『真・女神転生』がアクションゲームに?日本テレネットが発売した幻の1作目

任天堂以外のゲーム
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どうも、みう太(@arai_miuta)です(ΦωΦ)

2020年7月20日に『Nintendo Direct mini ソフトメーカーラインナップ』が公開され、以前から気になっていた様々なタイトルの続報が明らかになりました。

ここ最近はディスコードなどで通話しながら遊ぶことも増えてきたので、『桃太郎電鉄』や『ファイナルファンタジー クリスタルクロニクル』なども気になっているのですが…、やはり目玉はついにベールを脱いだ『真・女神転生5』だったのではないでしょうか?

そのタイトルはかなり前から発表されていましたが、主人公を始めとするキャラクターが明らかになったのはこれが初めてのことでした。

RPGとは違ったもう1つの女神転生

そんな『女神転生』シリーズといえば探索型のダンジョンRPGをベースに、様々な悪魔(仲魔)を合体させる独自のシステムがコアな人気を集め、現在は『ペルソナ』などの派生作品も大きな話題となっています。

シリーズ1作目となるファミコン版『女神転生』はナムコから、1992年発売の『真・女神転生』はアトラスから発売されていますが、実は1作目が発売される2ヶ月前に『日本テレネット』から発売されたまったく別の『女神転生』が存在していて、そちらは今でもあまり知られていません。

プラットフォームはMSXやPC-88SRなどのパソコンであり、ジャンルも『ゼルダの伝説』のような見下ろし型のアクションゲームなので、シリーズのファンからしてもちょっと意外ではないかと思います。

今回はそんな『日本テレネット版 女神転生』について調べてまとめてみようと思います!

SF小説から生まれたもう1つの女神転生

そもそもなぜファミコン版と同じタイトルでありながらまったく違う『女神転生』が存在するのかというと、まず『女神転生』とは1986年に発売されたSF小説『デジタル・デビル・ストーリー』の1つであって、これを原作にゲーム化したのが今の『真・女神転生』シリーズにつながっています。

当時の女神転生はOVAなどのメディアミックス展開を積極的に行っていて、ゲーム化もその一環であり、結果として同名でありながら内容の違った2つの『女神転生』が誕生しました。

世界観は小説を原作としているのでファミコン版とも共通していて、主人公は天才的なプログラムの知識を持った高校生『中島朱実』であり、自ら『悪魔召喚プログラム』を制作していましたが、あらぬ疑いで暴行を受けたことから復讐を果たすためにそのプログラムを起動し、結果として人間界に悪魔を呼び出す原因になってしまいます。

召喚された魔神『ロキ』は人間界を我が物にしようと企んでいて、復讐の代償として女性の生贄を要求、なぜか強い既視感を覚えていた転校生『白鷺弓子』が生贄に選ばれてしまいますが、弓子の前世であるイザナミ神が中島の前に現れ、前世から続く深い因縁を聞いた中島は弓子を救出するため魔界へと乗り込みます。

原作とは少しだけ異なる設定も盛り込まれていますが、後に発売されたファミコン版よりも原作に忠実な内容になっているので、人によってはこちらの方が不気味な雰囲気を感じるかもしれません。

ゲーム内のグラフィックやBGMは容量の都合もあり決して多くはありませんが、特定のマップやイベントシーンではかなりきれいな1枚絵も用意されていて、当時としてもかなりクオリティの高いゲームであることが分かります。


広大過ぎるフィールドを探索するアクションRPG

ゲームの内容としては先ほど紹介したように見下ろし型のアクションゲームで、2Dの『ゼルダの伝説』をイメージすると分かりやすいと思います。

舞台となるダンジョンは『セフィラ―』と呼ばれているのですが、1ステージにつき8フロア、それが20ステージあるので合計160フロアという広大さであり、アイテムや情報を集めながら探索するだけでも相当なボリュームなのは間違いありません。

