『ファイアーエムブレム 風花雪月』の次回作に引き継いでほしいことと改善してほしいこと

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どうも、みう太(@arai_miuta)です(ΦωΦ)

普段は『スプラトゥーン』や『ゼルダの伝説』を始めとしたアクションゲームを遊んでいることが多いのですが、最近は少し頭を使ったストラテジーやローグライクにもハマっていて、『スーパーロボット大戦』『風来のシレン』などもよく遊んでいます。

任天堂のストラテジーといえば『ファイアーエムブレム』が有名ですが、私は『烈火の剣』からシリーズを遊ぶようになって、2019年7月に発売された『ファイアーエムブレム 風花雪月』も非常に面白かったです。

次回作にも引き継いでほしい『風花雪月』独自のシステム

そんな『ファイアーエムブレム 風花雪月』は間違いなくシリーズでも屈指の良作といえますが、その設定からシステムまで新しい要素も多く取り入れられていて、過去作とは一線を画したゲームデザインになっています。

育成などの自由度が非常に高く、その仕組みは一見するとかなり複雑に思えますが…、シリーズ未プレイでもエンディングまでたどり着けるよういろいろと配慮されていて、初心者から上級者まで幅広い層が楽しめました。

ある意味これまでと違ったまったく新しいシリーズの門出…ともいえる本作はおおむねユーザーにも好評で、先生として生徒を指導する学園の楽しさと、どうにもならない戦争の無情さの対比が印象的です。

今作から取り入れられた新しいシステムは斬新でありながら自由度が高く面白かったので、まずは『次回作に引き継いでほしいこと』をいくつかまとめてみようと思います!

主人公の所属する勢力を選んで違った物語を楽しめる

発売前から大きく取り上げられていたことですが、本作はアドラステア帝国の出身者が在籍する『黒鷲の学級』、ファーガス神聖王国の出身者が在籍する『青獅子の学級』、レスター諸侯同盟の出身者が在籍する『金鹿の学級』、さらにガルグ=マク大修道院の大司教レアを指導者においた『セイロス教団』の4つのルートがあり、主人公がどの勢力に属するかで物語も大幅に違ってきます。

ルートの選択は過去の作品にもありましたし、『ファイアーエムブレム if』では『白夜王国』『暗夜王国』、そしてDLCの『透魔王国』の3つの物語が用意されていましたが、風花雪月はそれ以上に異なった結末が描かれていました。

過去作では明確に世界の破滅を企てるような悪人がラスボスを務めていましたが、本作は必ずしも絶対的な悪人がラスボス…というわけではなく、いわばそれぞれの勢力の正義がぶつかりあった戦争がテーマになっています。

このように物語の選択肢があるとそれだけ周回プレイを楽しめますし、何より2週目で違った勢力の視点が見られるのは面白いところなので、次回作でも好きな勢力を選んで所属できる形になると嬉しいです。

しかし風花雪月は主人公が先生だったからこそ3つの学級を選択肢にできましたが、次回作でまた学園がテーマになる…とは考えにくいですし、どのように勢力を分けるかは意外と難しいところかもしれません。

どのシリーズでも戦争は複数の国が絡みますが、『暗黒竜と光の剣』のマルスように亡国の王子だったり、『蒼炎の奇跡』のアイクのように傭兵の一員だったり、『烈火の剣』に登場した義賊『黒い牙』のような組織に所属していたり…国だけでなく身分の違いで選択肢があるのも面白いのかな…と思います。

好きな兵種を選べる育成方針の自由度の高さ

ファイアーエムブレムの醍醐味といえば仲間ユニットの育成ですが、『剣士』や『ソシアルナイト』といった下級職から『ソードマスター』『パラディン』などの上級職にクラスチェンジさせ、最初は弱かったユニットをエースにまで育て上げるのも楽しみの1つです。

過去作におけるほとんどの仲間は最初から兵種が決まっていて、クラスチェンジできる上級職もある程度定められていましたが、風花雪月は主人公の指導によって生徒を好きな兵種に育てられます

もちろん生徒によって得意不得意はあるのですが、筋肉が自慢な武闘派に魔法を覚えさせたり、か弱い女性に斧術や重装を学ばせたり…その気になれば全員を騎馬兵にする、なんてことさえ可能です。

これまでも『聖魔の光石』では例えばソシアルナイトを上級職にクラスチェンジする際『パラディン』と『グレートナイト』から選択できたり、『新・暗黒竜と光の剣』では特定の兵種から別の兵種に変更できたり…少しずつ自由度が高まっていましたが、本作はこれまで以上に自由度の高い育成ができるようになりました。

慣れないうちは思ったように育てるのも難しいかもしれませんが、システムを理解すればとにかく強力な軍を編成することも、1人1人の生い立ちに似合った兵種に育ててロールプレイを楽しむことも、縛りプレイのように偏った軍に仕上げることも…他にはない幅広い楽しみ方ができます。

これは主人公のベレト/ベレスが学園の先生という立場を活かしたもので、次回作に取り入れるにはどのような設定にするか難しいところですが、この選択肢の広さはぜひ今後の作品でも実現して欲しいと思います。

