どうも、みう太(@arai_miuta)です(ΦωΦ)
2020年はE3などのゲームイベントが軒並み中止となり、新作タイトルの発表もなかなかされずヤキモキしている今日この頃ですが…、メーカーごとに独自のプレゼンテーションがされたりもしているので、SNSでの情報収集も欠かせない日々となっています。
近年は完全新作だけでなく、過去作の復活タイトルも少なからず出ていて、セガなら『パンツァードラグーン』や『スーパーモンキーボール』、CAPCOMなら『鬼武者』や『大神』、ナムコなら『もじぴったん』や『塊魂』などなど…、久しぶりに手に取ってみようかなぁ…という名作がいくつも発売されています。
アンコールでよみがえった『ミスタードリラー』
ここ数年で新作のなかったシリーズをどのメーカーもここにきて復活させていますが、特にバンダイナムコは『もじぴったん』や『塊魂』のタイトルに『アンコール』を付けて、いわば復活タイトルでシリーズ化させているようです。
そして2020年6月25日には、かつてアーケードでも大きな人気を集めたアクションパズルゲーム『ミスタードリラー』の復刻版、『ミスタードリラー アンコール』がNintendo Switch(ニンテンドースイッチ)で発売され、こちらもなかなか好評となっています。
上からブロックが落ちてくるというシステム上、少し難しそうで敬遠している方もいるかもしれませんが…、たとえ遊んだことはなくとも、そのゲームデザインやキャラクターは多くの人が知っているメジャーなタイトルだと思います。
主人公は『ホリ・ススム』という名前の少年なのですが、実は1982年にアーケードで稼働していたアクションゲーム『ディグダグ』とも関りがあるとのことなので、今回はその関係性を調べてみようと思います!
主人公はミスタードリラーにもっとも近い少年『ホリ・ススム』
初代『ミスタードリラー』のアーケード版は1999年11月に稼働が始まっていて、今から20年以上も前に生まれたゲームではありますが、その後も様々なハードで続編やリメイクが発売されており、シンプルでありながら奥の深いゲームデザインで今も多くのファンが存在します。
ゲームにストーリー性はそこまでありませんが、ある日地中から正体不明のブロックが大量発生したので、『ドリラー』と呼ばれる穴掘りのプロたちはその原因を探るために地中を掘り、主人公である『ホリ・ススム』も調査に乗り出した…という流れになっています。
この世界では3年に1度だけドリラーの評議会があって、技術力、体力、センスなど160にも及ぶ項目の試験をパスし、更に12人のドリラー評議会全員に認定されることで『ミスタードリラー』の称号を得られるのですが、ホリ・ススムはそれにもっとも近い存在と言われていました。
2002年発売の『ミスタードリラー ドリルランド』からは少し物語が進んでいて、その時にはススムはミスタードリラーの称号を獲得しており、名実ともにドリラーとして成長しているようです。
一人称は『僕』で見た目も幼いですが、親の年齢から逆算するとおよそ14歳~15歳となり、まさに天賦の才…を持っていたのではないかと思います。
父親の『ホリ・タイゾウ』はアーケードの名作の主人公
そんなドリラーとしての才能を開花させたススムですが、それには父親である『ホリ・タイゾウ』の影響が色濃く出ているのかもしれません。
タイゾウは2001年に発売された『ミスタードリラーグレート』からプレイアブルキャラクターとなり、縦方向への移動が速くスピードクリアには最適な反面、エアーの消費も激しい上級者向けのキャラクターになっています。
初登場時の年齢は1955年生まれの46歳となっていて、ススムの活躍の影響で人々から忘れられていましたが、かのミスタードリラーの第一号であり、かつて1982年に発売された『ディグダグ』の主人公でもあります。
ディグダグもキャッチコピーは『戦略的穴掘りゲーム』になっていて、地中で銛を放って敵を倒すだけでなく、掘った穴で岩を落として敵を押しつぶしたりなど…、ゲーム業界全体においても穴掘りキャラクターの開祖といえるかもしれません。
この『ディグダグ事件』はゲームの発売日と同じ1982年の出来事とされていますが、1人ですべてを解決したタイゾウは英雄として世界中に知られており、年齢も逆算すると27歳という若さで偉業を成し遂げています。
南国島作戦を描いた翌年発売の『ディグダグ2』も主人公は同じホリ・タイゾウであり、こちらは前作のディグダグと操作性が少し異なりますが、特定のポイントで穴を掘って崖を崩し、敵を海に落とす…という穴掘り戦略要素は変わらず含まれています。
母親も高難易度シューティング『バラデューク』の主人公
