こんにちは、こんばんは、『みう太』と書いて『みうた』と申します!(Xアカウント)
2024年6月18日に待望の『Nintendo Direct』が配信されましたが、Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)の後継機が開発中の中、これだけの数のタイトルが発表されるとは思いませんでした。
近年はフルプライスのゲームだけでなく、Nintendo Switch Onlineにタイトルが追加されたり、話題のインディーゲームが発売されたりもしているので、遊びたいゲームが尽きない今日この頃です。
※この記事は2019年2月12日に投稿した記事を再構築したものです。
シリーズを重ねて変化する『ゾーラ族』
そんな2024年6月のNintendo Directで特に大きな話題を集めたのが、リンクではなくゼルダ姫を主人公においた『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』ではないかと思います。
本作は2019年に発売された『ゼルダの伝説 夢をみる島』のグラフィックをベースに、『見下ろし型ゼルダのアタリマエ』を見直した作品とされていて、ゼルダ姫のあらゆる道具や魔物を出し入れできる能力は、これまで以上に自由な冒険が楽しめそうでした。
個人的には勝手に『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』の直後の話かな…?と思っていたのですが、どうやら今作はデクナッツ族やゲルド族など様々な種族が登場するようで、少なくともまったく同じ舞台というわけではなさそうです。
特にゾーラ族は『海に住むゾーラ』と『川に住むゾーラ』の2種類が登場するらしいので、今回はそんな『ゾーラ族の歴史と変化』についてまとめてみようと思います!
その見た目はまさに半魚人そのもののファミコン時代
『ゼルダの伝説』における『ゾーラ族』の歴史は長く、初登場作品は1986年発売の初代『ゼルダの伝説』で、今と変わらず海や川といった水辺に生息する半魚人でした。
しかし近年のシリーズでは友好的なイメージのゾーラ族も、当時はリンクに牙をむく敵キャラクターで、水面から顔を出しては一方的にビームを放ってくるため、あまり良い印象は持っていなかったのではないかと思います。
ビジュアルも今とはかなり違い、青い体に分厚い唇、大きく裂けた口に鋭い牙、顔の横から生えたヒレなど…、いわゆる『マーマン』のような如何にも半魚人といった見た目をしていて、お世辞にも『かっこいい』とはいえません。
その1年後に発売された続編、『リンクの冒険』においても敵キャラクターとして続投しており、水辺や洞窟でエンカウントすることがあるのですが、前作とは違い陸上でも四足歩行で移動できるようになりました。
顔のヒレや、ウロコのような模様も相まって、その見た目は魚人…というより両生類のようで、やはり近年のゾーラ族とは似ても似つかない風貌です。
また、二足で歩くことはできませんが、その場で立ち上がることはできるようになっていて、盾では防げないビームを上下に撃ち分けてくるため、戦闘能力は格段にパワーアップしていたようです。
心を通わせるようになったスーファミ時代
プラットフォームがファミコンからスーパーファミコンに移り、1991年には『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』が発売されましたが、この作品でもゾーラは敵キャラクターとして登場しています。
基本的には初代『ゼルダの伝説』とあまり大差なく、ヒレの生えた大きな顔を水面から出して弾を撃ってきますが、一部の浅瀬においては二足歩行で近づいてくることもあるので、『リンクの冒険』のとき以上に陸にも適応しているようです。
また、これまでに比べると集団で襲い掛かってくるケースが多く、4~5体に取り囲まれるとみるみるリンクの体力が削られてしまうので、やはり厄介な存在であることは変わりありません。
そんな多くのゾーラが生息する『ゾーラの巣』の奥には、ひときわ大きなサイズの『キングゾーラ』が住んでいて、彼に限っては他のゾーラと違い、リンクにも友好的な態度を見せていました。
500ルピーという大金が必要ではあるものの、水中の移動に欠かせない『水かき』を売ってくれるのに加えて、川や湖を結ぶ秘密の水路の存在まで教えてくれるので、ゾーラだからといって根が悪いとは限らないのかもしれません。
これがゼルダシリーズで初めてのゾーラとの交流になりますが、キングゾーラとの交渉が成立した後でも通常のゾーラからは変わらず攻撃されてしまうため、言葉を交えたコミュニケーションが取れるのはキングゾーラだけだった…と考えられそうです。
