【ゼルダの伝説 風のタクト】トゥーンリンクは『目からビームを出す』可能性があったらしい

任天堂のゲーム
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こんにちは、こんばんは、『みう太』と書いて『みうた』と申します!(Xアカウント

今もなお多くの人が遊んでいる『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』ですが、気が付けば発売から1年を迎えており、時の流れの早さを実感している方も多いのではないかと思います。

今年度中にはNintendo Switch(ニンテンドースイッチ)の後継機の発表も予定されていて、果たして『スーパーマリオ』や『ゼルダの伝説』が今後どのような展開をしていくのか…、今からお披露目が待ち遠しい今日この頃です。

※この記事は2018年4月5日に投稿した記事を再構築したものです

大幅なデザイン変更に賛否の分かれた『トゥーンリンク』

そんな『ゼルダの伝説』の主人公といえば『リンク』ですが、ゼルダの伝説は作品によって描かれる時代や世界線が違うため、リンクも同姓同名の別人として描かれることが多々あります。

中でも2002年に発売された『ゼルダの伝説 風のタクト』はこれまでのシリーズと大きく作風が違い、丸っこくてアニメのようなデザインのリンクは後に『トゥーンリンク』と呼ばれるようになりました。

当時ゼルダの伝説は『時のオカリナ』や『ムジュラの仮面』が爆発的な人気を誇っており、2000年に公開されたゲームキューブのデモ映像でもリアルなリンクが映されていたので、そのギャップは当時かなりのインパクトを持っていたようです。

しかし、新しいゼルダを作るに当たって当時の開発スタッフは『ただリアルにしていくことが本当の進化なのか?』と悩み、その結果生まれたのがデフォルメされた新しいリンクでした。

とはいえ、やはりこのトゥーンリンクを生み出すのにも一筋縄ではいかず、その過程で『目からビームを出そうか?』なんて意見まであったそうです。

デフォルメしたからこそゲームの裾野が広がった

『ゼルダの伝説 風のタクト』で登場したネコ目リンクは、『大乱闘スマッシュブラザーズ』の影響でのちに『トゥーンリンク』と呼ばれるようになりましたが、発表当時はデザインに対しての反発も多く、特に海外では『嫌いなキャラクター』のランキング上位にまで入るほどでした。

しかし、開発スタッフとしては『写実的にすればするほどゲームとして分かりにくくなる』ことを危惧していて、その問題を解決するためにもトゥーンの世界へのデフォルメは有効だったようです。

当時のインタビュー記事はこちら

例えばダンジョンの中に謎を解くスイッチがあるとしたら、そのスイッチを光らせることで『動かせる』と伝えられますが、グラフィックがリアルになればなるほどそのような演出は浮いてしまい、世界観のバランスも取りにくくなってしまいます。

それに対し世界をトゥーンで描くことで、あからさまな仕掛けを用意しても『アニメ的な表現』として受け入れられやすく、謎解きのヒントもユーザーにより伝わるようになりました。

デフォルメされたグラフィックはキャラクターや表現にも表れており、例えばゲーム序盤の『魔獣島』に忍び込む場面では、リンクが海賊船の砲台で飛ばされ、壁にぶつかって張り付くようなシーンがあります。

これこそまさにアニメ的な表現で、もしリアルなテイストで描かれた世界観であれば、このシーンを作り出すのも難しかったのではないかと思います。

また、デフォルメされたキャラクターは本来の人間とは違った特徴も持たせられ、頭が大きかったり、極端に手足が短かったりしてもアニメ的なキャラクターとして馴染みやすく、ゲーム全体の違和感も生まれにくくなります。

『リアルにしないからゲームらしい』という考え方は今でも引き継がれていて、最新作『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』においても、景色や武器のグラフィックはリアルでありながら、表現に関してはあえてリアルにしていない部分があります。

例えば現実世界では金属を身に付けていても落雷の可能性は上がりませんが、それを『鉄の武器や盾を装備していると雷を呼び寄せてしまう』設定にすることで、リアルではないからこその『ゲームらしさ』を生み出しています。

