20年以上前はハードルが高かった『クリエイティブなゲーム』の歴史を簡単にまとめてみた

任天堂のゲーム
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どうも、みう太(@arai_miuta)です(ΦωΦ)

2023年も気が付けば早1ヶ月…、年々時間の進みが早く感じている今日この頃ですが、今年はいろいろなタイトルに触れようと買ったきりになっていたゲームを中心に遊んでいます。

最近は『トライブス オブ ミッドガルド』というゲームをよく遊んでいるのですが、ローグライクや建築の要素もあって、かなりじっくり楽しめるのでそちらもいつかレビュー記事を書きたいな…と思っています。

遊び手が遊び方を考えるゲームは難しい?

ゲームといえばかつてはシューティングやアクション、対戦格闘、RPGなどが主流で、決められたシナリオやステージをなぞっていくのが主流でしたが、10数年ほど前からは『マインクラフト』を始めとした『自分で楽しみを見い出す』クリエイティブ要素の強いゲームも高い人気を誇っています。

昔も『RPGツクール』や『デザエモン』など『自分でゲームが作れるゲーム』は大きく取り上げられていましたが、面白そうと思って触ってみたら想像以上に難しく、最後まで作り上げる前に諦めてしまった…という方は少なくないかもしれません。

1999年に掲載されていた『大乱闘スマッシュブラザーズ』のインタビュー記事でも、HAL研究所の社長だった岩田 聡さんは『スマブラは遊び手がどう工夫してどう遊んでくれるかが深さを決定するゲーム』と説明していて、決められた道順に進んでいく従来のゲームとは作りが違いました。

当時の記事はこちら

それが人によっては『遊び方が分からない』という風にもなりかねないので、『遊び手のクリエイティブを要求するようなゲームを作るというのは、けっこう勇気がいる』ともコメントしていて、昔はクリエイト要素のあるゲームはより一層ハードルが高かったようです。

というわけで今回は、いまや一般的に広まったクリエイティブなゲームがどのように変化してきたのか簡単にまとめてみようと思います!

ファミコンでありながらエディットを搭載した任天堂ゲーム

先ほど紹介したインタビュー記事は今から24年も前のものですが、そこから15年さかのぼった1984年にファミコンで発売された『エキサイトバイク』は、当時の家庭用ゲームでは珍しい『デザインモード』が実装されていました。

エキサイトバイクは障害物を避けながら起伏のあるコースを転ばないよう走り抜けるレースゲームで、操作はアクセルとターボ、レーンの移動、バイクの姿勢制御とシンプルながら人気が高く、どれだけジャンプの飛距離を伸ばしながらきれいに着地するかなど…テクニックの奥の深さもあります。

デザインモードでは自分の好きなように障害物や坂道、ジャンプ台などを配置できて自由度が非常に高く、複雑な起伏を連続させてより難易度の高いコースを作ったり、ターボがしやすくなるクールゾーンとスーパージャンプ台を組み合わせて大ジャンプのコースを作ったり…、適当に並べるだけでも十分に楽しめるモードでした。

翌年の1985年に発売された『レッキングクルー』は『インテリジェントシステムズ』が開発したアクションパズルゲームで、主人公がマリオでありながらジャンプも攻撃もできず、ハンマーですべての壁を壊せばステージクリアという独特なシステムが取り入れられています。

壁やハシゴの壊す順番を間違えるとクリア不可の『詰み』状態になることも珍しくないので、『マリオのアクションゲーム』と思って遊ぶとイメージと違うかもしれませんが、全100ステージのボリュームはやり応えがあって私も好きなタイトルです。

そしてこのレッキングクルーにも『デザインモード』があって、こちらも自分で好きなように壁やハシゴ、ドラム缶、敵キャラクターなどを配置してオリジナルのステージを作り出せました

当時はもちろんオンライン機能などもないので、エキサイトバイクもレッキングクルーも作ったコースを自分で楽しむか、友達を招いて遊んでもらうか…くらいしか選択肢がありませんでしたが、周辺機器の『ファミリーベーシック』と『データレコーダー』があれば保存も可能でした。