大幅なモデルチェンジを遂げたニンテンドー64時代
さらにプラットフォームをニンテンドー64に移した1998年、初の3D作品である『ゼルダの伝説 時のオカリナ』では、『ゾーラ』から『ゾーラ族』と種族で呼ばれるようになり、見た目もこれまでのゾーラから大幅にモデルチェンジされました。
『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』のスピリットでもこの姿のゾーラが反映されているので、それだけ『ゾーラ族』を代表するデザインだったともいえます。
これまではまさにステレオタイプな『半魚人』のデザインでしたが、本作からは常に二足歩行で等身も高くなり、青白い肌や腕のヒレなど魚らしさもしっかりと残しながら、全体的にかなり人間に近しいフォルムになりました。
ゾーラ川上流の集落『ゾーラの里』で生活している彼らは、性格もこれまでと違って友好的であり、リンクに攻撃を仕掛けてくることもなく、普通の人間と同じように会話のやり取りも可能でした。
また、これまでのゾーラはすべて同じ見た目をしていましたが、本作のゾーラ族は個体によって外見に違いがあるのも大きな特徴の1つです。
例えばゾーラの里の王女である『ルト』は、サメの一種のように頭部が横に広がっていたり、キングゾーラはまるでフグのように体全体がまるまるとしていたり…、同じゾーラ族でありながら個体差も大きく出ていました。
時のオカリナの続編に当たる『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』でも、タルミナ西部の『グレートベイ』地方に『ゾーラホール』という集落を築いており、こちらも個体によって様々な姿のゾーラを見ることができます。
ゾーラ族で結成されたバンド『ダル・ブルー』は、タルミナ全土で大きな人気を博していて、それだけ種族に隔たりのない友好的な存在であることを示していました。
ちなみにこれだけ人に近い姿で、地上でも自由に活動できる生態でありながら、やはり基礎は魚なのか、卵生であることが明らかになっています。
2種のゾーラ族に分かれた『ふしぎの木の実』
2001年にゲームボーイで発売された『ゼルダの伝説 ふしぎの木の実』は、『大地の章』と『時空の章』の2つのバージョンがありましたが、時空の章ではラブレンヌ南西の『ゾーラの里』にて多くのゾーラ族が生活していました。
グラフィックの都合上、ゲーム内のゾーラ族は2頭身で描かれているものの、イラストで見れば『時のオカリナ』時代とほとんど同じビジュアルであることが分かります。
本作のゾーラの里は海底にあるので、なかなか簡単に立ち入れる場所ではありませんが…、入り口に『ゾーラのさとへ ようこそ!』という看板が立てられているので、他の種族に対しても友好的なスタンスではあるようです。
しかしその一方、『リンクの冒険』や『神々のトライフォース』などに登場していた、いわゆる半魚人のようなタイプのゾーラも川に生息していて、こちらはやはりリンクに向かって攻撃してきます。
どちらもゾーラであることに違いはないのですが、海底に生息している友好的なゾーラが『海ゾーラ』、川に生息してリンクと敵対しているゾーラが『川ゾーラ』と、この作品から呼び方で区別されるようになりました。
とはいえやはり同じ『ゾーラ』という名前で2種類の姿があるのは分かりにくかったのか、後の作品で海ゾーラと川ゾーラが共演することはほとんどなく、友好的な海ゾーラだけが登場する作品が増えていったようです。
長らく出番のなかった川ゾーラですが、『ふしぎの木の実』発売からおよそ12年後の2013年、3DSで発売された『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』で久しぶりに再登場し、女王の『オーレン』を始め、リンクに友好的な川ゾーラも多数存在しました。
しかしオーレンはゾーラたちに『人間とは仲良く』と呼び掛けているにも関わらず、『私の言うことが聞けないゾーラ族もいる』と発言していることから、攻撃的な性格は川ゾーラとしての本能なのかもしれません。
ちなみに、海ゾーラが必ずしも海に生息しているわけではなく、例えば『時のオカリナ』の海ゾーラは川の上流を住処にしていたり、逆に初代『ゼルダの伝説』の川ゾーラは海辺で出てくることもあったりするので、あくまで見た目の違いだけで分けて呼ばれているようです。
時代に淘汰され、世界から姿を消した『風のタクト』
2002年にゲームキューブで発売された『ゼルダの伝説 風のタクト』は、過去のゼルダシリーズと違って大海原がテーマであり、世界観もこれまでがヨーロッパ風だったのに対して『アジア的』といわれています。
