【レビュー/感想】スイッチ版『塊魂アンコール』はつい熱中してしまう中毒性があった

ゲームレビュー
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どうも、みう太(@arai_miuta)です(ΦωΦ)

Nintendo Swicth(ニンテンドースイッチ)のオンラインサービスといえばファミコンなどのレトロゲームを遊べたり、セーブデータをクラウドに預けられたり…様々な恩恵があり、つい先日には『ゲームボーイ』や『ゲームボーイアドバンス』のタイトルまで配信が始まりました。

シリーズの原点である『星のカービィ』や、ワリオの初登場作品である『スーパーマリオランド2 6つの金貨』など昔懐かしいタイトルも多く、今後どのようなタイトルが追加されるのかも楽しみなところです。

転がしてくっつけて大きくする『塊魂アンコール』

そんなNintendo Switch Onlineには他にもセーブデータをクラウドに預けられたり、ユーザーのアイコンをカスタマイズできたり…様々な恩恵があるのですが、特定のタイトルを一定期間遊び放題になる『いっせいトライアル』も1つの目玉です。

2023年6月1日に『みんな大好き塊魂アンコール』の発売決定もあって、2023年2月13日~2月17日までは『塊魂アンコール』がいっせいトライアルの対象ソフトになりました。

本作は2004年にPS2で発売された『塊魂』のHDリマスター版で、当時の私は気になっていながら遊べていなかったので、これを機にエンディングまでプレイしてみました。

遊ぶまでは自由に塊を転がしてフィールドを駆けまわるだけのゲームかな…?とうっすら思っていましたが、実際遊んでみると思った以上に繊細な操作も必要で、ついつい遊んでしまう中毒性を感じました。

というわけで今回はそんな『塊魂アンコール』についてのレビューを簡単に書いてみようと思います!

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バンダイナムコエンターテインメント

不自由な操作からくる達成感と爽快感

そもそも『塊魂』がどのようなゲームかというと、主人公の『王子』は父親である王様が酔っ払った勢いで壊してしまった星々を蘇らせるため、塊を転がして地球のあらゆる『モノ』を巻き込み、その大きくなった塊を新しい星として銀河に浮かべていきます。

最初は10cm程度の小さな塊から始まるのでそれ相応のモノしか巻き込めませんが、舞台となる地球には様々なモノが落ちていて、まずは『ガビョウ』や『ネジ』、『クッキー』『キャラメル』など手頃な物を巻き込みながら少しずつサイズを大きくできます。

20cm、30cm…と塊を大きくすることで巻き込めるモノの種類も増え、最初はただの障害物だった牛乳ビンにバケツ、木の植え込み、花壇、更には人まで…サイズが大きくなればなるだけより多くのモノを巻き込めるのは他のゲームにもない爽快感です。

操作は進みたい方向に左右のスティックを倒すだけ…ですが、向きたい方向に旋回するには片方のスティックだけを上に倒したりと特殊な部分もあるので、慣れるのに少し時間がかかるかもしれません。

転がしている塊は壁や障害物、まだ巻き込めない大きなモノに勢いよくぶつかると弾き飛ばされ、巻き込んでいたモノをいくつかバラ撒いてしまうため、できるだけぶつからないような慎重な立ち回りが必要なのですが…この操作の難しさもあってなかなか思うようにはいきません。

また、塊は常に真ん丸な形を保っているわけでもなく、巻き込んだモノによって歪に形を変えていくので、転がしたときに形によってはまっすぐ進まないのも厄介なところです。

なんとなく自由自在に世界を駆けまわって塊を大きくするのかな…?とイメージを持ちがちですが、実際は不自由で思い通りにいかない中、制限時間内にどれだけいろいろなモノを巻き込めるのか…というチャレンジが本作のゲーム性になっています。

しかし本作はゲーム開始時にちゃんと操作に関するチュートリアルが用意されていますし、ステージ1の初回は制限時間もなく遊べるようになっているので、実際に動かしながらどのような操作感なのか体験できるのは親切なところです。

どれだけ練習しても手足のように動かせる…とはなりませんが、そのもどかしさだからこそやり込む楽しさや達成感もあって、同じステージもより良い記録を目指して繰り返し遊ぶ面白さがあります。

制限時間内に転がして巻き込んで目標達成を目指す

『塊魂アンコール』では基本となるステージが10個、『カニ座』『カンムリ座』など星座になぞらえた特殊なステージが9個の計19にも及ぶステージが用意されています。

ストーリーに関わる10のステージは『ほしをつくる』という名前で統一されていて、王様から提示された時間内に塊を一定のサイズまで大きくできればクリアです。

最初の『ほしをつくる1』では小さな部屋の中から始まり、10cmまで大きくできればステージクリアとなりますが、8面、9面となると最終的に10m以上もの大きさが目標になってきます。

数cm程度の小さなモノをいくら巻き込んでもさすがに10mには届かないのでは…?とも思えますが、ひとたび大きなモノを巻き込めるようになれば加速的に塊のサイズも大きくなるので、1~2m以上にまで成長すればよりこのゲームの面白さを感じられると思います。

ゲームとしては各ステージの目標サイズまで大きくできればストーリーが進むのに加え、クリア時に王様からその塊の評価がもらえて、最高評価を目指す場合はより効率の良いルートを考えたり…試行錯誤も大切になります。