ファミリーベーシックを実際に使っていた…という方は少なかったかもしれませんが、どちらのデザインモードも簡単操作でありながら自由度が高いため、当時遊んでいた方は多かったと思います。

エキサイトバイクとレッキングクルーはどちらも現在『Nintendo Switch Online』にて配信されているので、気になる方は試しにプレイしてみるのも面白いかもしれません。

『ツクール』などでスーパーファミコンが本格的なゲームツールに

1990年にスーパーファミコンが発売されるとゲームのジャンルも幅広くなり、『牧場物語』や『シムシティ』など自由度の高いシミュレーションゲームは今も高い人気を持っています。

中でも大きな話題になったのが1995年に発売された『RPGツクール SUPER DANTE』で、本作はPC向けに作られたタイトルのコンシューマー移植版でしたが、『本格的なRPGを自分で作れる』という触れ込みが多くの子供の関心を引きました

RPGツクールは現在もシリーズ展開が続いている人気タイトルで、当時からマップ制作、敵キャラクターの配置、パラメータの調整、各種魔法やイベントの設定などなど…非常に要素が多く、しっかりと作り込めば本格的なRPGに仕上げることも夢ではありません。

一方で簡単にRPGが作れるとはいえ、完成させるには数えきれないほどの数値の設定が必要であり、挫折して作りかけのまま放置してしまった…という子供もかなり多かったようです。

1994年には全部で6ステージのシューティングゲームを作れる『デザエモン』が発売されていて、自機や敵機のドット絵、出現パターン、BGMを設定するだけで本格的なオリジナルシューティングゲームを楽しめました。

しかしこちらもゲームとしての基盤は用意されていても、グラフィックのドット絵などを自分で打ち込む必要があり、完全オリジナルなものを作り出すには非常にハードルが高かったのですが…、サンプルの素材を組み合わせるだけでも十分クリエイトの面白さは味わえたのではないかと思います。

他にも専用マウスをつないでキャンパスに絵を描ける『マリオペイント』など様々なクリエイティブ系のゲームが発売されていて、当時『ゲーム作り』に漠然とした憧れを持っている子供も多かったですが、『モノを作り上げること』は想像以上に大変だと学んだ方も同じくらい多かったかもしれません。

モノづくりに必要なのは技術より根気…なんて意見もありますが、当時『スーパーマリオ』や『ファイナルファンタジー』など他にも数えきれないほど魅力的なゲームがあった中で、RPGツクールを作り続けた人は相当クリエイティブな気質があった…といえるかもしれません。

自分で『遊び方』を見つけるようになった3Dゲーム

『PlayStation』や『NINTENDO64』などが発売されるとゲームも3Dが主流になり、長編RPGなど『1人でじっくり遊べるタイトル』が大きな人気を集めました。

2Dのゲームと比べて『ユーザーが何かを作る』要素は入れにくかったのか、3Dのゲームをクリエイトするようなゲームはあまり見られませんでしたが、ここでインタビューで答えていたように『遊び方をクリエイト』するゲームが広まり始めます

『大乱闘スマッシュブラザーズ』はこれまでの対戦格闘ゲームとは違い、4人が同じフィールドで吹っ飛ばし合う『乱闘系』パーティゲームでしたが、どのようなルールで遊ぶかはプレイヤーに委ねられていました。

もちろん『ストック制』『タイム制』など大まかなルールの枠組みはありますが、制限時間をどれだけ増やすか、チームやハンデの設定をするか、出現するアイテムを変更するか…人によってそれぞれ違ったレギュレーションを考えて遊ぶのも1つの楽しみ方でした。

インタビュー記事では岩田社長が雑誌編集者の人にどのような遊び方をしているか尋ねたとき、相手のキャラクターの悪口を言いながら戦う『罵倒プレイ』の話が出てきて、『遊び手のほうで遊びを足している』ことが作り手冥利に尽きるとコメントしています。

一方で『RPGツクール』や『マリオペイント』ほどしっかりしたクリエイト系のゲームではないとはいえ、自分で面白さを発見するようなクリエイティブを要求するゲームは理解されないこともあり、それについて作り手が日々考えていることを伝えていくために『スマブラ拳!!』の開設にも至ったそうです。

