キャサリンの性別はオス?オカマの設定は残っているのか調べてみた

キャラクターの話
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こんにちは、こんばんは、『みう太』と書いて『みうた』と申します!(Xアカウント

1992年に発売された『スーパーマリオUSA』以降、その強烈なインパクトと独特の可愛らしさで活躍の場を広げているのが、ピンク色の不思議な生物『キャサリン』です。

眩しいほどビビットなピンクの体、頭に付いた大きなリボン、ウィンクや投げキッスといったしぐさなど、まさに女の子らしさを詰め込んだようなキャラクターで、近年では『マリオカート』や『マリオパーティ』といった作品でも見かけるようになりました。

しかし、キャサリンの歴史を紐解いていくと、かつては自分を女だと思い込んでいる男、いわば「オカマ」のキャラクターとして描かれていたそうです。

今のキャサリンの性別はオス?メス?

キャサリンがマリオファミリーの一員となった経緯は少し特殊で、まず初登場作品は1987年に発売された『夢工場ドキドキパニック』という、マリオとは一切関係のないタイトルでした。

これはフジテレビが主催したイベント、『コミュニケーションカーニバル 夢工場’87』とのタイアップ作品で、イベントのキャラクターである『イマジンファミリー』を主人公に置いたアクションゲームです。キャサリンは本作の中ボスとして登場し、たびたびイマジンたちの前に立ちふさがりました。

そして本作の主人公、イマジンたちをマリオに差し替えて海外向けに開発されたのが『Super Mario Bros. 2』で、1992年にはこれが『スーパーマリオUSA』として日本に逆輸入、晴れて日本でもキャサリンがマリオ作品に初登場となります。

なぜマリオと敵対していたのか、ラスボスの『マムー』とはどのような関係だったのか、詳細は未だに語られていませんが、当時のCMではキャサリンがメインに起用されていて、それだけスーパーマリオUSAを象徴したキャラクターだったのは間違いありません。

豪華なソファに座って足を組み、さながら海外のハリウッド女優を思わせる振る舞いながら、CMを見れば分かる通り声は男性の方が担当していて、当時のゲームでも珍しい「オカマ」設定を前面に出したものになっています。

近年のキャサリンは基本的に女性として扱われていますが、「実は性別はオスである」というその設定は今も残っているのか、これまでの活躍や歴史を追いながら調べてみようと思います!

初登場時は「自分は女の子」と思いこんでいたキャサリン

1992年発売の『スーパーマリオUSA』は、基本的にゲーム内にセリフがないので、キャサリンの性別を特定するにはヒントが少なく、そのビジュアルだけ見れば女性キャラクターと思うのは不思議ではありません。

しかし取扱説明書には「自分を女の子だと思い込んでいる」と書かれていて、当時の攻略本や雑誌にも同じように紹介されていたことから、「キャサリンが実はオス」という情報はかなり広まっていました。

2014年に学研から発売されたムック本『With YOSHI』にも同じように記載されていたため、少なくとも1992年から20年以上にわたってこのイメージは引き継がれていたようです。

ゲーム内でキャサリンがオカマと明言されたことはありませんが、スーパーマリオUSAのCMで口からタマゴをはき出して「できちゃった」と発言したり、1996年発売の『スーパーマリオRPG』で『なにかんがえてるの?』を使うと「最後は、あなたの手で お・ね・が・い♥」と表示されたり、捉え方によってはどこか意味深なセリフが多く残されていました。

テキストだけ見ると、任天堂の作品らしくないのでは…?と思えますが、これも「自分をメスだと思い込んでいるオカマ」という設定が前提にあるからこそであり、ある意味キャサリンの「定番ネタ」だったといえます。

1990年代はまだトランスジェンダーという言葉も広まっておらず、オカマは「男性でありながら女性の姿をした面白いキャラクター」という捉え方がされていた時代でもありました。そのため、キャサリンもネタキャラとして描かれることが多く、真面目に女性として扱われることはほとんどなかったようです。

あまり知られてはいませんが、1996年にはサテラビューでスーパーマリオUSAの後の世界を描いた『BSスーパーマリオUSA パワーチャレンジ』が配信されていて、こちらは3匹組のキャサリンが『スーパーキャサリンズ』というチームでラジオのように話し続けます。

マリオの声が古谷徹さん、マムーの声が古川登志夫さんと豪華声優陣の中、3匹のキャサリンはそれぞれ現役のニューハーフが声を当てており、よりオカマのキャラクターを強調していました。

また、ピーチ姫に対してだけ「あの非常識女」「お姫様が顔まっ赤にして野菜引っこ抜くのも面白いわね」と当たりが強く、美人に対する対抗心があったのかもしれません。

気が付けばヨッシーのパートナー?薄れていったオカマ設定

1994年発売の『ワリオの森』、1996年発売の『スーパーマリオRPG』などにもたびたび登場していたキャサリンですが、一躍彼女の知名度を押し上げたのが2000年発売の『マリオテニス64』です。

本作は『マリオゴルフ64』以上のキャラクターを登場させるにあたって、開発のキャメロットも過去のマリオシリーズから誰を出すか吟味し、任天堂からの提案もあってキャサリンが選出されました。

