どうもみう太(@arai_miuta)です(ΦωΦ)
2019年9月5日にニンテンドーダイレクトが配信され、今後発売が予定されているNintendo Switch(ニンテンドースイッチ)向けの新作タイトルが発表されましたが、『幻影異聞録 ♯FE』や『moon』の移植、『ファミコン探偵俱楽部』や『もじぴったん』の復活など…、期待を上回るラインナップで楽しみが一気に増えました。
個人的にはSteamでずっと気になっていた『Return of the Obra Dinn』のニンテンドースイッチ版が発表されて、ぜひ発売日に購入したいと思っています。
そして、ニンテンドーダイレクトの終盤には『桃太郎電鉄 昭和、平成、令和も定番!』が発表され、こちらも過去にはコナミとひと悶着がありながら、新作もしっかりと開発されている事に安心した方も多いのではないでしょうか?
新しいデザインに切り替わったゲーム
そんなニンテンドースイッチ版『桃太郎電鉄』は、ゲームの根本的なシステムや遊び方は変わりませんが、1点『キャラクターデザイン』に関してだけは大幅に変更されました。
『桃太郎電鉄』についてはまた後で詳しく書きますが、歴史のあるゲームはシリーズを重ねるごとに少しずつデザインも変わっていく一方で、ある作品をきっかけにガラリと雰囲気が変わった…というゲームも探してみるといくつかあるようです。
これまでの見慣れていたデザインから大きくイメージチェンジするので、どうしても賛否の分かれやすい部分ではありますが…、今回はそんな『キャラクターデザインが大幅に変わったゲーム』を紹介してみようと思います!
ひと悶着からのリニューアル『桃太郎電鉄』
という訳で、まずはニンテンドースイッチで発売が決定した『桃太郎電鉄』ですが、このシリーズは非常に歴史が長く、1作目は1988年にハドソンからファミコン用ソフトとして発売されました。
初代桃太郎電鉄のみルールが少し違いますが、その続編となる『スーパー桃太郎電鉄』からゲームの根本的なシステムは変わっておらず、最初に目的地の駅をルーレットで決めたら、サイコロを振ってコマを進め、途中のマスで所持金を増やしたりカードを手に入れたり、余裕があれば資産となる物件を購入したり…、できるだけ総資産を増やしていくのが目的になります。
このゲームは2人~4人で競うタイプのゲームなので、友達と遊ぶとより楽しめます。
そんな『桃太郎電鉄』は、シリーズのキャラクターデザインはかねてより土居 孝幸さんが担当していましたが、2017年に3DSで発売された『桃太郎電鉄2017 立ち上がれ日本!!』から他のイラストレーターの方も多数参加するようになり、そして2020年に発売が予定されている『桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~』では、竹浪 秀行さんが一手にキャラクターデザインを担うようになったため、ゲーム全体の雰囲気も大幅に変わりました。
これまでリメイクされた事のない『桃太郎』や『貧乏神』もデザインが刷新され、その変貌ぶりに戸惑うファンも少なくありませんが、ポップで可愛らしい絵柄は新しいユーザーを取り込むきっかけにもなるかもしれません。
この辺りのデザイナーの変更には色々と事情があるのですが、土居さんが単独で開発した同ジャンルのゲーム『ビリオンロード』と差別化を図り、今後も10年、20年とシリーズを続けていくために今回のリニューアルに踏み切ったそうです。
メーカーと共に生まれ変わった『ぷよぷよ』
新しく『桃太郎電鉄』のデザインを担当する竹浪 秀行さんですが、竹浪さんのキャラクターデザインが有名なゲームとして、セガの『ぷよぷよ』が挙げられます。
今でこそ『ぷよぷよ』のキュートなデザインは広く知られていますが、もともとはセガではなく『コンパイル』が1991年に発売したゲームであり、ゲームの世界観も雰囲気も今とはかなり違うものでした。
コンパイル時代の『ぷよぷよ』は氷樹 むうさんがキャラクターデザインを担当しており、鮮やかで綺麗なグラデーションが特徴的な、よりファンタジーらしい雰囲気にまとまっています。
1990年代初頭は『テトリス』を始めとした空前のパズルゲームブームで、中でも『ぷよぷよ』はひたすらブロック(ぷよ)を消し続けるだけでなく、コンピューターや友達と対戦できる事から、かなり幅広い層のユーザーが楽しんでいたそうです。
そんな一大ムーブメントを築いた『ぷよぷよ』ですが、1998年には開発会社であるコンパイルが経営破綻に追い込まれ、経営を立て直すために『ぷよぷよ』の権利をセガに売却する事になりました。
コンパイルの代表を務めていた仁井谷さんは、資金を回収したら『ぷよぷよ』の権利を買い戻すつもりだったのですが、残念ながら経営再建は上手くいかず、そのままセガが『ぷよぷよ』の権利を有したまま現在に至ります。
