どうも、みう太(@arai_miuta)です(ΦωΦ)
Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)を始めとした近年のハードでは新作ゲームだけでなく、過去作のリマスターや、復活タイトルのシリーズなども活発にリリースされています。
最近では『魔界村』や『月風魔伝』の新作が発表されたり、『モンスターファーム』や『ミスタードリラー』などがリマスターで生まれ変わったり…、懐かしさと新しさが同時に楽しめる今の環境はとても喜ばしいと思います。
ニンテンドースイッチではバーチャルコンソールがないので古いタイトルを触るのが難しいのですが、このようにメーカーごとに色々と対応してくれてありがたいなぁ…と思う今日この頃です。
活発化するサガシリーズ、アンリミテッド:サガも…?
近年で名作シリーズのリメイク、リマスターに特に力を入れているのが『スクウェア・エニックス』で、『ファイナルファンタジー』シリーズや『聖剣伝説』シリーズ、『ドラゴンクエスト モンスターズ』などなど…、様々なタイトルが復活しています。
そして『Sa・Ga(サガ)』シリーズも初期3作品を詰め込んだ『Sa・Gaコレクション』や『サガ フロンティア リマスター』がリリースされており、当時プレイしていたユーザーにとってはかなり嬉しいニュースです。
そんなサガシリーズの中でも私が個人的に遊んでいたソフトが2002年に発売されたPS2の『アンリミテッド:サガ』で、こちらも現代にリマスターしてほしい…とは思うのですが、実際はかなり評価の分かれたゲームでもあったので…、今回はこの『アンリミテッド:サガ』について少し紹介してみようと思います!
説明不足で多くのユーザーが諦めてしまった作品
『アンリミテッド:サガ』は今でこそ再評価されつつあるタイトルなのですが、当時ユーザーからの評価が低かった主な理由が『とにかくゲームに関する説明が少ない』に尽きます。
ゲーム内でチュートリアルがないなら説明書を読めば良いのではないか…?と思うかもしれませんが、この『アンリミテッド:サガ』は普通のRPGと比べても特殊なシステムが多く、20ページ程度の説明書ではとても理解しきれるものではありませんでした。
その説明の少なさは『のちに発売された攻略本が説明書』といわれるほどで、ゲームに添付されていた説明書は『チラシ』や『パンフレット』なんて呼ばれ方もされていたそうです。
そのシステムは1つ取り上げるだけでも特徴的で、例えばマップの移動も普通のRPGのようにフィールドを歩き回るのではなく、まるでボードゲームのような地図の上でコマを1マスずつ動かして進めます。
あくまで『マップの上をコマが進むだけ』と考えれば理解はしやすいですが、これまでのサガシリーズが自由に歩き回って敵シンボルを回避できたりしたのを考えると、そのシステムの違いに戸惑った方も多かったかもしれません。
特に成長に関するシステムはかなり分かりづらく、このゲームにはどれだけ敵を倒してもレベルアップという概念がありません。
さらに、シナリオクリアするときに『スキルパネル』というものを手に入れて、それをキャラクターに付けることで能力が上がるのですが、どこにどのスキルパネルを付ければどの能力が上がるのか…それを理解しなければ思ったように強いキャラクターには成長しません。
敵キャラクターは戦闘回数を重ねれば重ねるほど強い敵が出てくるようになるので、成長がうまくいってなければかなり難易度も厳しいものになるかと思います。
それぞれの目的が違う7人の主人公
そんなシステム面では不満の多かった『アンリミテッド:サガ』ですが、ボリュームはかなり多く、本作には7人の主人公が用意されています。
ゲームの根本的なシステムは7人の主人公で共通ですが、それぞれ最終的な目的は異なっており、かなり個性の強い物語が楽しめます。
エスカータ王国の王子であるアンリと共に旅をする『ローラ編』、10歳の天才魔法少女が家族を探す『ジュディ編』、運び屋の仕事をしながら兄の手がかりを探す『ヴェント編』などはストーリーも比較的シンプルで遊びやすいですが…、一定時間ごとに敵との強制エンカウントが入る『キャッシュ編』や、主人公以外の仲間が全員女性で総合的な体力の少ない『マイス編』などは、上級者でもなかなか難しいバランスになっています。
中でも特に難しいのがチャパ族の戦士である『アーミック編』と、17歳の占い師である『ルビィ編』で、この2つのシナリオはゲームの知識がなければ相当難しく、初見で遊ぶには突破も厳しいものになると思います。
というのもアーミック編では決まった進め方やルートがなく、リストに記載された必要なアイテムをすべて集めることで物語が展開する…という作りになっています。
そのためどこの街に行けば何が買えるか、どのシナリオをクリアすれば何が手に入るか…という知識があればあるほど攻略しやすく、逆に最初にアーミックを選んでしまった場合は相当苦労することになります。
そしてこのゲームでは『七大脅威』と呼ばれる高難易度な遺跡が7つ用意されているのですが、ルビィ編ではそのすべての遺跡を回るストーリーになっているので、こちらも成長の仕方やバトルの進め方のノウハウがなければかなり難しい戦いになります。
逆に初心者でも遊びやすいローラ編、ジュディ編、ヴェント編から手を付けて少しずつ知識を蓄えていけば、この1本のソフトでも相当長く遊べるのではないかと思います。
鍛えてもギリギリ勝てる高難易度のバランス