先生や生徒に技術を教えてもらって自分も成長できる

ベレト/ベレスは生徒に技術を教える立場ではありますが、ガルグ=マク大修道院の先生としては赴任したばかりの新人で、『ハンネマン』『マヌエラ』『カトリーヌ』など他の先生の助けも借りることになります。

彼らは物語が進めば戦闘にも参加してくれる頼もしい仲間ですが、ハンネマンなら黒魔術、カトリーヌなら剣術…など特定の技術のエキスパートでもあって、自由時間に教えを乞うことで主人公もその技能レベルを上げることができます

ベレト/ベレスは剣術を得意としながら他の生徒と同じように自由に育てられますし、身に着けた技術は戦闘で活きるだけでなく、他クラスの生徒のスカウトや資格試験の合否にも影響するので思った以上に重要な要素です。

過去作における熟練度は戦闘でその武器や魔法を使い込むか、貴重な成長アイテムを使うくらいしか上げる手段がありませんでしたが、このシステムのおかげで本来は苦手とする分野も専門家の教えによって鍛えやすく、武器と併せて『ライブ』などの回復魔法を習得して万能ユニットに…なんてこともできました。

さらに5年後の世界を描いた第2部では『高度教練』をお願いすることもできて、自分よりも技能レベルの高い先生だけでなく、成長した生徒から逆に教えてもらうことも可能です。

これも主人公が先生という立場だからこそ活きているシステムなので、次回作ではまた違った形になるとは思いますが…軍に所属する先輩はもちろん、例えば村や町に住む兵士からは『重装』の技能を、遊牧民からは『馬術』の技能を…など旅先の出会いをイベントに組み込むのも面白いかもしれません。

初心者から上級者まで幅広く遊べる設定やバランス

ファイアーエムブレムに限らず『戦略シミュレーション』や『ストラテジー』は難しいイメージが強く、実際にこれらジャンルに触れたことがない人からすると少し手に取りにくい部分がありました。

特に昔のファイアーエムブレムは『滅びの美学』をテーマにしていて、途中で仲間が何人か脱落するのを前提に作られていたため、すべての仲間を生存させるにはかなり厳しい戦いになります。

しかし任天堂は『多くの人が楽しんでもらえるように、やられてしまった仲間も次のマップで復活できたらどうか』と開発のインテリジェントシステムズに意見を出し、結果として『ファイアーエムブレム 新・紋章の謎』から戦闘に負けたユニットも復帰できる『カジュアルモード』が導入された経緯があります。

当時の記事はこちら

『覚醒』や『if』でも初心者への配慮はされていましたが、風花雪月は『ノーマル』『ハード』『ルナティック』の3つの難易度選択と『カジュアルモード』の実装、さらにターンを巻き戻せる『天刻の拍動』の存在もあり、ストラテジー初心者でも安心して最後まで遊べるサポートの手厚さが印象的です。

本作は育成の自由度が高い分、セオリーが分からず無駄になる指導をし続けてしまったり、資格試験になかなか合格できるパラメータに成長しなかったり…ノウハウがないと強力な仲間に育てるのは難しかったりします。

しかし、これだけサポートが用意されていれば例え育成がうまくいかなくてもクリアは難しくなく、1週目はノーマルで遊んで2週目から少しずつ難しいモードに挑戦する…という遊び方も無理なくできます。

もちろんシリーズ経験者であれば難易度をハードにしたり、戦闘不能になった仲間が復帰しない『クラシックモード』に挑戦したりと選択肢が用意されているので、次回作でも幅広い層に楽しめるバランスになっていると嬉しいです。

新しいシステムだからこそいくつかの不満点

これまでのシリーズとは大きく違うシステムを取り入れた『ファイアーエムブレム 風花雪月』はおおむね好評でありながら、初めての試みなのもあって発展途上に思える部分も少なからず存在します。

自由な育成方針に重厚なストーリーなどはぜひ今後も引き継いでほしいのですが、今度は次回作で改善して欲しい点をいくつか挙げてみようと思います。

育成が自由なわりと意外と狭い職業の幅

先ほど書いた通り風花雪月は自分の望むまま生徒を育成できるのが魅力ですが、最終的な兵種で考えるとそこまで幅が広くないように感じました。

本作の武器は『剣』『槍』『斧』『弓』『籠手』の5つに分かれていて、どの武器の技能を上げるかは自由ですが、例えば弓の技能を伸ばしたとしても最終的に目指すのは『スナイパー』か『ボウナイト』くらいしかありません。

もちろんすべてのユニットがすべての武器を持てるので、弓が得意でありながら剣や槍を装備させることも可能ですが、ボウナイトを目指す場合は資格試験に弓術と槍術と馬術の技能が必要になるため、他の技能まで伸ばすのは時間的に難しいです。

中でも『パラディン』は槍術と馬術を伸ばしたときに選択できる上級職ですが、男性ユニットが槍術を鍛えた場合このパラディン以外の選択肢がほとんどなく、せっかく育成は自由なのに行き着く職業の幅の狭さがもったいないな…と思います。