当時のインタビュー記事はこちら

実のところキャメロットの中にもキャサリンを知らないスタッフがいて、社内では「知る人ぞ知るマニアックなキャラクター」という認識だったようです。もちろん初見の人からすれば性別に疑問を持つこともなく、すでにこの時点で「オカマ」の設定はあまり意識していなかったのかもしれません。

本作はダブルスのトーナメントモードを選ぶと、それぞれのキャラクターにパートナーが設定されているのですが、キャサリンはヨッシーとパートナーの関係にあって、取扱説明書にも2匹で仲良く頬を寄せているCGイラストが掲載されています。

その後『マリオカート ダブルダッシュ!!』でもヨッシーとキャサリンはペアで登場、『スーパーマリオスタジアム ミラクルベースボール』でも『ヨッシーアイランズ』という同じチームに所属と、その結びつきは強く、たびたび恋仲のように描かれることもありました。

もともとの出自はまったく違い、関りもほとんどありませんでしたが、恐竜の(ような)見た目とタマゴを使ったアクションという点で共通していて、ペアで起用するのに相性が良かったようです。

2024年3月9日には、『マリオカート8 デラックス』のDLCで新コース『ヨッシーアイランド』と合わせてキャサリンも参戦を果たし、ヨッシーと仲良くレースに挑む画像が公式サイトに掲載されています。

一方でマリオシリーズ本編にキャサリンが登場する機会はめっきり減り、スポーツゲームやパーティゲームでオカマの要素が活かされることもないので、「自分を女と思いこんでいる」設定はだんだんと薄れていきました。

見た目だけでキャサリンをオスと判別するのは難しく、マリオテニス64以降の作品でキャサリンを知った人からすれば、オカマだと意識したことすらないユーザーも多いのではないかと思います。

オスでもメスでもないけど「心は女性」として描かれるように

オカマの設定が薄れてきた2000年代からは女性として扱われることが増え、2003年発売の『マリオ&ルイージRPG』では久しぶりにマリオたちと敵対しますが、キャサリンは女優を目指しており、相方のパーニョもキャサリンを男性としては扱いませんでした。

2008年にWiiで発売された『キャプテン★レインボー』は、任天堂のマイナーなキャラクターにスポットを当てたオールスターゲームで、『謎の村雨城』の鷹丸や『パネルでポン!』のリップなどに並んでキャサリンも登場しました。

キャサリンの知名度は決して低くありませんでしたが、「有名ながら影の薄いキャラクターが1人は必要」という理由で選出され、ゲーム内でも完全な女性として扱われています

…が、本作のキャサリンは女性向けトイレから出てきたところをロボット警官のマッポに見つかり、男性と勘違いされて逮捕、オカマではなく「男性的な特徴を持った女性」というイメージに変化していました。

キャサリンの自宅には『オンナの証』というアイテムがあり、道具説明欄には「とても説明できない証」と書かれていますが、これを見せるとマッポが納得することから、女性であることに間違いはないようです。

その後2014年の『マリオゴルフ ワールドツアー』では女子更衣室にいたり、『マリオカート8』ではピーチやデイジー、ロゼッタたちと並んで女性レース協会に所属していたり、オカマとして扱われることはほとんどなくなりました。

2015年に『ねとらぼ』がキャサリンの性別について任天堂に問い合わせたところ、どうやら「女の子と思い込んではいる」ものの、そもそも生物としてオスでもメスでもないと回答されました。

当時の記事はこちら

これはヨッシーも同様で、かつて『64ドリーム』という雑誌で任天堂広報担当の本郷さんは「タマゴを生むからメスです」と回答しましたが、その後MTVのインタビューにて宮本茂さんは「ヨッシーとキノピオは中性」と答えていて、社内でも認識に違いや変化が見られます。

インタビュー動画はこちら(海外サイトへリンクします)

また、オスかメスかを定かにするとその設定に引っ張られてつじつま合わせに時間を取られてしまうため、そういった部分をあまり気にせずゲーム作りができるよう、男性か女性か明らかにしていなかった、という側面もあるようです。

当時のインタビュー記事はこちら

作品を重ねるごとに可愛らしさが前面に

というわけで今回は「キャサリンはオカマ」の設定が今も残っているのかを調べてみましたが、結論は「女性の心を持っているが性別はない」ということになるようです。

1990年代は「オカマ=面白いキャラクター」というイメージが少なからずありましたが、近年はトランスジェンダーへの理解も広まり、今では精神的な性別を尊重して、オカマと扱うことはほぼなくなっています。

最初期はそのビジュアルや言葉遣いにかなりクセが強く、「不格好なキャラクターでナルシストなのが面白い」という側面もあったのではないかと思いますが、近年のキャサリンを見れば分かる通り、デザインやモーションも年々可愛らしく変化しています。

実はスーパーマリオUSAでは、色によってちょっとずつ攻撃手段が違って個性があったので、そのような特徴を引き継いでまたいつかスーパーマリオシリーズ本編にも出てほしいな、と思う今日この頃です。

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