どうも、みう太(@arai_miuta)です(ΦωΦ)
2023年5月26日から『Nintendo Switch Online + 追加パック』では『スーパーマリオアドバンス』が一気に3作品追加され、今まさに遊んでいる方も多いのではないかと思います。
この3作品はいずれもファミコンやスーパーファミコンで発売されたタイトルのリメイクで、私も元となる作品は触れたことがあるのですが、こちらのアドバンス版は当時遊べていなかったので少しずつ進めていきたいな、と思う今日この頃です。
USAの元になった『夢工場ドキドキパニック』
そんな配信開始となった『スーパーマリオアドバンス1』は1992年に発売された『スーパーマリオUSA』のリメイク作で、従来の『スーパーマリオ』とは違い敵を踏みつけるのではなく、野菜などをぶつけて倒す異色のアクションゲームでした。
実は本作はもともと『夢工場ドキドキパニック』というタイトルで開発されたまったく別のもので、海外に輸出する際にキャラクターをマリオに差し替え、その後『スーパーマリオUSA』として日本に逆輸入された、特殊な経緯があります。
そのため敵キャラクターもこれまでのマリオシリーズとは違い、ラスボスが『クッパ』ではなくカエルのような怪物『マムー』だったり、今やおなじみとなった『ヘイホー』や『キャサリン』が初登場したり、のちの作品にも大きな影響を及ぼしています。
『スーパーマリオUSA』と『夢工場ドキドキパニック』は基本的にキャラ変え移植で、おおよそは同じ内容なのですが、比べてみると細かなところでマリオに合わせた変化もあったようです。
マリオたちとは違った主人公『イマジンファミリー』
まずキャラクターが差し替えられているとなればもちろん主人公も違い、『スーパーマリオUSA』では『マリオ』『ルイージ』『キノピオ』『ピーチ』の4人がプレイアブルキャラクターでしたが、『夢工場ドキドキパニック』では『イマジンファミリー』の4人が操作キャラクターになっています。
操作できるイマジンファミリーは長男の『イマジン』、ガールフレンドの『リーナ』、そして『パパ』『ママ』の4人で、それぞれ違った個性を持っていました。
例えばイマジンはスタンダードで扱いやすい性能をしているのに対して、ママはジャンプがゆっくりで横方向に大きく移動できたり、パパはその力強さで誰より野菜を引っこ抜くのが早かったり…、キャラクターによってゲームの攻略法も大きく変わってきます。
中でもリーナはジャンプした後に空中をしばらく飛行できる能力を持っていて、今やおなじみになっているピーチの空中浮遊は、元をたどればこのリーナのジャンプがオリジナル…ということになります。
彼らイマジンファミリーは1987年にフジサンケイグループの開催したイベント、『コミュニケーションカーニバル 夢工場’87』のイメージキャラクターで、『夢工場ドキドキパニック』もそのタイアップの一環として制作されたゲームです。
そのため本作はフジテレビから発売されていて、キャラクターの権利もフジサンケイグループが持っているため、今後このままリメイクや移植される可能性はほぼ0であり、ある意味かなり貴重なゲーム…といえるかもしれません。
システム面においては、『スーパーマリオUSA』はどのステージでも好きなキャラクターが選択できますが、『夢工場ドキドキパニック』では4人が別々に冒険しているので、つまり各キャラクターで4周分プレイしなければ真のエンディングにたどり着けない作りになっています。
全20ステージを4周…と考えるとかなりハードルが高く感じる一方、当時には珍しくセーブ機能が用意されておりコンテニューの制限もなかったため、遊びやすく配慮がされていました。
しかし『スーパーマリオUSA』のようにステージに合わせてキャラクターを切り替えることができないので、全体的な難易度はやや高く、そのボリュームと合わせてやり応えは十分なものがあったようです。
微妙に異なる世界観の夢の国『夢宇界』と『サブコン』
主要キャラクターの多くが差し替えられている一方で敵キャラクターは両作品ともほとんど変わっておらず、ラスボスもカエルの怪物『マムー』で共通しています。
しかし舞台となる世界やそのストーリーは細部が違っていて、どちらも『夢の国』ではあるのですが、『夢工場ドキドキパニック』は『夢宇界(ムウかい)』が舞台なのに対し、『スーパーマリオUSA』では『サブコン』という世界が舞台になっています。
『夢工場ドキドキパニック』の夢宇界には『ドリームマシーン』という良い夢を生み出す装置があり、ムウと呼ばれる住民たちも平和に暮らしていましたが、ある日マムーが装置にイタズラをしてモンスターを生み出す機械に作り変えてしまいました。