ススムの穴掘り技術は『ディグダグ』の主人公であるタイゾウ譲り…という事になりますが、実は母親の『トビ・マスヨ』も大物であり、1985年にアーケードで稼働したシューティングゲーム『バラデューク』の主人公を務めていました。
ミスタードリラーにおいては可愛らしいデザインで描かれていますが…、原作のバラデュークはキャッチコピーも『ブキミが気持ちいい!』であり、なかなかおどろおどろしい雰囲気を持った高難易度ゲームだったりします。
主人公のマスヨはもともと『KISSY』という名前で宇宙辺境警備隊に所属していて、平和的種族であるパケット族のSOSをキャッチし、地下要塞『バラデューク』を支配する邪悪な生命体オクティ族の撃退に出撃する腕利きのファイターでした。
この時のマスヨは宇宙用のスーツで全身を包んでおり、その素顔も体格も作中で明らかにならないので、まさかその後ミスタードリラーの関係者として復活するとは開発者含めて予想だにしていなかったのではないかと思います。
敵対するオクティ族は怪しげな軟体生物のようでエイリアンを彷彿とさせますが、一方でパケット族も『平和的種族』といいながら見た目は手足のない丸い体に単眼という、こちらもなかなか不気味な風貌で正直あまり可愛くはありません。
当時は子供向けのゲームが多かった中で、大人かつマニア向けな作風がコンセプトに作られたタイトルであるため、知らない人はまったく知らないが遊んでいた人はひたすら遊んでいた…というコアなタイトルではないかと思います。
ちなみに決して関係が悪いわけではありませんが、現在はススムやタイゾウとは別居生活を送っており、本人もドリラーではないので、未だミスタードリラーでプレイアブルキャラクターにはなっていません。
ナムカプで描かれた2人の接点と関係性
ディグダグ事件や南国島事件によって英雄になったホリ・タイゾウと、パケット星を解放して英雄となったトビ・マスヨが両親ということは、ホリ・ススムもとんでもないサラブレッドになりますが…、そもそもまったく違った作品のキャラクター同士がどのようにして結婚したのかは気になるところです。
2人の関係性は2005年に発売された『NAMCO × CAPCOM(以下ナムカプ)』で描かれていて、この作品にタイゾウとマスヨの両名が登場するのですが、歴史的にはバラデュークからミスタードリラーの間の、まだ2人が結婚していない時代背景で物語が描かれています。
タイゾウもこの頃はまだ『ドリラー』という職業が存在しておらず、マスヨと同じ宇宙辺境警備隊に所属していて特殊工作員として活躍し、マスヨのバラデューク奇襲作戦の突破口を開いた『ディグアウター』の生き残りとして登場しています。
現在のタイゾウは冒険家であり、滅多に家にも帰ってこないとされていますが、かつては実質1人でディグダグ事件を解決に導き、その後も特殊工作員として働いていたのであれば、どちらかといえば傭兵のようなイメージだったのかもしれません。
実際にどのような経緯があって結婚までたどり着いたのかは分かりませんが、2人とも宇宙辺境警備隊所属という接点があり、ナムカプでも仲は悪いですがお互いに顔なじみではあったので、この作品の共闘をきっかけに発展した可能性は高そうです。
ちなみにマスヨの愛称であった『KISSY』は『酔うととキス魔になる』というのが由来になっていて、タイゾウも女性についデレデレしてしまう性格だったようなので、酔っぱらったマスヨに絡まれてあっさり付き合ってしまった…なんてこともあり得たのではないかと思います。
様々な要素が組み合わさってできた世界観
今回は『ミスタードリラー』の登場人物の関係性について調べてみましたが、父親はアーケードの名作『ディグダグ』から、母親は高難易度シューティング『バラデューク』から登場し、その接点は『NAMCO × CAPCOM』で描かれるという、3つの作品をまたいで世界観が作られた特殊なゲームでもありました。
調べてみたらそもそもミスタードリラーが当初『ディグダグ3』というタイトルで開発されていたらしく、ある意味では正統な続編…ともいえると思います。
他のメーカーでも実は『ボンバーマン』と『ロードランナー』につながりがあったり、『リンクの冒険』に『ドラゴンクエスト』とのつながりを示唆する描写があったり…、意外なところで作品の関係性が見えるのは面白いところです。
ここ最近になって復活した『ミスタードリラー アンコール』ですが、もしかしたらこれをきっかけに新作へと発展し、更なる家族の関係性が描かれることもあるのかもしれません。
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