これまでは『システムの理解が難しい』という点を主に紹介しましたが、そもそものゲームバランスとしてもかなり高難易度な設定になっています。
正確にいうとストーリーのすべてが難しい…というわけではないのですが、このゲームは戦った回数に応じて出てくる敵の強さも変動するシステムなので、いわゆる弱い敵だけが出てくる『稼ぎ場』のようなマップは存在せず、常に戦略性の強い歯ごたえのあるバトルが展開されます。
また、仲間たちが成長する場面は基本的にシナリオをクリアしたときだけなので、クリアせずにマップから離脱…を繰り返していると仲間の成長はなく敵だけがどんどん強くなっていき、かなりゲームの難易度も跳ね上がってしまいます。
そして何よりこのゲームはかなりボスが強く設定されていて、特にラスボスは万全の装備や成長をしていても100%勝てるという保証がなく、実際に攻略本でも勝率6割を目安に調整している…と書かれています。
これは初心者向けであるローラやヴェントであっても相当難しく、そこで乗り越えられずに挫折してしまったという方も多かったのですが、それだけやり応えのあるバランスは中毒性も兼ね備えていると思います。
『リール』というルーレットが大きく関わるシステム
ここまででも様々な独自システムが出てきましたが、『アンリミテッド:サガ』においてもっとも特徴的なのが『リール』という名前のルーレットのようなシステムです。
『アンリミテッド:サガ』では多くの成功判定にこのリールを用いていて、例えば『鍵開け』や『罠外し』など対応したスキルを持っていても、リール判定で成功が出なければうまくスキルが発動しません。
これら解除スキルもレベルが1から5まであって、レベルが高いほど成功の確率も上がりますが、鍵のかかった宝箱やマップに配置された罠そのものにもレベルが設定されているので、どれだけ成長しても100%成功する…ということはなく、これが本作においてかなりの曲者です。
また、戦闘においてもこのリールのシステムが使われていて、例えば『パンチ』の攻撃もレベル1からレベル4の技があるのですが、どのレベルの技が出るかもこのリールによって決定されます。
そのため、せっかく強力なレベル4のパンチの技を覚えていても、リールがレベル1で止まってしまうとパンチの技もレベル1になり、思ったようなダメージを与えられないかもしれません。
しかしこのバトルにおけるリールは目押しができて、うまくリールの並びやタイミングを覚えれば狙った強い技を発動させることも十分可能です。
また、パーティーメンバーそれぞれの攻撃リールを順番に回して連携攻撃を仕掛ける…なんてシステムもあるので、戦略的な要素に大きくハマる人はかなりハマるのではないかと思います。
覚えることは多いけどやり込めば楽しさが見えてくる
このゲームは最初に書いたようにとにかくシステムが難解という部分がネックで、それさえ分かってしまえばゲームとして十分楽しめるクオリティになっています。
ボードゲームのようなマップ移動、それぞれ個性やルールの違った7人の主人公、リールを使ったスキル判定やバトル…、これだけでもかなり特徴的ですが、それでもまだまだほんの一部分に過ぎません。
例えばこのゲームではHPとLP(ライフポイント)が分かれていて、HPはシナリオをクリアするごとに成長しますが、LPは成長せずに各キャラクターで固定されています。
敵の攻撃を受けるととHPが減っていくのですが、HPの値が少なくなるとLPにもダメージが入るようになり、このLPが0になるとキャラクターは戦闘不能になってしまいます。
逆に敵キャラクターにもHPとLPが設定されているのですが、どれだけHPを減らしてもLPを減らせなければ永遠に倒すことができません。
そしてバトルにおいては長剣や短剣、槍、斧など様々な武器を装備できるのですが、長剣や斧はHPを減らしやすく、短剣や槍などではLPを減らしやすい…という特徴があるので、それらを理解していなければザコ敵にすら苦戦を強いられます。
そしてこういった説明が当時の説明書にはほとんど書かれていなかったことから、多くのユーザーは『敵が強すぎる』『思ったように成長しない』と感じ、発売からわずかな期間で1,000円以下の投げ売り状態になってしまったようです。
しかし、もし現代にリマスター版やリメイク版が出るのであれば、こういった独特なシステムをひとつひとつ説明してもらえるだけでもかなり遊びやすくなり、骨太なRPGとして楽しめるのではないかと思います。
情報が集まった今だからこそ輝くゲームなのでは
というわけで、個人的にもよく遊んでいた『アンリミテッド:サガ』について紹介してみましたが、私も攻略本を買うまではちゃんとシステムが理解できておらず…、取っ掛かりの難しさは確かに感じました。
しかし今であればネット上でも情報を集めやすく、オンラインマニュアルの導入などで補う方法もありますし、やりようはいくらでもありそうです。
もともとがPS2のゲームであるのに加えてチュートリアルまで含めるとそこそこの手間にはなってしまうかもしれませんが…、それでも多くの人に手に取ってもらえるようにぜひ実装して欲しいと思います。
手書きのアナログ感があるマップや、スキルの成功判定などは今思うと少しTRPGっぽくて、もしリマスターが発売されたら当時クリアできなかった方ももう1度手に取ってみてはいかがでしょうか?
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