ポケモンユナイトから感じた『ゲームのカジュアルとガチ』の境界線の難しさ

ゲームレビュー
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どうも、みう太(@arai_miuta)です(ΦωΦ)

2021年7月21日に配信された『ポケモンユナイト』もすでに1ヶ月以上が経過し、アップデートで『カメックス』『サーナイト』『ハピナス』など新しいポケモンが続々と参戦しています。

配信当初は一部のポケモンの技が強すぎたり、逆にステータスが低くて活躍しにくかったりなどのバラツキがありましたが、バランス調整のアップデートも継続にされているので、最近ではどのポケモンも活躍の機会があってより面白くなってきていると思います。

ユナイトは誰でも遊べるカジュアルなゲーム…?

そんなポケモンユナイトは現在、Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)にて基本無料で配信されているうえに、2021年9月22日にはスマートフォン版も配信が予定されているので、そのプレイに対する敷居の低さはかなりのものです。

ポケモンを使うにはライセンスが必要になるのですが、一部のポケモンはミッションやイベントをクリアすることでライセンスがもらえますし、貯まったエオスコインを使ってショップで引き換えることもできます。

無課金でも十分以上に楽しめるポケモンユナイトですが、1ヶ月以上続けてきて感じたのはゲームの入り口のカジュアルさに対して中身はなかなか本格的であり、その差が思ったより大きいように思いました。

今回はそんなポケモンユナイトをベースに、ゲームの『カジュアル』と『ガチ』の境界線について思ったことを書いてみようと思います。

女性や子供にも魅力的なポケモンのビジュアル

ポケモンユナイトと他のポケモンシリーズとで違うのが、本作は主人公やトレーナーを動かすのではなく、ポケモンそのものを動かして戦う…という部分になります。

ポケモンを操作できるゲームは意外と少なく、これまでであれば『ポッ拳』や『ポケモン不思議のダンジョン』などが思い浮かびますが、それらタイトルよりもよりカジュアルで手に取りやすいイメージがポケモンユナイトにはあると思います。

何より本作の目玉が『ホロウェア』で、これはホログラムを利用することでポケモンもオシャレができる…という仕組みなのですが、海賊のような姿をした『せんちょうエースバーン』や、可愛らしいアクセサリーを付けた『おめかしサーナイト』などなど…、いずれもかなり魅力的なビジュアルをしています。

これまでもトレーナーのオシャレ要素はゲーム内に取り入れられてきましたが、ポケモンに着せ替えができるのは他のシリーズでもなかなかなく、『このオシャレなポケモンを使ってみたい!』という気持ちで始めた方もいるかもしれません。

ぜひこの要素はポケモン本編でもいつか取り入れて欲しいのですが、公式サイトによるとこれはエオスエナジーを使ったエオス島独自の技術らしく、今後ほかのタイトルで採用されるかはまだ分からないようです。

また、トレーナーのファッションもかなり幅広く用意されていて、中でも参戦しているポケモンになりきれる『カビゴンセット』や『ピカチュウセット』などは高い人気があります。

特に相棒のポケモンとおそろいのコーディネイトができるのはこれまでにない楽しみ方で、この部分に強く惹かれてポケモンユナイトに期待していた方も多かったと思います。


ゲームの中身は戦略性の高い『MOBA』

そんな無料で遊べて、トレーナーもポケモンも様々なファッションが楽しめるポケモンユナイトですが、ゲームの中身は『MOBA』と呼ばれる戦略性の高いものになっています。

MOBAとは『マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ』の略語で、本作では3~5人のチームを組んで相手のゴールにポイントを入れあい、最終的にスコアの高かった方が勝利となります。

チームを組んで戦うという意味であれば『スプラトゥーン』や『フォートナイト』なども当てはまりますが、それらタイトルと違うのは本作はストラテジー(戦略)の比重がとても大きく、個人の立ち回りだけではどうにもならないことが多いです。

操作にアクション性がそこまでないので、これまでアクションゲームを遊んでこなかった…という方にも複雑な操作は必要なく、それがより初心者にも手を出しやすい要因になっています。

その一方でポケモンユナイトはチームの団結力が勝敗に大きく関わってくるので、その時その場面の状況判断や、どれだけセオリー通りの試合運びができるかが重要です。

しかしゲーム内のチュートリアルは基本的な操作方法や、フィールドの『ロトム』や『カジリガメ』を倒した時の効果を教えてくれる程度であり、そのセオリーは自分で遊びながら覚えるか、もしくはあらかじめ調べなければなりません。

最近では『ロトムよりカジリガメを優先する』『左下のゴールは最優先で守る』『勝っているときは無理にサンダーに手を出さない』などが主流になっていますが、始めたばかりの人にとってはもちろん知る由もないことです。

それでありながらこれができているかどうかで勝敗に大きく関わってくるうえ、フレンド同士で通話でもしていない限り意思疎通が図れないことから、自分の思い通りの展開にできなくて勝利につながらない…ということも珍しくないと思います。

スプラトゥーンなどは遊び続けるうちに上達したという実感が湧きやすいですが、戦略性の高いポケモンユナイトは技術より知識や経験の面が大きいので、勝ちを狙うのであれば思ったより本格的にやらなければならないかもしれません。


