どうも、みう太(@arai_miuta)です(ΦωΦ)
『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズのディレクターで知られる桜井政博さんのYoutubeチャンネル『桜井政博のゲームを作るには』にて、先日『カービィのエアライド』の企画コンセプト動画が公開されました。
今でも多くの人から愛されているタイトルですが、私も学生の頃に友達の家に集まっては『シティトライアル』ばかり遊んでいたなぁ…と思う今日この頃です。
※この記事は2019年9月6日に投稿した記事を再構築したものです。
発売まで辿り着かなった幻の『星のカービィ』
これまで数々のタイトルが発売された『星のカービィ』シリーズですが、『星のカービィ64』から『星のカービィ Wii』が発売されるまで据置のプラットフォームでは11年もの間があり、『社長が訊く』のインタビューでも『難産だった』とコメントされています。
しかし『カービィのエアライド【企画コンセプト】』でも紹介されているように、ゲームキューブ版の『星のカービィ』も開発されていて、この11年の間に3本ものゲームがボツになっていたそうです。
開発は常に『ユーザーを驚かせたい』という考えを持っていて、その水準に満たないことからボツになってしまったそうですが、改めてインタビュー記事を見てみると、ボツになった3つのゲームも個性的な面白さを持っていたようでした。
近年でも3Dの世界で描かれた『星のカービィ ディスカバリー』が発売されたり、Nintendo Switch向けに作り直された『星のカービィWii デラックス』が発表されたり活発な『星のカービィ』ですが、今回は発売されなかった『幻の星のカービィ』タイトルについて簡単にまとめてみようと思います!
カービィWiiの前身…?フレンドと冒険する横スクロール
まず桜井さんの動画でも紹介されていたゲームキューブ版『星のカービィ』は、シリーズでもなじみの深い横スクロールアクションゲームで、ヘルパー(フレンド)と協力しながら4人同時に遊べることをコンセプトに開発されていました。
これは当時雑誌などにも掲載されていて、私も『ニンテンドードリーム』で開発中の画像を見たことがある気がしますが…、多くのファンが待ち望んでいたものの残念ながら発売中止となりました。
公開されている画像では4人のキャラクターが縦に積み重なっており、後の『星のカービィ Wii』に引き継がれているのが分かりますが、『メタナイト』や『デデデ大王』ではなく敵キャラクターが仲間になっているのを見ると、2018年3月に発売された『星のカービィ スターアライズ』にも近いようにも感じます。
本来は2003年7月に発売された『カービィのエアライド』から間を開けずリリースされるハズだったのですが、コンセプトであった4人同時プレイがうまく実現せず、シングルプレイとマルチプレイの共存に難しさを感じたとコメントされています。
確かに当時4人で同時に遊べるアクションゲームはかなり珍しく、1人で遊んでも4人で遊んでも成り立つちょうどいいバランスの落としどころが掴めなかったのかもしれません。
実は本作は2005年のE3でデモムービーが公開されていて、現在もゲームメディア『IGN』がアップロードしたものがYoutubeに残されているので、わずかではありますが当時のゲームの様子が確認できます。
ヘルパーを引き連れて冒険する様子はまさに『スターアライズ』のようですが、しばらく出番のなかった『クリーン』のコピー能力があったり、ストーンのヘルパーが『ロッキー』ではなく『ガレブ』だったり…これはこれでどのようなゲームだったのか気になります。
口からビームを放つ巨大なデデデ大王のロボットも登場していて、『星のカービィ Wii』とシステムが似ていてもストーリーは大幅に違いそうです。
中でも『ホイール』のコピー能力はWiiにもスターアライズにも登場していないので、4人でウィリーに乗り込んで走り回るのはいつかやってみたいなぁ…と思います。
ディスカバリーに通ずる…?箱庭を冒険する3Dカービィ
4人同時プレイをコンセプトにした『星のカービィ』が頓挫し、その次に開発されていたのが箱庭のようなステージを動き回れる、3Dのまったく新しいカービィでした。
それまで3D空間を自由に移動できるカービィは『カービィのエアライド』しかなく、更にそれがシリーズ本編となれば、かなりチャレンジしている作品だと考えられます。
1枚の画像しか資料がないのでどのようなゲームか具体的には分かりませんが、『ソード』のコピー能力やHPの存在、星のかけらの数なども表示されていて、3Dではあるもののシステムの根本は『いつもの星のカービィ』に近かったのかもしれません。
残念ながら理想のクオリティには届かなかったためこちらも完成まで至らなかった…とコメントされていますが、3Dのカービィといえば2022年3月25日に『星のカービィ ディスカバリー』が発売され大きな話題になりました。
ディスカバリーは『丸い体のカービィは3Dだとどこを向いているか分かりにくい』『すいこみ、はきだしなどのアクションを3Dに落とし込みにくい』など、様々な課題を乗り越えて開発された経緯が語られていますが、試作の時代ではこれらの問題を解決する術がなかったのかもしれません。