セガが権利を保有した後、2003年に『ぷよぷよフィーバー』がアーケードで稼働を開始し、ここから今の馴染み深いキャラクターデザインにリニューアルされました。
当時は主人公に『アミティ』、ライバルに『ラフィーナ』や『クルーク』など、登場人物もすべて一新されましたが、現在は『アルル』や『サタン』などコンパイル時代のキャラクターも数多く登場しており、新しいデザインも広く受け入れられています。
スマブラから華麗な転身『パルテナの鏡』
任天堂といえば『スーパーマリオ』や『星のカービィ』が代表的なタイトルですが、ファミコンやスーパーファミコンで発売されてから、しばらく音沙汰のなかったシリーズも実は少なくありません。
近年では『大乱闘スマッシュブラザーズ』の影響で知名度が高まっていますが、『アイスクライマー』や『ダックハント』、『謎の村雨城』などは30年以上に渡って新作が発表されておらず、元のゲームに触れた事のない人も多いかもしれません。
『光神話 パルテナの鏡』も新作の開発が長らくなかったタイトルで、1986年にディスクシステムで発売された当時は一定の人気を持っていましたが、その後2004年にGBAに移植されるまで、『パルテナの鏡』に触れる機会もほとんどなかったと思います。
ファミコン時代に作られたキャラクターなので、主人公の『ピット』のデザインも非常にシンプルであり、素朴な顔の天使が弓を持っているだけ…ような、言ってしまえばあまり特徴のない姿をしていました。
そんなピットに転機が訪れたのが、2008年にWiiで発売された『大乱闘スマッシュブラザーズ X』であり、本作のプレイアブルキャラクターとしてピットが抜擢、もし『ゼルダの伝説のようにシリーズを重ねていたら』というコンセプトの基、ビジュアルや衣装が大幅に変更され、ファミコン時代を知っている人からすれば『誰だお前!』と言うほど美少年になっています。
その後、2013年には3DSで『新・光神話 パルテナの鏡』が発売されましたが、そちらも『大乱闘スマッシュブラザーズ X』のピットのデザインが引き継がれており、新しいゲームシステムも含めて、17年ぶりの続編で大きなイメージチェンジに成功しています。
ポップなデザインでもなめんなよ『くにおくん』
『ギルティギア』や『ブレイブルー』などの格闘ゲームで有名なアークシステムワークスですが、それとは別に古くから続くタイトルで『くにおくん』というシリーズも現在リリースされています。
『くにおくん』は1986年にテクノスジャパンが開発したアーケードゲームで、横方向に長いマップで敵をひたすら倒しながら進んでいく、『ベルトスクロールアクションゲーム』というジャンルの開祖ともいえる人気の高いタイトルです。
主人公はそのタイトルの通り『くにお』で、熱血高校の不良でありながら弱い者いじめや理不尽な暴力を嫌っており、パンチやキックによるケンカアクションだけでなく、落ちている武器やタイヤなどを利用して戦ったり、その豊富なアクションからも人気を博しました。
『くにおくん』も初代は等身が高く、オールバックで白ランというまさに不良を絵に描いたようなビジュアルをしていましたが、その後キャラクターはデフォルメされて等身も低くなり、かなり親しみやすいデザインに変更されました。
そんな歴史の長い『くにおくん』シリーズですが、2019年9月5日にスピンオフ作品『熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ』が発売され、こちらは『くにおくん』に登場する女性キャラクター『ミサコ』と『キョウコ』が主人公になっており、またサブキャラクターとして『くにお』も登場しています。
テクノスジャパンが1996年に倒産してからはアトラスやアークシステムワークスがシリーズを継続しましたが、基本的には過去作の移植やリメイクがほとんどであり、完全新作は長らく開発されていませんでした。
しかしこの『リバーシティガールズ』は、『シャンティ』シリーズで知られる『WayForward』が開発を担当しており、キャラクターデザインもポップで可愛らしいものに全面的に変更されています。
これまでの『くにおくん』シリーズではキャラクターの一枚絵はほとんどなく、ゲーム内のドットでしかビジュアルを確認できなかったので、キャラクター全身のイラストが見られるのもかなり貴重だと思います。
このタイトルはあくまで外伝なので、本家『くにおくん』が今後どのように進化していくのかは分かりませんが、リバーシティガールズの評価によってはこのテイストの作品も増えてくるかもしれません。
新しいイメージが定着しなかった『がんばれゴエモン』
『ぷよぷよ』や『パルテナの鏡』はすでに新しいイメージが定着し、『桃太郎電鉄』や『くにおくん』はこれから新しいイメージが評価されていくところですが、大幅にキャラクターデザインが変わった事で、ユーザーが困惑してしまった例も少なくありません。
