メトロイドの『リドリー』はもともと洗脳された惑星ゼーベスの先住生物だった

任天堂のゲーム
広告

どうも、みう太(@arai_miuta)です(ΦωΦ)

2021年10月8日に発売されたシリーズ最新作『メトロイド ドレッド』は、初心者から熟練者まで楽しめる作り込まれたアクションと、これまでとは一味違った『怖さ』のエッセンスが高い評価を得て、2021年度の『Game of the Year』候補にもノミネートされました。

2Dアクションのメトロイドは2003年の『メトロイドフュージョン』から実に19年ぶりの発売で、広大なマップを探索しながらサムスをパワーアップさせていく快感は『メトロイドヴァニア』という1つのジャンルになるほどです。

メトロイドシリーズはどちらかといえばコアな大人向けの印象が強いタイトルでしたが、日本でも合計で13万本以上の売上を記録していて、今後の展開にも期待が持てるのではないかと思います。

宿敵リドリーもかつては違う設定だった

そんな『メトロイド』においてサムスに並ぶほど知名度の高いキャラクターが、多くの作品でボスとして登場する宿敵『リドリー』に他なりません。

『メトロイド ドレッド』には残念ながらリドリーは登場しませんでしたが、他のシリーズではたびたびリドリーがボスとして立ちふさがり、その翼を活かした機動力と強力な火炎放射能力でサムスを苦しめてきます。

リドリーは銀河系社会を脅かす武装犯罪組織『スペースパイレーツ』の最高司令官で、サムスの両親を殺した仇でもあるのですが、その事実がトラウマになっているサムスにとってはかなり厳しい戦いを強いられてきました。

しかし、1986年にファミコンで発売された初代『メトロイド』のリドリーは今と設定が違い、スペースパイレーツの一員ではなかったそうです。

今回はそんな『リドリーの初期設定』について少し詳しく調べてみようと思います!

リドリーはもともと惑星ゼーベスに生息する生物だった

初代『メトロイド』の時代背景はコスモ歴2000年代、『銀河連邦』が設立され星間連絡船の行き交うような繁栄を迎えた時代で、船を狙う宇宙海賊(スペースパイレーツ)も出現するようになります。

宇宙海賊は外宇宙連絡船を襲撃し『惑星SR388』で発見した未知の生命体『メトロイド』のカプセルを略奪、メトロイドはSR388の文明を破壊した原因と考えられる危険な生物で、悪用される前に取り返すため連邦警察は宇宙海賊の本拠地である『惑星ゼーベス』に総攻撃を仕掛けますが、海賊の抵抗も激しく残念ながら攻め落とすことはできずにいました。

メトロイドが武器に転用されれば銀河文明を破滅させるほどの脅威になりうることから、連邦警察は最後の手段としてもっとも優秀な宇宙戦士『サムス・アラン』にゼーベスへの侵入を依頼、要塞の中枢である『マザーブレイン』破壊を目的とした作戦を決行します。

惑星ゼーベスはゴツゴツとした岩肌の目立つ『ブリンスタ』や、火山活動が活発な灼熱の洞窟『ノルフェア』、かつて行政区として使われていた中枢区『ツーリアン』などが主なエリアとして存在し、リドリーはノルフェアの最深部でサムスを待ち受けていました。

しかしこの頃のリドリーにスペースパイレーツの一員という設定はなく、惑星ゼーベスの先住生物だったリドリーを、宇宙海賊の司令塔『マザーブレイン』が洗脳しコントロールしていた…とされています。

姿かたちも近年のスリムな骨格や鋭い牙のイメージとは違い、ずんぐりむっくりした丸っこいフォルムに、気味の悪いエイリアンのような顔をしていて、設定もビジュアルも今とはかなり異なっていたようです。

この頃はサムスの親の仇という設定もないので、本当にたまたま操られてしまった強力な生物でしかなかったのですが、本作のリメイクに当たる『メトロイド ゼロミッション』ではリドリーはスペースパイレーツの最高幹部に再設定されていて、『狡猾の死神』という俗名まで付けられています。

今でこそシリーズに欠かせないキャラクターのリドリーですが、当初はここまで重要なポジションになるとは開発も想定していなかったのかもしれません。


リドリーを操ったマザーブレインという存在

そんなリドリーをコントロールしていたマザーブレインこそがすべての元凶だったのですが、マザーブレインは惑星ゼーベスの中枢『ツーリアン』に設置されている巨大な人工知能で、無数のトゲが生えた大脳に大きな眼球が付いたような風貌をしています。

惑星ゼーベスにはもともと高度な文明を持った鳥人族が住んでいて、鳥人族に育てられたサムスもゼーベスが故郷なのですが、その鳥人族が銀河の繁栄を願って、宇宙規模の膨大なデータを統括するためにマザーブレインを開発しました。