一方でシリーズ外伝となる『カービィのすいこみ大作戦』や『カービィ バトルデラックス!』などが3DSでリリースされていて、試作や番外編を通じて3Dゲームのノウハウを積み重ねていったとコメントされています。
ディスカバリーは非常に広大なマップを自由に歩き回れますが、開発中止になった試作版は『箱庭を冒険する』というコンセプトの通りコンパクトにまとまっていて、小さなステージを連続でクリアしていく形式になっていそうです。
2017年に発売された『カービィのすいこみ大作戦』は『初代3Dカービィ』というキーワードで開発が進み、3D空間でも星型弾が当てやすいよう空間認識を補うシステムなどが導入されましたが、形を変えつつディスカバリーにも受け継がれています。
しかしこういった試みも、実はボツになった試作品の段階でいろいろと思案されていた…のかもしれず、それら積み重ねがディスカバリーを生んだと考えると面白いところです。
コピー能力をどのように一新したのかが気になる試作3作目
そしてボツになった試作3作目は絵本の中から飛び出したような、『遊べるアニメーション』のカービィで、見る限りなじみのある2Dアクションがベースになっています。
のどかな平原にワドルディやブロントバード、HPゲージや星のかけらなどなど…まさに王道『星のカービィ』そのものですが、左下のアイコンの上に謎のメーターがあったり独自のシステムも取り入れられていたのかもしれません。
『星のカービィ64』以降は3Dグラフィックで描かれたカービィ作品が多くなっていましたが、このような2Dグラフィックのカービィも可愛らしく面白そうです。
とはいえグラフィック以外に真新しさは見当たらない…ように思えますが、インタビュー記事によれば『いままでのコピー能力を一新』と書かれているので、これまで多くのタイトルに登場した『ソード』や『ビーム』も存在せず、見たことのないコピー能力がいくつも予定されていたのかもしれません。
画像を見る限り『スカ』の敵キャラクターしかいないので、どのようなコピー能力が用意されていたのかは分かりませんが…『一新』という思い切った変更はなかなか気になるところです。
『星のカービィ Wii』では『ウィップ』や『リーフ』などのコピー能力が追加されたり、『スターアライズ』ではもともとスカだった『コモ』から『スパイダー』の能力をコピーできたりしましたが、これらも試作の頃からあったのかもしれません。
近年すべてのカービィは3Dで描かれるので、このように2Dのグラフィックで表現されたカービィは現在なかなか見られませんが、マリオの『ペーパーマリオ』やリンクの『トゥーンリンク』のように、カービィも『アニメ風カービィ』なシリーズ展開は面白い気がします。
思えばスーパーファミコンで発売された『星のカービィ3』は水彩画で描かれたような特徴的なグラフィックをしていて、ほのぼのとした雰囲気がカービィの世界観ともマッチしていました。
あえて今、このようなテイストを引き継いで『星のカービィ4』なんてタイトルがリリースされれば、それも意外と『新しいもの』として話題を呼ぶかもしれません。
今のカービィにも要素は受け継がれている
今回紹介したゲームは『満足のいくクオリティに仕上がらなかった』という理由でボツになってしまいましたが、それでも具体的に存在を知ってしまうと『一度は遊んでみたかった』と思ってしまいます。
今からもう15年以上前に作られていたゲームなので、今になってそのまま世に出ても『時代遅れ』なイメージは拭えないかもしれませんが、この頃の失敗やアイディアがあってこそ今の『スターアライズ』や『ディスカバリー』に繋がっていること考えると、それだけでもゲームの進化を感じられます。
2017年10月に発売された『ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン』では、開発はしたもののニンテンドー64に時代が移行していて発売されなかった『スターフォックス2』が収録されて大きな話題を呼びましたが、カービィの試作もいずれオマケのような形でちょっと遊べる…なんて可能性もあるかもしれません。
『星のカービィ ディスカバリー』で3Dアクションという新境地を切り開いたカービィですが、今後もどのような新しいアイデアが取り入れられるのか…今から気になるところです。
コメント
確かにGCだとホイールあったのに
スタアラには無いんだもんな
これ4人で重なってホイールはめちゃめちゃ楽しそうですよね。
バランス的に本編には難しいとしても、4人で遊べるミニゲームとかで収録されても良いんじゃないかと思います。
1Pがウィリーを操作して、他のプレイヤーは目の前の敵を倒して進む…みたいな。
仮に星のカービィGCが発売されたら、64版マザー3同様、任天堂の歴史が変わってたと言っても過言かもしれない···。
4D機能が追加されてるのかも?
4Dの体感ゲームとなると、ゲームセンターみたいですね。
Toy-Conゴーグルを使ったVR機能を活用したものとかなら確かに使う余地があるかも…?