欲しいのはファッションか『もちもの強化キット』か

本作のショップで使えるのはエオスコインのほかにも『エオスチケット』というものがあり、こちらも日々のミッションやバトルをこなすことで少しずつ貯まっていきます。

エオスチケットの使い道は様々で、先ほど紹介したトレーナーのコスチュームなどもエオスチケットで引き換えられます。

しかしコスチュームを手に入れるにはかなりの数のエオスチケットが必要で、中でも『ウッウセット』が欲しければ1日50~100枚程度しか手に入らないチケットを15000枚以上集めなければなりません。

もちろん毎日少しずつコツコツを貯めればいつかは引き換えられるのですが…、このエオスチケットは10枚で『もちもの強化キット』1つとも交換可能で、勝ちを目指すのであればこれが非常に大きな役割を担っています。

本作ではポケモンに最大3つまで『もちもの』を持たせられるのですが、もちものにはレベルが設定されていて、強化キットを使うことでレベルを引き上げられます。

もちもののレベルは上げれば上げるだけ装備させたポケモンのステータスが上がるだけでなく、レベル10、レベル20になるともちものの効果自体も強化されます。

例えばレベル1の『ちからのハチマキ』は通常攻撃が相手の残りHPの1%分増加しますが、レベル20の『ちからのハチマキ』であれば相手の残りHPの3%分もの増加になります。

もちもののレベルを20まで上げることは試合において大きな効果を発揮しますが、それには相当な数の『もちもの強化キット』が必要であり、日々のミッションだけでは簡単には集まりません。

そんなときにエオスチケットを使って強化キットを手に入れるのですが…、ここでチケットを使ってしまうとファッションに使う余裕はほとんどなく、『ファッションを楽しみたい』と思って始めたのに勝つためには強化キットが必要になった…という方は意外と少なくないと思います。


スタンダードとランクマッチの住み分けはされている

ポケモンの本編では技の追加効果やとくせいの発動、急所に当たるかどうかなどのランダム要素がありますが、ポケモンユナイトはフィールドも出現する野生のポケモンもほぼ固定されていて、ランダム性がほとんど排除されています

そのためやり込めばやり込むほど『運が良くて勝てた』というケースは減ってきて、ストラテジーゲームらしく作戦がうまくいったチームの方が勝てる確率は上がってきます。

しかしその戦略性もアップデートや日々の環境で変化するもので、例えば1ヶ月前は中央エリアにゼラオラやルカリオなど序盤から強力なポケモンが向かうことが多かったですが、最近ではケロマツなど進化を控えたポケモンが向かうことも増えています。

そういった情報は常日頃からアンテナを伸ばしていなければなかなか目に付かず、カジュアルな気持ちで遊んでいるユーザーにとっては知らないことも多いかもしれません。

とはいえすべてのカジュアル層とガチ層が混同しているわけではなく、ゲーム内にも好きなポケモンで自由に戦える『スタンダードマッチ』と、勝ちを重ねることでランクを上げられる『ランクマッチ』が用意されているので、少なくともランクマッチの方が勝ちを狙っている人は多いはずです。

一方でスタンダードマッチも決して適当に遊んでいい…というものではありませんが、ショップで購入した新しいライセンスのポケモンを試してみたり、新しい立ち回り方に挑戦している方も少なくないので、ランクマッチより楽な気持ちで遊べます。

ただ、ランクマッチをしている人も勝ちたいとは思いながら、トレーナーのファッションにまったく興味がない…とは限らず、やはりチケットの使い道をどうするかは人によって差があるかもしれません。

さらにランクマッチにはシーズン終了時にランクに応じて報酬があるのですが、これが大量のエオスチケットになっています。

ランクマッチをほとんど遊ばず、ビギナーランクのままであれば報酬はエオスチケット2000枚ですが、もしマスターランクでシーズンを終えれば20000枚ものエオスチケットが受け取れて、コスチュームが欲しいと思うのであればやはりランクマッチをやり込むのが近道ではあります。

試合運びはあくまで立ち回りが重要ですが、『コスチュームが欲しくてポケモンユナイトを始めた』『コスチュームを引き換えるにはエオスチケットが必要』『チケットを集めるならランクマッチで勝つ方が良い』となると、カジュアルな気持ちで始めたのにランクマッチでの勝ち方を覚えなければならない…というアンバランスさがありそうです。

もちろんポケモンユナイトはゲーム内課金ができるので、課金でジェムを購入してコスチュームやホロウェアと引き換えるのも選択肢としてありますが、せっかく衣装を買ってもバトルで使わなければほとんど意味はなく…、あくまで本作はMOBAであり『ポケモンを愛でる』とは根本が違うのかもしれません。


ポケモンという間口の広さとMOBAの難しさ

平たくいうと『ポケモンが可愛いから始めた』というユーザーが多いのに対して、MOBAというジャンルがゲームというより競技性が強く、ゲームの入り口の広さと中身の複雑さの幅が大きかったのではないか…というのを書きたかったのですが、最終的にあまりまとまりのない話になってしまいました。

決してポケモンとMOBAの相性が悪かったり、MOBAというゲームそのものが難しすぎるというわけではないのですが、自分の好きなポケモンとおそろいのコーディネイトができる!と思っていたら想像以上にガチガチな内容だった…というのは正直私が感じたところです。

とはいえ私も現在ランクマッチはエキスパートになるまで遊んでいて、さすがにカジリガメとサンダーに比重が大きすぎる気はしますが…、それでも『初めてのMOBA』として十分に楽しめています。

今後もどんどんとポケモンが追加されるのであれば、『自分の好きなポケモンが出たから始めてみたい』という方も増えると思いますし、新しいコスチュームやホロウェアもどのように追加されるのか今から気になるところです。

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