例えばコナミが開発したアクションゲーム『がんばれゴエモン』は、1986年にファミコンとMSXで1作目が発売され、難易度はやや高かったですが、広いダンジョンや探索の要素なども散りばめられており、当時としてもなかなか高い評価を得ていたようです。
そしてスーパーファミコンで発売された『ゆき姫救出絵巻』や『奇天烈将軍マッギネス』は特にアクションゲームとして人気が高く、その後も2000年頃までゲームボーイ、プレイステーション、ニンテンドー64など、様々なプラットフォームで新作を展開しました。
そして2001年、プレイステーションにて『ゴエモン 新世代襲名!』が発売されましたが、このタイトルはこれまでのシリーズよりも後の時代を描いており、それに合わせてキャラクターデザインも一新されました。
登場する人物の名前は『ゴエモン』や『エビス』など過去作と同じですが、時代が違うので実は同姓同名の別人であり、人が違うのだからデザインが違うのは当然と言えば当然…かもしれません。
新しい世界観の開拓を目指した意欲作ではありましたが、これまでとは大きくイメージの違うスタイリッシュなビジュアルがファンには受け入れにくく、結果的に2005年に発売されたDSソフト『がんばれゴエモン 東海道中 大江戸天狗り返しの巻』では元のデザインに戻り、結局新しいイメージが定着する事はありませんでした。
イメージとしては『ロックマン』から『ロックマンX』に派生したのと似ている気もしますが、当時の『がんばれゴエモン』はプレイステーションで発売された作品が不評で、作り込まれた新作を望んでいたところに急に新しいデザインを持ち込まれた…、というのも反発を招いた理由かもしれません。
キャラクターの存在が賛否を呼んだ『かまいたちの夜』
最後に紹介するゲームが、スパイク・チュンソフトの開発するサウンドノベルゲーム『かまいたちの夜』なのですが、こちらはキャラクターデザインが『変わった』というより、キャラクターデザインそのものが追加された事で賛否が分かれた珍しいタイトルです。
『かまいたちの夜』は1994年にスーパーファミコンで発売され、当時はアクションやシューティング、格闘ゲームといった画面のキャラクターを動かすゲームが人気だった中、ひたすら文字を読んで選択肢で話を進めるノベルゲームは貴重な存在でした。
ホラーとミステリーの融合したストーリーは非常に評価が高く、またその雰囲気をより強くしているのが、すべての登場人物が『シルエットで描かれている』という事です。
その為、人物がどのような感情で会話しているのか、何を思って行動しているのかをすべてテキストから読み解く必要があり、これが何とも言えない怖さや不気味さを引き立てています。
その後も様々なプラットフォームで『かまいたちの夜』はリリースされましたが、2017年2月にPS Vitaで『かまいたちの夜 輪廻彩声』が発売され、このタイトルで初めてキャラクターがシルエットではなくイラストになりました。
これにより登場人物がどんな見た目だったのか、どんな服装をしていたのか…などが分かるようになりましたが、一方でこれでは普通のノベルゲームと大差なく、『かまいたちの夜』らしさがないとファンからは否定的な意見も少なくありません。
キャラクターのデザインはいずれもクオリティが高く、特に登場人物の死亡シーンはゲームがCERO:Zに指定されるほど気合いが入っていますが、『人物が見えないからこそ不気味』という持ち味はなくなってしまったので、いっそ別物だと割り切った方が楽しめるのかもしれません。
キャラクターも時代に合わせたデザインに
今回は6つのタイトルを挙げましたが、過去のイメージから大幅に雰囲気が変わるので、やはりユーザーの賛否が分かれるゲームが多いみたいです。
しかし、これらタイトルはある日を境に急にデザインが変わりましたが、かの『スーパーマリオ』も『星のカービィ』も作品を重ねるごとに少しずつデザインは変化していて、初期の作品と見比べるとかなり違っていたりします。
ポケットモンスターの『ピカチュウ』も、初代の頃と見比べてみるとかなりスリムになっていますよね。
『がんばれゴエモン』や『かまいたちの夜』はイメージチェンジに失敗した作品とされていますが、しかしどちらもゲームとしての評価は低くないので、別の作品だと思えば楽しめるとも言われています。
また、『ゼルダの伝説』も『風のタクト』ではトゥーンで描かれた新しいデザインに変化しましたが、こちらも当初は賛否両論だったものの、その後もシリーズを継続し、今では一定の人気を獲得しているので、やはりデザインよりもまず『ゲームとして面白いか』が大切なのは変わらないのかもしれません。
『桃太郎電鉄』や『くにおくん』は今後どのような方針になるのか気になりますが、私個人としては時代に合わせてデザインが変化するのも良いと思います。
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