアクションの『スーパーマリオ』本編にもいつか出て欲しいな…と思う今日この頃です。

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