カービィのコピー能力は弱い?実はもともと上級者が活用するために作られた要素だった

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どうも、みう太(@arai_miuta)です(ΦωΦ)

現在様々なタイトルが発売されている『星のカービィ』シリーズですが、『星のカービィ ディスカバリー』や『星のカービィ Wii デラックス』などの最新作だけでなく、Nintendo Switch Onlineで過去の作品も遊べるのが嬉しいところです。

私も初代『星のカービィ』や『星のカービィ2』を実際に遊んでみたところ、古いタイトルでありながら近年のカービィと変わらない操作感で、昔からこんなに遊びやすく作られていたのがすごいと感じました。

※この記事は2018年3月12日に公開したものを再構築しています。

コピー能力はもともと『上級者』のためのものだった?

『星のカービィ』を語る上で欠かせないのが様々な『コピー能力』ですが、人によって好きなコピー能力もそれぞれ違うのではないかと思います。

個人的には『星のカービィ スーパーデラックス』に特に思い入れがあるので、『ヨーヨー』や『ミラー』などちょっとトリッキーなコピーを好んでよく使っていました。

コピー能力を得たカービィは様々な遠距離攻撃ができたり、相手を投げて強力な一撃を叩き込んだり…、使いこなせばザコ敵からボス戦まで様々なシチュエーションでの活躍が期待できます。

コピー能力が手に入らないままボス戦に突入してしまった場合は、相手の攻撃をかわしてから『すいこみ』と『はきだし』で応戦しなければならず、非常に難しく感じますが…かつての『星のカービィ』は、むしろコピー能力は上級者が使うことを想定したシステムだったそうです。

そもそもコピー能力がなかった初代『星のカービィ』

今でこそおなじみになったコピー能力ですが、1992年にゲームボーイで発売された初代『星のカービィ』では『すいこみ』と『はきだし』による攻撃しか用意されておらず、敵を飲み込んでもコピー能力を得られませんでした。

星のカービィの開発コンセプトは『初心者でも楽しめるアクションゲーム』であり、可愛らしいキャラクターデザインとシンプルな操作方法、バイタリティ制の導入による誰でも遊べる設計は高く評価され、中でも『難しいステージでも飛んで行ける』ホバリングはシリーズを象徴するシステムになっています。

かといってやり応えがないわけではなく、ステージ3は『やきいもシューティング』というシューティングゲームがメインになったり、『デデデ大王』に挑むにはこれまでのステージのボスと総当たりで戦ったり…最後まで飽きの来ないような工夫が凝らされていました。

ボスに対しては『敵の攻撃を待つ』『出てきた星をすいこむ』『はきだしてぶつける』という、アクションゲームの基礎である『回避』からの『反撃』が守られており、単純ながら『どのようにしてボスを攻略するか』考える楽しみがあります。

システム的にこちらから先制攻撃ができないため、いわゆる『ゴリ押し』は実質的に不可能で、正攻法でクリアすることが確かな自信につながるのも良いバランスだと思いました。

コピー能力が当たり前になった今となっては、『すっぴん』状態でボスと戦うことに難しさを感じるかもしれませんが、これは逆にいえば『やることが明確』でもあって、『何をすれば良いか』で迷うことがありません

ゲーム全体のボリュームは容量の都合上どうしても少なめですが、クリア後に表示されるコマンドを入力することで『エクストラモード』に挑戦できて、より歯ごたえのあるアクションも楽しめます。

エクストラモードでのボスは攻撃パターンも増えているので、なにかをすいこんでも星型弾をぶつけるタイミングが難しく、私も遊んでみましたが『エクストラ』の名に恥じない難しさでした。

特にエクストラモードのデデデ大王は今でも『歴代最強』と噂されており、コピー能力がないからこそ倒し方は決まっているものの、この手ごわさばかりは『コピー能力さえあったら…』と思うかもしれません。

難易度以外にも能力で『初心者と上級者の住み分け』を

初心者でも遊びやすい設計が評価され、初代『星のカービィ』がヒットしたその翌年、シリーズ2作目となる『星のカービィ 夢の泉の物語』の開発に対してディレクターの桜井政博さんは、イージーモードやハードモードといった難易度調整以外の部分で『初心者と上級者の住み分け』をしたいと考え、新たに『コピー能力』を導入しました。