あまりこういった評価は気にしない…という方も少なくありませんが、実は主人公の父親である王様はかなり口が悪く、目標ギリギリでクリアしても『目標通りだけど面白くない』『王様ならもっと大きくするけどね』などちょっとした嫌味を言われてしまうので、見返すためにもより良い評価が欲しくなる…かもしれません。

『カニ座』など星座をモチーフにしたステージは目的が異なっていて、ただ塊を大きくするだけでなく、『できるだけたくさんのカニを巻き込む』『双子のようにペアになっているモノを巻き込む』などかなりバラエティに富んだミッションに挑戦できます。

中でも『オウシ座』や『オオグマ座』は特殊で、とにかくいろいろなモノを巻き込んで塊を大きくするのではなく、できるだけ大きなウシやクマを『1つだけ』巻き込むのが目的です。

まずは塊を大きくしなければ大きなウシも巻き込めませんが、その途中でついうっかり小さなウシを巻き込んでしまいステージ終了…となることも少なくなく、他のステージにはないスリリングさが味わえます。

やり込みは楽しいけど奥が深くてかなり難しい

『塊魂アンコール』には19ものステージが用意されているとはいえ、1つ1つはかなりカジュアルな作りになっているので、ただクリアするだけであればそこまでの時間はかかりません。

しかし各ステージをやり込もうと思えば話は違い、王様からの最高評価を目指すほかにもステージに隠された『王様プレゼント』を探したり、世界に散らばっているイトコを探し出したり…様々な楽しみ方が用意されています。

『王様プレゼント』はその名の通り王様が王子のために用意したプレゼント…だったのですが、王様はすべてのプレゼントを地球に置いてきてしまったり捨ててしまったり…手元に残っていないので、結局自分でステージを隅々まで探索して見つけ出す必要があります

塊は大きくなるほど巻き込めるモノも増え行動範囲が広がる…と言いつつも、塊が大きくなりすぎると今度は狭い路地に入れなくなったり、天井に引っかかって進めない場所が出てきたり、小さいからこそ行ける場所も存在します。

王様プレゼントはそういった気づきにくい場所にも隠されているので、ノーヒントですべてを見つけ出すにはそれなりのやり込みが必要になります。

イトコはストーリークリア後に解放される隠し要素で、クリア済みの各ステージにイトコが登場するようになり、見つけ出して巻き込めば2人で遊べる対戦モードのプレイアブルキャラクターとして使用できます。

更にこのゲームの神髄が巻き込んだ様々な『モノ』を王子は『素敵コレクション』に記録していて、1000種類以上に及ぶモノを図鑑のように閲覧できるため、このコレクションのコンプリートを目指すのも面白いと思います。

コレクションには、エビフライは『エビをすごい温度で調理した食べ物』、パセリは『料理の見た目をよくするために置く草。食べるのは自由』など王子の素朴なコメントが添えられているので、ある程度ゲームを進めたらゆっくりコレクションを眺めるのもオススメです。

(ゲーム内では王子のコメントはカタカナで書かれているので、よりシュールに見えます)

もちろん無理をしてまですべてをやり尽くす必要はありませんが、ただクリアするだけでなくいろいろな目標を立てられるのは良いところです。

豪華かつ不思議とキャッチーなステージBGM

塊魂の魅力を語るのであれば、想像以上に豪華なアーティストが手掛けているBGM『ステキソング』も外すことはできません。

ゲーム開始時に流れるメインテーマ『塊オンザロック』は元クリスタルキングの田中雅之さん、他にも各ステージには新沼謙治さん、水森亜土さんなどが担当していて、風変わりでありながらどこか耳に残るメロディが特徴的です。

コンセプトとしてそれぞれのアーティストの元のイメージとは違う楽曲が用意されているのもあって、このBGMを聴くだけでも十分価値があります。

そしてエンディングを務める松崎しげるさんの楽曲も非常に人気が高く、ストーリークリア後であれば『月』で自由に聴くことも可能です。

音楽に関して数少ない欠点を上げるのであれば、BGMを聴かせたい思いが強いあまりかゲーム音がかなり大きく、調整しなければうるさく感じるかもしれません。

ゴチャゴチャとしたやかましさはゲームに合っていますが、警察官の発砲音や黒電話を巻き込んだときのベル、塊から逃げる人々の悲鳴など効果音も相当大きいので、ここだけは惜しい点だと思います。

個人的にはオススメだけど人は選ぶ作品

というわけで今回は『塊魂アンコール』について簡単なレビューを書いてみましたが、個人的にはいっせいトライアルで遊び尽くしたくなるくらい面白く、通常ステージはすべて最高ランクも達成できました。

しかし慣れるまでは思い通りにまったく塊を転がせず、コツを掴んでからは楽しさも加速的に増してきましたが…、人によっては面白さよりも不自由さを強く感じて合わなかった…という方もいるかもしれません。

とはいえ最終的には100mを超すような巨大な塊を転がして、地形そのものすら巻き込んでしまうような爽快感は唯一無二であり、ぜひその醍醐味を味わってほしいと思います。

2023年6月1日には『みんな大好き塊魂アンコール+プチメモリー』という新たなリマスターの発売も予定されているので、気になる方はそちらもチェックしてみるのがオススメです。

みんな大好き塊魂アンコールの公式サイトはこちら

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