スマブラ拳!!⇒開発者が運営する当時のスマブラ解説ホームページ

実際『ポケモンスタジアム』や『カスタムロボ』などはユーザー側がルールやレギュレーションを考えて遊ぶことも多かったので、『遊び手が遊び方を足す』という意味ではここから浸透し始めていたのかもしれません。

そして2001年には『どうぶつの森』の1作目が発売され、本作は部屋に家具を配置したり村に木を植えたり…何をするにも自由で、NINTENDO64市場の末期に発売されたのもあって初回生産本数はわずかなものでしたが、10~20代の女性を中心に想定を上回る反響を呼び、急遽増産にまでなりました。

わずか8ヶ月後にゲームキューブにて続編『どうぶつの森+』が発売され、そちらは国内100万本近くを売り上げるヒット作となり、より『クリエイティブな遊び』に触れたユーザーは増えたのではないかと思います。

『マインクラフト』の登場とオンラインゲームの流行

現代でクリエイティブ系のゲームが身近になった最大の理由といえば、2009年にパブリックアルファ版がリリースされた『Minecraft(マインクラフト)』の存在は外せません。

2023年現在において『世界でもっとも売れたゲーム』であり、もはや説明の必要もありませんが…、3Dの様々なブロックを組み合わせて建築などを楽しめる『サンドボックス』というジャンルを広く知らしめました。

もともと海外で開発されたPCゲームなので、当初は日本で遊ぶ人も限られていましたが…『ニコニコ動画』を中心に多くのゲーム実況者が動画を投稿し、『マインクラフトで○○つくってみた』などからクリエイティブなゲームに興味を持った人は非常に多かったと思います。

また、2000年後半からはインターネットを利用したオンラインプレイが普及し、マインクラフトを始めとしたクリエイトが『自分だけのもの』から『みんなに共有するもの』に変化したことで、より一層『モノづくり』の人気を高めました。

かつての『マリオペイント』や『RPGツクール』は自分で作ることに楽しみを見い出すゲームでしたが、『大合奏!バンドブラザーズDX』『メイドイン俺』『スーパーマリオメーカー』などなど…他のユーザーの作ったものをダウンロードして遊べるのが一般的になり、作る側も遊ぶ側も双方で楽しめるように移り変わっています。

2020年3月に発売された『あつまれ どうぶつの森』はこれまでと違い『無人島』を舞台にし、『何もないから、なんでもできる』のキャッチコピーの通り、自分の部屋や島の景観だけでなく、川や崖の地形そのものまで自由に作り替えられるようになりました。

もちろん島全体を理想の形に作り上げるのは簡単ではありませんが、どうぶつの森が『毎日少しずつ遊ぶ』コンセプトなのも相まって、のんびりと気ままに遊べる手軽さから1,000万本以上を売り上げる大ヒットを記録しています。

20年以上前のスマブラでは『ルールを遊び手に作ってもらう』だけでもかなりハードルが高いと考えられていましたが、子供から大人まで自由気ままに島を作り上げる『あつまれ どうぶつの森』がここまで売れたのは、ゲームのクリエイティブがそれだけユーザーにとって身近になったのかもしれません。

今やクリエイティブも欠かせない楽しみ

というわけで今回は『クリエイティブ要素の移り変わり』を簡単にまとめてみましたが、昔は開発者もユーザーに求めるには勇気がいる…とコメントしていたのに対し、今となってはクリエイトの要素がないゲームの方が珍しいくらいかもしれません。

RPGでも自分のキャラメイクから始まったり、格闘ゲームはルールや必殺技の組み合わせを変えられたり、自分のアイコンやプロフィール画像を自由に編集できたり…少なからず『何かを作る』のは身近になっています。

スマブラを開発した当時の岩田社長は『遊び手が自分で遊び方を足しているのが嬉しい』とインタビューで語っていましたが、ゲーム実況動画やフレンドとのボイスチャットなどが広まり、どのようなゲームでも独自の遊び方が日々されるようになりました。

『RPGツクール』などは専門的な用語もあり初心者が触るには少し難しいですが、『スーパーマリオメーカー』や『マインクラフト』のように誰でも遊びやすい形でクリエイティブ要素が含まれたゲームはこれからも増えていくのだと思います。

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