パラディンという兵種はこれまでのシリーズでもおなじみですが、過去作では槍に加えて剣と斧も装備可能で、もちろん剣が得意なパラディンや斧が得意なパラディンも存在しました。

風花雪月では馬術と槍術が指定されていますが、資格試験の設定に『馬術に加えて剣術、槍術、斧術のいずれか1つ』くらいの緩さがあっても良かったのかもしれません。

『3すくみ』や『高低差』など戦略性の高い要素の復活

風花雪月は初心者でも遊びやすい間口の広さが特徴ですが、過去作と比べてもストラテジーとしては難易度が低く、そこまで複雑な戦略性がありませんでした。

特に象徴的なのが『3すくみ』の削除で、これまでおなじみだった『剣は斧に強い、斧は槍に強い、槍は剣に強い』という武器の相性がなくなったことで、どの武器を装備していてもユニットが強力なら何とかなる…という場面が多かったと思います。

これは誰でもすべての武器が持てるようになったことで、3すくみがあっても『とりあえず全員に剣と槍と斧を持たせておけば良い』となるのを懸念してではないか…と思うのですが、相手の進軍に合わせて武器を持ち替えるだけでも戦略性が出てきますし、もう少しストラテジーとしての歯ごたえが欲しかったところです。

一応、剣術の技能を上げれば『斧殺し』という3すくみを意識したスキルが手に入りますが、3すくみはマップを確認して出撃させるユニットを選出したり、仲間の初期配置がより重要になったり…そういった部分を考えるのもゲームの面白さだったと思います。

また『ファイアーエムブレム 暁の女神』では『地形の高低差』というシステムが取り入れられていて、相手よりも高い位置から攻撃できれば戦闘においても大きく有利になりました。

敵軍が籠城している場合は高所を陣取られていることも多く、段差を昇り降りできない騎馬系のユニットは動かしにくいですが、地形を無視できる『ペガサスナイト』や『ドラゴンナイト』はその機動力を活かしやすいので、やはり出撃する仲間の選択から戦略性のあるバランスの方が個人的には嬉しいです。

修道院の探索は楽しいけど少し時間がかかりすぎる

本作の人気の理由は自由な育成に重厚なストーリーだけでなく、フルボイスで描かれるアドベンチャーパートのクオリティの高さも挙げられます。

ベレト/ベレスは授業のない休日にガルグ=マク大修道院を自由散策できて、生徒たちと親交を深めたり、釣り池で釣りをしたり、温室で作物を育てたり…様々なことができます。

生徒と交流するには話しかけるだけでなく食堂で一緒に食事をとる、相手の好みそうなアイテムをプレゼントする、お茶会を開いて1対1の会話を楽しむなどいろいろな方法があって、条件を満たせば特別なイベントも発生しました。

しかし一方でガルグ=マク大修道院はかなりの広さがあり、探索する楽しみがありながら移動はそれなりに大変で、一部の行動はメニューなどからショートカットできても良かったのかな…と思います。

特に時間がかかるのが『落とし物』の要素で、大修道院のいたるところから生徒の落とし物が見つかるのですが、これを落とし主のもとに届けてあげるにはマップを走り回らなければなりません。

落とし物の説明文には誰が持ち主かヒントが書かれていますが、生徒のプロフィールや好みを把握していなければすぐにたどり着くのは難しく、総当たりで持ち主を探す…ということも少なくありませんでした。

また、最初に選んだ学級によっては拾っても届けられない落とし物がいくつかあって、『結局誰のものなんだろう…』と分からないまま駆け回っていた人は意外と少なくないかもしれません。

生徒に限らず修道院にいる兵士や聖職者からも様々な話を聞けて、自由時間は世界観を理解するためにも重要な役割を持っていますが…散策で1時間近くかかってしまうことも珍しくなく、次回作ではもう少しテンポよくストーリーが展開しても良いのかなと思います。

そろそろ次回作が発表されてもおかしくないタイミング

というわけで今回は個人的に『ファイアーエムブレム 風花雪月』の次回作に引き継いでほしいことと改善してほしいことをまとめてみましたが、やはり自分の思い通りに育成できる自由度の高さは過去作と違った面白さでした。

物語も『覚醒』や『if』ではあまり緊迫感がない…という意見がありましたが、本作はかつての学友と戦場で相打つ戦争の無情さを強く描いていて、それと同時に3つの勢力のどれも悪ではないという作りは『三国志』をモチーフにしたというのも頷けます。

一方で兵種の種類の少なさや資格試験の縛りの厳しさが育成の自由度と噛み合っていないように感じて、次回作ではもっと『斧が得意な騎兵』や『剣が得意な重装兵』なども育てやすくなると嬉しいです。

風花雪月が2019年7月に発売され、2022年6月24日には『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』も発売されましたが、そろそろ本編の新作発表があってもおかしくない時期かもしれません。

過去には『ファイアーエムブレム 封印の剣』をリメイクしたいというインタビュー記事もありましたが、次はどのような作品になるのか今から楽しみなところです。

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