【レビュー/感想】ゲームボーイの初代『星のカービィ』はコンパクトながら確かなやり応えがあった

3.5
ゲームレビュー
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どうも、みう太(@arai_miuta)です(ΦωΦ)

Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)が発売されて気が付けば早6年が経過しましたが、2023年2月9日にはNintendo Switch Onlineに『ゲームボーイ』と『ゲームボーイアドバンス』のタイトルが配信開始されました。

3月9日には『メトロイド フュージョン』の追加もすでに発表されていて、まだまだ楽しみは尽きないな…と思う今日この頃です。

今やおなじみになったカービィのデビュー作

そんなNintendo Switch Onlineで配信されているゲームボーイタイトルは現在9本あって、『スーパーマリオランド2』や『ゼルダの伝説 夢をみる島DX』など任天堂を代表するシリーズも遊べます。

中でも1992年に発売されたゲームボーイ版『星のカービィ』は記念すべきカービィシリーズの1作目で、まだコピー能力やスライディングは存在しないものの、『すいこみ』と『はきだし』といった基本的なアクションはすでに存在しました。

私もカービィシリーズは昔からなじみのある大好きな作品…なのですが、実は最初に遊んだタイトルは『星のカービィ2』で、この初代『星のカービィ』は遊んだことがなかったので、これを機に最後までプレイしてみました。

(実は配信もしていました)

シリーズの始まりだけあって少し動かしにくい部分はありましたが、それでも十分に楽しめる作品だったので、今回は簡単にレビューを書いてみようと思います!

すでに完成されていた基本的なアクションとシステム

30年以上の歴史を持つ『星のカービィ』シリーズですが、最初に書いたように『すいこみ』と『はきだし』を始めとした基本的なアクションはすでに健在で、カービィとしてのベースは完成していました。

今やおなじみになった『コピー能力』は次回作『星のカービィ 夢の泉の物語』からの登場で、本作は敵を飲み込んでも能力を得られないため、敵をすいこんでからの星型弾が主な攻撃方法になっています。

コピー能力がないとボスを倒すのも難しそう…と思うかもしれませんが、星型弾はどのような相手にも通用する万能な攻撃で、むしろ他に選択肢がないからこそ遊びやすくなっているともいえます。

空気を吸い込んで自由に空を飛ぶ『ホバリング』もこの頃からあるので、他のアクションゲームと比べて落下ミスも少なく、近年のカービィと遜色ない遊び心地で楽しめました。

一方でアクションは同じでも操作は異なる部分があり、例えばジャンプはAボタンですが、ホバリングをするには十字キーの上を入力する必要があるので、慣れないうちは使い分けるのに少し苦労するかもしれません。

また『敵をすいこんだ直後』『高所から落下した直後』などに一瞬だけ操作を受け付けないタイミングがあって、近年のカービィに慣れている人ほどちょっとしたところでつまずく可能性はあると思います。

それを差し引いても本作には間違いなく『星のカービィ』らしさが満載で、1作目からシステムとして完成されていたのを強く感じました。

コピー能力そのものはまだないものの、アイテムの『マイク』を拾うと画面内の敵をすべて倒せたり、『激辛カレーライス』を取ると炎を連続で吐けるようになったり、後のコピー能力のルーツを知ることもできます。

当時のアクションゲームはジャンプに慣性があって思ったところに着地が難しかったり、ダッシュすると勢いが強すぎて急に止まれなかったり…というものが多かったですが、本作は現代の『星のカービィ』と同じような感覚で動かせるのが完成度の高さを表していると思います。

コンパクトなボリュームと遊びやすいゲームバランス

本作のディレクターを務めた桜井政博さんは現在Youtubeで『桜井政博のゲームを作るには』というチャンネルを運営していて、この初代『星のカービィ』についても企画コンセプト紹介動画が公開されています。

ゲームの容量に限りがあった当時、アクションゲームは難易度を高くしてできるだけ長く遊んでもらうのが開発の主な考え方でしたが、『星のカービィ』は初心者でもゲームへの入り口として選びやすいように低めの難易度で整えられています。

カービィをHP制にしたのも、ホバリングで落下ミスを回避できるようにしたのも、とにかくまず『ゲーム初心者をゲームの世界へ導く』ためのもので、それが結果として現在までの人気にもつながっているようです。

実際に遊んでみた感想として本作はかなり遊びやすく、ステージも全部で5つとコンパクトなのもあって、アクションに慣れていない人でも1~2時間あれば一通りクリアできるボリュームにまとまっていました。