当時のインタビューはこちら

今ではコピー能力があるだけで攻略が簡単に感じられますが、当時の考え方はまったく逆であり、初心者は威力の高い『すいこみ』と『はきだし』で遊んでもらい、慣れてきた上級者にはコピー能力で工夫しながら遊んで欲しい、という考えだったようです。

カービィがコピー能力を持っていない場合、ボス戦は前作『星のカービィ』と同じように反撃の機会を待つしか無いので、なにかしらコピーを持っている方が有利に思えます。

しかし『夢の泉の物語』では『フリーズ』や『ボール』『バックドロップ』など扱いの難しいものも多く、どのような場面でも戦える万能さはあまりありませんでした。

そのため、コピー能力は相手に合わせて取捨選択する必要があり、最初から最後まで同じコピー能力で貫き通すのは難しく、これが『上級者』に対する『工夫した遊び』要素だったようです。

一方でもちろんコピー能力の活用が前提になっている場面もあって、例えばLEVEL4のボス『クラッコ』は常に空中に浮いている1つ目の雲ですが、『ハイジャンプ』をコピーできる『スターマン』を生み出してくるため、ハイジャンプを使って倒すのが想定されています。

逆にLEVEL5のボス『ヘビーモール』戦は強制スクロールで画面外にでるとミスになってしまう中、たまに黄色と赤のミサイルを飛ばしてきて、赤のミサイルを飲み込むと『スリープ』をコピーしてしまい、動けずに画面外に置き去りにされる…なんてトラップも仕掛けられていました。

そもそもミサイルからスリープがコピーできるとは誰も想像できず、そういった意味でも『すいこむ』『はきだす』で戦うのが初心者向け…だったのかもしれません。

『仲間』や『コマンド』で少しずつ広がりを見せるコピー能力

シリーズ3作目になる『星のカービィ2』では容量の都合もありコピー能力の数が削減、前作で24種類あったものが7種類まで減ってしまいました。

しかし、代わりに『リック』『カイン』『クー』といった3匹の仲間が登場し、合体すればまた違った技を繰り出せることから、より『コピー能力』と『仲間』と『ステージ』の組み合わせを考える楽しみが生まれています。

本作も比較的コピー能力は上級者向けに設定されていて、使い方によってはボスも完封できるほど強力ですが、基本的に相手に与えられるダメージが小さく、『はきだし』による星型弾の方が倒しやすい調整になっていました。

そして、1996年にスーパーファミコンで発売された『星のカービィ スーパーデラックス』ではコピー能力の技がコマンド式になり、1つの能力で様々な技が繰り出せるようになりました。

この頃からコピー能力も非常に強力なものになり、ボスと戦ううえでもかなり有利に働きますが、『強力な技はコマンドが必要』という点では上級者向けともいえます。

特にヨーヨーの『ゲイザースパイラル』やファイターの『バルカンジャブ』連打などは、慣れないうちはなかなか思ったように使うのも難しかったかもしれません。

『ビーム』を始めとした基本的な攻撃力の低いコピー能力でも、タメ攻撃である『はどうビーム』などは十分な威力があり、『状況に応じて最適な技を使い分ける』のがこれまでのカービィにはなかった面白さだと思います。

また、これまでは横方向にしか攻撃できなかった『カッター』が下方向に飛び込む『かぶとわり』を使えたり、『アイス』に近くの敵を捕らえる投げ技が追加されたり…既存の能力にも様々な広がりを見せていました。

これまで紹介したタイトルはすべてNintendo Switch Onlineに加入することで自由に遊べるので、過去のカービィシリーズに触れたことのない方は、これを機会に遊んでみるのもオススメです。

たまには初心に立ち返って遊ぶのも良いかも

というわけで今でこそ強力なコピー能力ですが、当初は基本となる『すいこみ』と『はきだし』がより強力で、それを駆使することで攻略も安定するバランス調整になっていたようです。

コピー能力にコマンド式が採用されてからは様々なアクションができるようになり、『すっぴん』の状態では楽しみが半減…とすら感じますが、たまには初心に帰ってコピー能力を使わず挑戦してみるのも新しい発見があるかもしれません。

2023年2月24日に発売された『星のカービィ Wii デラックス』は2011年に発売されたタイトルのリメイク作であり、ベースとなる部分は変わっておらずとも、新たに『アーマー』と『サンド』のコピー能力が追加されました。

今や特別なものも含めれば100を超えるコピー能力ですが、それでも砂を操る能力などはこれが初めてで、今後どのようなコピー能力が増えていくのかも楽しみなところです。

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