リンクが馬を走らせてガノンと一騎打ちするシチュエーションはおよそ20年越しの実現だった

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どうも、みう太(@arai_miuta)です(ΦωΦ)

2022年も9月に入り、楽しみだった『スプラトゥーン3』や『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』の発売も近づいてきましたが、2023年には『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド2(仮)』の発売も控えていて、そちらも今から待ち遠しい今日この頃です。

ちょっと前に実はちゃんと遊んだことのなかった『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』をクリアしたのですが、Nintendo Switch Onlineでいろいろな過去作に触れられるのも嬉しいところです。

ずっと取り入れたかったリンクとガノンの『一騎打ち』

そんな『ゼルダの伝説』シリーズは今や35年以上の歴史を持っているタイトルですが、1998年に発売された『ゼルダの伝説 時のオカリナ』では生涯のライバルとなる『ガノンドロフ』が初登場し、3Dの世界で様々な冒険が描かれました。

それぞれ違った特徴を持った8つの神殿に、子供時代と大人時代を行き来するシステムなど独自の要素が多く取り入れられていて、3Dであることを活かした謎解きも『ゼルダらしさ』をより印象付けるきっかけになったと思います。

そんな『時のオカリナ』ですが、糸井重里さんのサイト『樹の上の秘密基地』には当時の開発者による座談会が掲載されていて、全体のコンセプトやアニメーションの裏話など…面白い記事が今でも閲覧できます。

該当する記事はこちら

そしてプロデューサーを務めた宮本茂さんは『馬を走らせる』要素を入れたかったようで、それに合わせたマップ作りもされていましたが、時間的な都合で断念したイベントもあり、中でも『ガノンの一騎打ち』はおよそ20年後の『ブレス オブ ザ ワイルド』でようやく実現することになりました。

そこで今回は『時のオカリナ』に向けた馬への情熱と、リンクとガノンの一騎打ちのシチュエーションについて少し紹介しようと思います!

『気持ちよく世界を走る』を重視した時のオカリナ

『ゼルダの伝説 時のオカリナ』は開発がスーパーファミコンからニンテンドウ64に移ったことで格段にできることが増え、グラフィックの作り込みや謎解きの奥深さなど…様々な要素がパワーアップしました。

中でも宮本さんは『馬を走らせたい』という思いが根本にあって、最初は64ならどれだけのことができるかがハッキリしなかったため小さな要素で取り入れるつもりが、結果として本編に大きく関わる重要な要素にまでなりました。

今思えばゲームのパッケージにも愛馬である『エポナ』に乗るリンクが描かれていたので、それだけ馬に乗って移動できることは象徴的なものだったのかもしれません。

『馬を走らせるならそれが気持ちよくなければダメ』となると今度はマップ上に配置された木や敵をどんどん取り外すようになりましたが、結果的にそれは『ただ広いだけの野原じゃん』と言われるようになり、マップデザイナーはバランス調整に非常に苦労したそうです。

そしてリンクとエポナが関わるイベントは『流鏑馬(やぶさめ)』と『賭けレース』が実装されましたが、『ロンロン牧場の大脱走』と『ガノンの一騎打ち』は今回諦めたと語られていて、『あと半年あったらできたのだけど』ともコメントされています。

当時の開発は『A』『B』『C』と難易度ごとにプランを分けて、Bのプランが実装できたならAのプランも頑張ろう、A+のプランはまた次回作にしよう、とそれぞれ切り分けて考えていたそうです。

つまり『ロンロン牧場の大脱走』と『ガノンの一騎打ち』は今回実装できなかったA+のプラン…ということになりますが、続編となる『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』は『時のオカリナ』のパラレルワールドが舞台で、ガノンは一騎打ち…どころか登場すらせず、かなり先の作品までお預けの状態となりました。

ちなみに『スーパーマリオワールド』でマリオをヨッシーに乗せたのも、のちの『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』でウルフリンクにミドナを乗せたのも宮本さんがきっかけで、それだけ乗り物については強いこだわりを持っているようです。

トワイライトプリンセスで実現したガノンドロフとの騎馬戦

『時のオカリナ』以降も『ムジュラの仮面』や『ふしぎの木の実』、『風のタクト』など様々な作品がリリースされてきましたが、乗馬にフォーカスしたタイトルやイベントなどはそこまで多くなく、宮本さんが諦めた『ガノンの一騎打ち』も実装されずにいました。

そんな中、2006年にゲームキューブとWiiで発売された『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』ではエポナが再び大きく取り上げられ、時のオカリナ以上に広大なハイラル平原を駆けるだけでも楽しい作品になっています。

物語にも深く関わっていて、中でもカカリコ村から『コリン』という少年をさらったキングブルブリンを追いかけ、オルディン大橋での一騎打ちは多くの方の記憶に残っているのではないかと思います。

ラスボスはシリーズでもおなじみ『ガノンドロフ』ですが、今回はゼルダ姫に憑依しての戦い、魔獣ガノンに変身しての戦い、人型のガノンドロフとの戦いが2回含まれていて、実質4連戦の非常に過酷なものになっていました。