だからといってやり応えがないわけではなく、横スクロールのシューティングゲームになる『やきいもシューティング』が用意されていたり、最終決戦を前に『ボスラッシュ』に挑むことになったり…限られた容量で飽きの来ないよう工夫が凝らされています。

そして本作を語るうえで外せないのが『エクストラモード』の存在で、本作はストーリーをクリアするとエンディング画面にとあるコマンドが表示され、そのコマンドを入力しながらゲームを始めるとより難易度の高いエクストラモードに挑戦できます。

エクストラモードは通常モードとステージ自体は変わりませんが、配置されている敵キャラクターが一部差し換えられていて、初見で避けられないほど猛スピードで突進してきたり、攻撃力が2倍になっていたり…非常に苛烈でスリルあるアクションを楽しめます。

ボスの行動パターンも変化していて、あまり強い印象のなかった『ウィスピーウッズ』ですら不規則な空気弾やゴルドーによる攻撃が強力で、ステージ1を突破するだけでもかなりの難しさでした。

私は特にステージ4の中ボス『クラッコJr.』で2回もゲームオーバーになるほど苦戦しましたが、やはり何度でもステージをやり直せるコンテニューのおかげで最後まで遊べたので、そういった意味でも良いバランスだったのだと思います。

容量の少なさを感じさせないグラフィックと音楽

『星のカービィ』は2メガビットのROMで発売されましたが、インタビュー記事によると512キロビット(64KB)に収まるように開発されていたようで、相当限られた容量で作られたことが分かります。

インタビュー記事はこちら

(私のブログで使っている画像がだいたい1枚100KB前後なので、それよりも小さいサイズのゲーム…ということになります)

そのためグラフィックもかなり切り詰めている…のですが、本作はそれを感じさせないほど様々なキャラクターが登場し、アニメーションも非常に自然でなめらかです。

この少ない容量で多くのキャラクターを出すには開発の努力があって、例えば『ワドルディ』と『ワドルドゥ』はグラフィックの右半分が共通していて、ドットを使いまわすことで1.5匹分の容量で2匹分のキャラクターを生み出しています。

ファミコンの『スーパーマリオブラザーズ』でも容量を削減するため、グラフィックを左右反転してつなげれば表示できる『クリボー』が有名ですが、『星のカービィ』においても『ゴルドー』や『マキシムトマト』などは左右対称のデザインをしていて、少ないグラフィックで描けるよう工夫されています。

容量削減の甲斐あって『ブロントバート』や『キャピィ』といった今やおなじみのキャラクターだけでなく、エクストラモード限定の敵キャラクターも数多く登場しており、1作目でありながら非常にバラエティ豊かな冒険が楽しめました。

カービィシリーズといえばBGMもそれぞれ高い評価を得ていますが、初代『星のカービィ』でもそれは変わらず、今やおなじみとなった『グリーングリーンズ』や『デデデ大王のテーマ』も本作から収録されています。

『星のカービィ』の楽曲は近年のタイトルでもたびたびアレンジされているので、様々なBGMの原点ともいえる音楽が聴けるのは、むしろ今だからこそより深く楽しめるかもしれません。

実はエクストラモードをクリアした後に表示される隠しコマンドを入力すると『コンフィグモード』が開けて、そこにはサウンドテストも実装されているので、気になる方はぜひそこまで遊んでみて欲しいと思います。

今でもちょっとした時間に遊ぶには十分楽しい

というわけで今回は、Nintendo Switch Onlineで配信されたのをきっかけに初めて遊んだ『星のカービィ』の簡単なレビューを書いてみましたが、アクションや操作性に関しては本当に古さを感じさせないほど快適でした。

ゲームボーイの限られた容量と、初心者でも手を出しやすい難易度も相まって全体のボリュームは大きくないものの、エクストラモードの存在まで考えるとやり応えは十分にあります。

もちろん近年のカービィシリーズと比べればコピー能力がなかったり、スライディングなど一部のアクションがなかったり…物足りなさを感じる人はいるかもしれませんが、Nintendo Switch Onlineで遊ぶ分には手軽でちょうどいいサイズ感でした。

オンラインに加入していれば誰でも遊べるので、アクションゲームの初心者にも入門にはピッタリ…かもしれません。

  • 遊びやすさ
    5
  • 飽きにくさ
    3
  • ストーリー性
    2
  • やり込み要素
    2
  • コストパフォーマンス
    4

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