攻撃手段はイザナミから託された剣で、いわゆるビームソードのように少しだけリーチが伸びていますが、決して攻撃範囲が広いわけではないので少しずつ敵をおびき寄せて倒したり、うまく曲がり角を利用して攻撃したりなどの工夫が大切になってきます。

基本的には迷路のようなダンジョンを練り歩いて探索し、アイテムなどを集めながら怪しいところを調べていくのですが…、残念ながら主人公はあまり強くはなく、広大なフロアも相まって非常に歯ごたえのある難易度が特徴的です。

また、当時のゲームには珍しくありませんが主人公がダメージを受けた時に無敵時間がほとんどなく、敵と壁に挟まれて動けないままあっという間にゲームオーバー…なんてことも少なくありません。

しかし探索を少し進めると中島に召喚された電子獣『ケルベロス』が仲間になり、一定時間ではありますが中島からケルベロスに操作を切り替えることもできます。

ケルベロスは剣による攻撃ができないのでリーチが短いですが、敵からのダメージを一切受けず、体当たりで敵が倒せるようになるので、任意で使用できる無敵アイテム…のようなものと考えると分かりやすいかもしれません。


当時の風潮でもあった『とにかく難しいゲーム』

そもそも80年代当時のゲームは容量が小さく、長く遊んでもらうために難易度を引き上げていて、すべてのユーザーがクリアできる前提にはなっていませんでした。

例えば1984年に発売されたパソコン向けアクションRPG『ハイドライド』は攻略に関わる謎解きのほとんどがノーヒントで、ゲームを購入した時に付いてくる『ヒント券』に質問を書いて郵送すると1度だけ答えてもらえる…なんてサービスも存在していたそうです。

また、当時のPCゲームメーカーは攻略本の存在を嫌っているところもあり、『攻略本を作れるなら作ってみろ!』というくらい理不尽な難易度を目指していた…という話も聞いたことがあります。

この『女神転生』も少なからずその風潮に乗っている部分はあり、だからこそ広大なダンジョンや簡単には倒せない敵キャラクターが配置されていたのだと思います。

特に1986年に発売された『ロマンシア』は有名で、キャッチコピーも『かわいさ余って、難しさ100%』と打たれるほど難易度が高く、1つ手順を間違えただけで詰んでしまうほどに理不尽さがエスカレートしていました。

この『とにかくゲームは難しければ難しいほど良い』という風潮はPCゲーム界において長く続きましたが、1987年の『イース』が『今、RPGは優しさの時代へ。』をキャッチコピーに発売され、難易度抗争に躍起になっていたPCゲーム業界全体を変えていくきっかけになっています。

この『優しいRPG』とは決して難易度が低い…というわけではなく、アクションやメニューなどの操作を極力シンプルに設計し、しっかりと情報を集めながらレベルを上げれば誰でもクリアにたどり着けるゲームバランス…という意味です。

今となってはそれが当たり前のように思えますが、この日本テレネット版『女神転生』もイースの発売後に開発されていたら、もしかしたらまた違った内容のゲームになっていた…のかもしれません。


今でも情報の少ない幻の『女神転生』

というわけで多くの方が知っている『女神転生』とは別の、日本テレネットから発売された『女神転生』について調べてみたのですが…、探してみてもなかなか情報が見つからず、正直そこまで詳しい内容までは書けませんでした。

Youtubeで検索するとなんと実況動画を上げている方もいらっしゃったので、気になる方はそちらをチェックしてみると分かりやすいのでお勧めです。

今ではシステムとして当たり前になっている悪魔合体なども存在せず、真上から見下ろしたアクションゲームの『女神転生』はかなり特殊な存在で、実際にプレイした…という方はかなり少ないのではないかと思います。

この女神転生もアトラスが開発に携わっていた…とは書かれているのですが、Wikipediaでも『開発協力』としか書かれておらず、どの程度まで開発を担当してのかはよくわかっていません。

しかし、近年ではペルソナもアクション要素をベースにした『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントムストライカーズ』が開発されているので、この日本テレネット版女神転生もシリーズが続いていれば、また違った形の女神転生が見られた…のかもしれません。

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