この作品は『ゼルダの伝説 時のオカリナ』から何百年と時代が進んだハイラルが舞台なのですが、長い年月の間に国としてのハイラルは滅亡してしまい、大陸の大部分が海底に沈んでいました。
そのハイラルの水没から逃れるためにゾーラ族は高い山に避難し、そこで空の精霊である『ヴァルー』に加護を受けたことで、翼を持った『リト族』に変化したと伝えられています。
世界の大部分が海になったのであれば、水棲生物であるゾーラ族はまさに『水を得た魚』のようにも思えますが、風のタクトの世界の海は『幻想の海』と呼ばれており、一部の魔物を除いて通常の生物が住めない『死の海』らしいので、ゾーラ族でも適応できない環境だったのかもしれません。
リト族に進化したことで現存するゾーラ族は1人もいないのですが、かつて『大地の賢者』であったゾーラ族の『ラルト』に限っては霊体で登場し、『時のオカリナ』時代を彷彿とさせる姿のゾーラを見ることができました。
また、トゥーンリンクが主人公であるゼルダシリーズは、『風のタクト』の時代がベースになっている作品が多いからか、他作品でもゾーラの姿を見かけることはほとんどないようです。
友好的でありながら武装するようになった近年
2006年にゲームキューブとWiiで発売された『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』も、『時のオカリナ』の後の時代を描いた作品なのですが、『風のタクト』とはまた違った世界線なので、ゾーラ族は生き残りリト族は存在しない世界になっています。
(そもそも時のオカリナからそれほど時間が経っていないのかもしれません)
トワイライトプリンセスのゾーラ族は『海ゾーラ』に属していて、『時のオカリナ』の頃と比べると皮膚の質感がよりツヤツヤしており、これまでの海ゾーラ以上に人間に近い体つきになりました。
また、この作品から一部のゾーラ族は兜や斧などで武装するようになり、里を守る兵士として働くゾーラも登場しています。
2017年に発売された『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』では、またもやそのビジュアルが大幅に変更され、これまでの作品以上にサメやエイ、クジラなどの特徴を取り入れながら、体の色も赤や緑など多種多様になりました。
過去作の海ゾーラは脚が長く、非常にスラっとしたスタイルでしたが、本作のゾーラ族は足が短い代わりに上半身が発達していて、中でも王族の1人である『シド』は、背中にリンクを乗せた状態でもかなりのスピードで泳ぐことが可能です。
トワイライトプリンセスと同じように、武装して戦いに備えるゾーラも存在し、里の入り口を守る門番などは主に槍を装備していますが、里の中には『ゾーラの大剣』や『ゾーラの盾』なども置かれているので、実は各々で得意な武器も違うのかもしれません。
100年前の大戦において王女だったミファーが戦死し、リンクがその原因を作ったとしてハイリア人に嫌悪感を抱く一部のゾーラ族もいますが、基本的には社交的な種族であり、かつてはハイラル王国と共同で治水工事を行うなど、種族間の関係も良好だったようです。
また、本作でゾーラ族の寿命が100年程度であれば難なく生きられるほどの長寿であると明らかになり、これはハイラルにおいても他の種族と明確に違う特徴でした。
なお、『風のタクト』ではゾーラ族から変化してリト族が生まれたとされていますが、本作はゾーラ族とリト族の両方が共存していて、また違った世界線が描かれていると考えられます。
時代を超えてここまでの大幅な進化
というわけで、今回は『ゼルダの伝説』に登場する『ゾーラ族の変化』についてまとめてみましたが、他の種族と比べてもかなり変化が大きく、やはり『2種類のゾーラ』がいるのがややこしいところです。
『時のオカリナ』以降のゾーラはともかく、ファミコン時代はゲーム内で『ゾーラ』という単語も出てこないので、説明書を読んでいなければ、そもそもあれがゾーラだとは認識できなかったかもしれません。
しかし元をたどればザコ敵の一種でしかなかったゾーラが、今やこれだけ大きな里を築き上げ、英傑の1人にまで選ばれているのを考えると、ゼルダシリーズの中でももっとも出世したキャラクターではないかと思います。
『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』では、どうやら『海ゾーラ』と『川ゾーラ』の両方が登場するようで、果たして両種族は友好的なのか敵対しているのか…その辺りも気になるところです。
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