ムウたちは生み出されたモンスターに驚き戸惑いますが、マムーが大の苦手としていた野菜を用いて追い払った…とされていて、その様子が描かれた絵本をイマジン家のペット『ルーサ』はどこからか拾ってきます。
イマジン家の末っ子で双子の『ピキ』と『ポキ』はその絵本を2人で読んでいましたが、いつしか取り合いになり、誤ってマムーを退治した最後のページを破り取ってしまいました。
すると絵本からマムーの手が伸びてきて、ピキとポキを夢宇界に連れ去ってしまい、それに気づいたイマジンたちは後を追うように絵本の世界へ飛び込む…というのが物語のあらすじです。
対して『スーパーマリオUSA』ではマリオたちはある日夢の中で『私たちはマムーに苦しめられています』という助けの声を聞き、不思議に思いながらもピクニックに出かけると見覚えのない扉を見つけ、恐る恐る扉を開くとそこには夢で見た世界とまったく同じ風景が広がっていました。
夢の国サブコンの人々を救うため、マリオたちは夢の導きの通りマムーを倒しに向かう…という話の流れで、マリオの世界観に合わせて物語の導入も大幅に変更されています。
『夢工場ドキドキパニック』ではマムーも『魔夢』と表記されることがありましたが、こちらはそのようなこともなく、見た目は同じでありながら細かな設定は違っているようです。
登場するアイテムもマリオの世界に合わせたものに
キャラクターの見た目や設定は様々な変更点がありながら、肝心のゲーム部分についてはほとんど同じで、『スーパーマリオUSA』はシステム的な遊びやすさが向上した『夢工場ドキドキパニック』のパワーアップ版という印象です。
しかしゲーム性は同じでも一部のアイテムはマリオの世界に合わせて差し替えられていて、例えば『夢工場ドキドキパニック』の1UPアイテムはイマジンファミリーの顔ですが、『スーパーマリオUSA』では分かりやすく1UPキノコになっています。
他にも地面を滑るように飛んでいく謎のアイテム『ビッグフェイス』が『カメのコウラ』に、裏面に行ける『魔法のランプ』が『不思議な薬』に…など、意外にも見た目が変更されたアイテムは少なくありません。
ステージ各地に置かれた『マスク』は何度でも投げることができて、主にボス戦の攻撃手段として用いられますが、これは『コミュニケーションカーニバル 夢工場’87』でも登場したアイテムで、ゲームとリアルをつなぐ象徴的な物でした。
…が、マスクのデザインは仮面舞踏会で使われるヴェネチアンマスクのようにやや不気味でゲームの雰囲気とは少し異なり、『スーパーマリオUSA』では『キノコブロック』という無難なものに差し変わっています。
一方で、一部のアイテムは最初から『スーパーマリオ』を彷彿とさせるものがあり、例えばチェリーを5つ手に入れると出てくる『スター』はマリオでもおなじみの無敵アイテムです。
さすがにBGMは『夢工場ドキドキパニック』オリジナルのものが使われていますが、その見た目や光り方はマリオのスーパースターとほぼ変わりなく、中には『最初からマリオに差し替えて移植するつもりだったのでは…?』と勘繰る人もいるようでした。
ちなみ『スーパーマリオUSA』をリメイクした『スーパーマリオアドバンス』では更なる新規アイテムが追加されていて、通常の3~4倍はあるような『巨大野菜』などは特に大きなインパクトを持っています。
また、野菜のように引っこ抜くとライフを回復できる『ハート大根』も配置されるようになり、オリジナルと比べるとかなり遊びやすく調整されています。
ヘイホーやキャサリンが生まれた記念すべき作品
というわけで今回は『夢工場ドキドキパニック』と『スーパーマリオUSA』の違いについて簡単に紹介してみましたが、ゲーム性は同じでありながら、いざ比べてみると細かなところで差別化が図られていたようです。
他の『スーパーマリオ』作品と比べると大きくシステムが異なり、当時はその異質さが目立ちましたが、今やおなじみとなった『キャサリン』『ヘイホー』『ハックン』『サンボ』の初登場作品でもあり、シリーズを語るうえで欠かせない作品にまでなっています。
とはいえさすがにファミコンのディスクシステムで発売されていた『夢工場ドキドキパニック』を実際に遊んだことはなく、移植やリメイクも難しいとなれば、今後もなかなか簡単には触れられないのかもしれません。
しかしNintendo Switch Onlineで遊べる『スーパーマリオアドバンス』はより遊びやすく、様々なやり込み要素も追加されているので、時間を見てゆっくり進めていきたいと思う今日この頃です。
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