リンクの目の大きさに『意味を持たせる』こと

デザインの方向性は定まった『トゥーンリンク』ですが、任天堂の代表的なクリエイターである宮本茂さんや手塚卓志さんは、『だからこんなに目が大きかったのか、とゲームの中で納得する要素がほしい』と、リンクの目の大きさに意味を持たせるべきと意見を出しました。

これもキャラクターをデフォルメしたからこその意見であり、もしリアルなグラフィックのキャラクターが喜怒哀楽をコロコロ変えれば不気味な印象になってしまいますが、トゥーンリンクであれば表情の大きな変化もアニメのようで親しみやすく、目や口の動きのパターンもより幅広く扱えます。

個人的にはトゥーンリンクの喜怒哀楽は可愛らしく見えるのに対し、『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』の『幸せのお面屋』の喜怒哀楽は不気味に見えるのが感覚として近いと思います。

そこで『ゼルダの伝説 風のタクト』では、リンクの目の大きさを活かして『目線』をヒントにし、リンクがどこを見ているか追えば謎解きの糸口を掴めるよう工夫されています。

その開発の最中で、これだけ目が大きいんだから『ビームを出したら?』という意見まで持ち上がり、もしこれが実現していたら…今まで見たことのないリンクが生まれていたかもしれません。

『さすがにビームはないと思う』と採用はされませんでしたが、このように想像の斜め上なアイデアも案として検討されているのは、開発のエピソードの面白いところです。

『デザインに意味を持たせる』任天堂のキャラクター

トゥーンリンクに『目線』というシステムを採用することで、キャラクターのデフォルメされたデザインにも意味が生まれましたが、任天堂は他の作品でも『デザインに意味を持たせたキャラクター』が複数存在します。

任天堂を代表するタイトル『スーパーマリオブラザーズ』のマリオもそうで、例えば彼のトレードマークである『ヒゲ』は、ファミコンの少ないドットでどちらを向いているか分かりやすくするため、また口のドットの描画を省略するためと、実は機能的なデザインがかなり念頭に置かれていたようです。

他にも帽子は髪の毛のドットを省略するため、白い手袋はマリオのジャンプの動きを分かりやすくするため、とすべてに理由があり、ゲームの機能を活かすために設計されたデザインなのが分かります。

今や任天堂作品の目玉となった『スプラトゥーン』も、当初は『アクションが映える』『白い体はインクを塗られたとき分かりやすい』などの理由から、イカではなくウサギのキャラクターで開発が進められていました。

これもゲームのシステムに基づいたキャラクターデザインでしたが、では『なんでウサギがインクを塗るの?』と質問されると合理的な理由がなく、開発陣はその答えを探すためかなり苦労したそうです。

当時のインタビューはこちら

その後『インクを吐くことが納得いくモチーフ』を探った結果『イカ』が候補に挙がり、『インクを吐く』『インクを泳ぐ』という要素にも当てはまったことから、今やおなじみとなったインクリングのデザインにまでつながっています。

ビーム撃つリンクもそれはそれで見てみたい…

というわけで今回は『トゥーンリンクが目からビームを撃つ可能性があった』という話を始め、『なぜ風のタクトはトゥーンのデザインになったのか?』を紹介してみました。

さすがに目からビームを放つリンクは実現しませんでしたが、近年の作品では『ビタロック』や『スクラビルド』のようなとんでもない特殊能力を身に付けることも少なくないので、いずれ本当にリンクがビームを放つ可能性はあり得るのではないかと思います。

ただ、そもそもゼルダの伝説は『魔法の杖』や『光の矢』などのアイテムも豊富で、わざわざリンクがビームを撃たなくてもどうにかなる、というのがネックではありそうです。

とはいえ『リンクが目からビームを撃つ』というシーンは単純にインパクトが強そうなので、何か『ビームの出る仮面』のようなアイテムでも実装されたら、それはそれで面白いかもしれません。

コメント

  1. 放浪ホーロー より:

    リンクの目はカランメイダだった…!?

    • 管理人のみう太 より:

      ビーモスとかにも対抗できたのかもしれない…!
      普通にビームの出るアイテムを持たせればそれで良いんですけどねw

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