そして魔獣ガノンを倒した後のガノンドロフ戦はお互いに馬に乗っていて、ついに8年の時を経て『ガノンとの騎馬戦』が実現しましたが、こちらはリンクとゼルダ姫の2人で協力していて『一騎打ち』とは少し違うシチュエーションでした。

事実ガノンドロフの力は強大で、光の精霊から『光の矢』を与えられたゼルダ姫の助けがなければまともに攻撃を当てることすらままならず、エポナを操るリンクとゼルダ姫が共闘する姿はそれはそれで熱いものがあります。

ゼルダ姫に光の矢を当ててもらうにはガノンドロフと一定の距離を保たなければなりませんが、ガノンドロフの馬術も相当なもので簡単に後ろを取らせてはくれず、ときおり亡霊兵も召喚してくるのでエポナの操作に慣れていなくて苦戦した方も多かったのではないかと思います。

なお、ガノンドロフの攻撃を受けるとリンクはエポナから振り落とされてしまいますが、ゼルダ姫は何事もなかったかのようにエポナに乗り続けていて、その姫のフィジカルの強さはシリアスさの中でちょっとツッコミを入れたくなるポイント…だったかもしれません。

ブレス オブ ザ ワイルドで実現した『魔獣ガノン』との一騎打ち

『トワイライトプリンセス』以降の作品は『大地の汽笛』では汽車、『スカイウォードソード』ではロフトバードなど違った乗り物がフューチャーされるようになり、エポナを始めとした馬が活躍するタイトルはしばらく出ていませんでした。

しかし『ゼルダのアタリマエ』を見直して開発されたシリーズ最新作『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』ではオープンワールドの広大なマップが大きな話題になり、自分で馬を手懐けて愛馬にできるシステムも導入されました。

馬は本来臆病な生き物で、手懐けるにはリンクにも相応なスタミナ(がんばりゲージ)が必要になりますが、馬の模様や色によってステータスや性格も違い、特定のイベントをクリアすればハイラル王家にゆかりのある特別な馬を仲間にすることも可能です。

ブレス オブ ザ ワイルドはワールドのいたるところに『試練の祠』が配置されていて、シーカーストーンのマップからワープできるのでそこまで馬を利用しなかった…という方も多いかもしれませんが、ラスボスを務める『魔獣ガノン』との戦いはリンクが馬に乗った状態から始まり、ゼルダ姫から託された『光の矢』を指定の場所に撃ち込まなければなりません。

こちらも馬の操作に慣れていなければなかなか思い通りに立ち回るのは難しいですが、魔獣ガノンとの戦いはかなり難易度が低めに設定されていて、ここまでの冒険をクリアしてきたプレイヤーであれば問題なく突破はできるハズです。

(この最終局面まできてやり直しになるのはユーザーの意欲を下げかねないため、意図的に難易度を落としている…というインタビューを見た気がするのですが、引用元が見つかりませんでした)

難易度が低いとはいえこちらは正真正銘『馬に乗ったリンク』と『魔獣ガノン』の一騎打ちで、トワイライトプリンセスから数えて11年、時のオカリナの構想から考えればおよそ20年もの年月をかけてついに実現した最終決戦…ということになります。

すでに自我を持たない憎悪の塊となった魔獣ガノンを光の矢で撃ち抜くシチュエーションはまさにラストバトルにふさわしく、空中で弓を引くとスローモーションになる演出も相まってとどめの瞬間は非常にドラマチックでした。

…ちなみに『馬に乗る』という行為は必須ではないので、馬上から弓で狙うのが難しければ降りて狙いを定めても問題なく、それもブレス オブ ザ ワイルド特有の『自由度の高さ』…なのかもしれません。

馬を面白く落とし込むのは意外と難しいのかも?

というわけで今回は『馬に乗ったリンクとガノンの一騎打ち』は時のオカリナのころから構想があった…という話を紹介してみましたが、調べてみると意外と馬の登場していないタイトルも多く、ゲームに組み込むには思ったより難しい要素だったのかもしれません。

確かに馬に乗っていると広いマップを早く移動できますが、小回りが利かない分戦闘は難しいですし、何か障害物にぶつかるたびに止まっていてはかえってストレスになってしまいます。

どの作品においても気持ちよく移動できるようにハイラル平原から障害物を減らしたり、『風のタクト』ではだだっ広いな大海原が舞台になっていたり…工夫が見られますが、そこに飽きが来ないようゲーム性を加えるのは確かに大変そうです。

しかしリンクといえば馬に乗っているイラストも多く、『ブレス オブ ザ ワイルド』でもリンクが騎乗しているアートワークはamiiboにまでなっているので、エポナが初登場した『時のオカリナ』からそのイメージは大切にされてきたのだと思います。

2023年に発売が予定されている『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド2(仮)』はまだその全容が見えていませんが、また広大な世界を舞台とするのであれば、馬もパートナーとして大きな役割を持つ…のかもしれません。

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