マザーブレインの能力は非常に優秀で銀河の平和にも大きく貢献し、サムスの育ての親ともいえる存在だったのですが、優秀過ぎるがゆえに人間的な感情を徐々に持つようになって、サムスやメトロイドといった自分以外の存在に未来を託そうとする鳥人族に不満を持つようになってしまいます。

そしてスペースパイレーツがゼーベスに侵略した際、鳥人族ではなくパイレーツに手を貸す方が銀河の繁栄につながると判断、最終的にはその頭脳でパイレーツをまとめ上げ司令塔として君臨しました。

しかし、やはり初代メトロイドは近年の作品とは設定が違う部分もあり、少なくともリドリーのように他の生物を洗脳する能力はのちのシリーズでも見られません

もしもマザーブレインに他者を操る力が残されていればそれはあまりに強く、そもそもなぜ他の鳥人族などを操らなかったのか?という疑問も出てくるので、設定として引き継ぐには意外と難しかったのかもしれません。

リメイク作『ゼロミッション』ではリドリーとサムスの明確な因縁が描かれているので、マザーブレインに洗脳の能力が必要なかったのも確かですが、のちの歴史的にも初代メトロイドではなくゼロミッションが物語のベースになっているようです。


スーパーメトロイドで大幅にイメージが変わったリドリー

ただの先住生物だったリドリーのイメージが大幅に変わったのが、1994年に発売された『スーパーメトロイド』で、リドリーとしてはシリーズ登場2作目に当たりますが、この時点で宇宙海賊の最高幹部という設定に変更されています。

説明書に描かれているリドリーのカラーリングは赤が基調になっていますが、ゲーム内では紫色で登場し、細くとがった骨格に蝙蝠のような羽、鋭い牙や爪、現在のリドリーとほとんど変わらないビジュアルに変化しました。

サムスとの深い因縁が語られるのはもう少し先の作品ですが、サムスを親だと思い懐いていたベビーメトロイドを奪い取った張本人であり、メトロイドの研究に関わっていた研究所員も殺害してしまうほどの残虐性をすでに持ち合わせています。

ゼーベスの先住生物という設定もなくなったので、どこでどのように育ち、どのような経緯でスペースパイレーツに加入したのかなどは未だに一切明らかになっていません

しかしその生態は『メトロイド Other M』にて描かれていて、どうやら『リトルバード』と呼ばれる羽毛で覆われた小さな姿で生まれ、脱皮や進化を繰り返して現在の広く知られるエイリアンのような姿に変化しているようです。

リドリーの成長について詳しくまとめた記事を過去に書いていますので、気になる方は良ければそちらを読んでみてください。

メトロイドの『リドリー』は何度も脱皮や進化を繰り返して翼の生えた凶悪な姿になっていた
どうも、みう太(@arai_miuta)です(ΦωΦ) 2021年10月8日に発売が予定されている『メトロイド ドレッド』ですが、完全新作となる2Dアクションのメトロイドは2003年の『メトロイド フュージョン』から実に19年ぶりで、そのや...

初代メトロイドのリドリーが惑星ゼーベスでどのように生活していたかは不明ですが、あれだけ過酷な環境であるノルフェアの最深部に生息していることを考えると、やはりかなりの力を持っていたことは間違いないと思います。

また、ブリンスタにはリドリーを模した彫像が飾られていて、もう1体のボスである『クレイド』の彫像と併せて起動させることで惑星中枢の『ツーリアン』への道が開かれることから、他の生物とは違った特別な存在だったのかもしれません。


全体的に設定が固まっていなかったファミコン時代

というわけで今回は『リドリーの初期設定』について調べてみましたが、そもそも初代メトロイドでは説明書でサムスのことを『彼』と呼んでいたり、サムスが全身に強化手術を施したサイボーグだったりと、現在の設定とは違う部分も多く見られます。

作品を重ねるごとにサムスや鳥人族に関する過去や、リドリーの残虐性とその生態、未知の生物メトロイドがどのような存在だったのか…などが深掘りされてきましたが、ゲームの容量自体が少ないファミコン時代ではまだ設定も甘い部分があったようです。

2Dのメトロイドは今後も開発を続けていくものの、最新作『メトロイド ドレッド』を持ってサムスとメトロイドの関係を描くのは一区切りともコメントされていて、今後どのように展開していくのかは気になるところです。

リドリーは『スーパーメトロイド』の時点で死亡しているのですが、その後もクローン個体としてよみがえったり、サイボーグ化して復元されたメタリドリーとして登場したりと、サムスとは切っても切れない因縁がありました。

メトロイドとの奇妙な運命は一区切りとなりますが、今後はリドリーとの関係をより深く描いた新作…なんて可能性があるのかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました