【レビュー/感想】『ゼロの秘宝前編 碧の仮面』で改めて味わうワクワク感と少年の物語

4.0
ゲームレビュー
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どうも、みう太(@arai_miuta)です(ΦωΦ)

今や25年以上の歴史を持つ『ポケットモンスター』シリーズの最新作といえば『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』に他なりませんが、あと1ヶ月ほどでこちらも発売1周年を迎え、時の流れの早さを感じる今日この頃です。

本作は今でも定期的にイベントテラレイドバトルなどが開催されていて、先日はついに『ポケモンレジェンズ アルセウス』に初登場した『ヒスイジュナイパー』まで参戦、専用技『さんぼんのや』が強力でしたが何とか捕獲できました。

満を持してリリースされたDLC前編『碧の仮面』

そんな『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』といえば、DLC『ゼロの秘宝』がついに2023年9月13日から配信開始となり、パルデア地方とはまた一味違う冒険を楽しめるようになりました。

本作のDLCは前編『碧の仮面』と後編『藍の円盤』の2つに分かれていて、今はまだ『碧の仮面』しか遊べませんが、舞台となる『キタカミの里』は古き良き日本の風景を踏襲していて、『カミッチュ』や『チャデス』というまったく新しいポケモンまで登場します。

前作『ポケットモンスター ソード・シールド』のDLCは『鎧の孤島』と『冠の雪原』で完全に別のエピソードだったのに対して、『碧の仮面』は単体でも十分なやり応えがありながら、『藍の円盤』につながる物語性の強さもまた印象的でした。

リリースから1ヶ月近くが経った今であれば多少のネタバレも大丈夫かな…?と思ったので、今回は『碧の仮面』について振り返りながらレビューを書いてみようと思います!

およそ1年ぶりに味わう、新しいポケモンとの『ワクワク感』

『碧の仮面』の舞台となる『キタカミの里』はのどかな田園風景が印象的な山里で、パルデアと比べればその規模は小さいながら美しく、まさにこれまでと違った『新しい冒険』の雰囲気であふれていました。

もちろん最大の魅力はキタカミにしか生息していないポケモンの数々で、ここしばらく登場作品の少なかった『イトマル』や『アーボ』などは久しぶりを見た…という方もいたのではないかと思います。

しかし、やはりまだ捕まえたことのないポケモンと野生で出会えるのは何ものにも代えがたいワクワク感があって、およそ1年前に初めてパルデアを冒険していたような『探索の面白さ』がありました。

キタカミの里は岩手県を中心とした東北地方がモデルとされていますが、そのイメージに寄せてかどことなく日本を連想させるポケモンが多く、ロケーションごとにどのようなポケモンが生息しているのか探すのは正に『ポケモン特有の楽しみ』だったと思います。

出現するポケモンのレベルは本編の進み具合によって変化し、殿堂入り前であればレベル30~40の手持ちで十分攻略可能なのに対して、クリア後のデータだと野生のポケモンもレベル60以上あるので、なかなかやり応えのある難易度でした。

とはいえせっかくパルデアとは違う生態を持った地方であれば、キタカミで捕まえたポケモンでパーティを組んで遊んでみるのも1つの遊び方としてオススメです。

(私はダーテングやキュウコン、ユキメノコなど妖怪にまつわるポケモンを集めて旅をしました)

キタカミのマップもしっかりと作り込まれていて、いわゆる『日本の田舎』の再現度が非常に高く、バス停の時刻表を見ると1日数本しかバスが通っていない、リンゴの無人販売所が設置されている…など、私も田舎に住んでいるので共感できる部分がたくさんありました。

パルデアに比べて小規模だからこそ各地を隅々まで散策しやすく、思いがけないところでちょっと珍しいポケモンに出会えたり、野生でありながら進化後の強力なポケモンが潜んでいたり、手頃でありつつやり応えも十分あるボリュームにまとまっています。

個人的には同じく日本がモチーフだった『ポケモンレジェンズ アルセウス』のヒスイポケモンがもっと登場すると思っていたのですが、今回はほんの一部しか出てこなかったので、後編でどのように扱われるかが気になるところです。

オーガポンを巡る物語と気になる姉弟の成長

『碧の仮面』はDLCの短編でありながらエピソードも作り込まれていて、主人公が通うアカデミーの姉妹校『ブルーベリー学園』との林間学校をベースに、古くから伝えられる『オーガポン』や3匹の『ともっこ』の秘密を解き明かしていきます。

オーガポンははるか昔キタカミで暴れまわった凶悪なポケモンで、それを『イイネイヌ』『マシマシラ』『キチキギス』の3匹が鎮め里を守った…と伝わっていましたが、真実は異なっており、本来心優しい性格だったオーガポンに寄り添った物語を体験できました。

リリース前の情報ではオーガポンはタイトル通り巨大な『碧の仮面』をつけていたので、ゲーム内で素顔見たときの予想外な可愛らしさには驚いた方も多かったのではないかと思います。

そしてこのストーリーを語るうえで欠かせないのはキタカミ出身であり、ブルーベリー学園から林間学校に参加していた『ゼイユ』と『スグリ』の姉弟で、もはやこの2人が主人公といっても過言ではありませんでした。

主人公は林間学校の課題としてスグリと共にキタカミの各地を巡ることになりますが、スグリは『ともっこ』と親しまれていた3匹のポケモンより鬼のオーガポンに憧れていて、また特別な強さを持った主人公にも尊敬の念を抱くようになります。

しかし昔話に伝わるオーガポンが今もキタカミにいると知るとスグリの心境は徐々に変化、憧れだけでなくスグリ自身も強さを求めるようになり、内気で引っ込み思案だった少年が覚悟を決めて勝負を挑んでくるシーンはなんともいえない心苦しさがありました。

この物語はゲーム内でいえばわずか3日間のできごとで、照れながらも一緒にオリエンテーリングの写真を撮ったり、夏祭りを2人で回ってりんご飴を食べたり…せっかく友達になれたからこそ、スグリの変化に戸惑った方は多かったのではないかと思います。

また、ゼイユは主人公を含めた『よそ者』に対して嫌悪感を持っていたのが、物語を進める度に少しずつ打ち解けていったのも、スグリとの対比が描かれていて非常に印象的です。

しかし『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』は本編においても主人公だけでなく『ネモ』『ペパー』『ボタン』といったキャラクターの成長にスポットが当てられていて、これも後編でスグリたちがより成長するための布石…なのかもしれません。

未だ明かされていない?キタカミの謎と気になる『藍の円盤』

※ここから先はより一層『碧の仮面』のネタバレ要素を強く含みます。

『碧の仮面』はコンパクトなポケモンのDLCとしてとても良かったと思いますが、やはりあくまで『ゼロの秘宝 藍の円盤』につながる前日譚の印象もあり、早く続きを遊びたい!というのが今の正直な感想です。

物語の後編となる『藍の円盤』はゼイユとスグリが通う『ブルーベリー学園』へ舞台を移し、人工的に環境を整備した『テラリウムドーム』を冒険したり、ブルベリーグというランクマッチに参加して四天王に挑んだり、『碧の仮面』とはまた違った遊びが用意されているらしく、楽しみにしている方は多いのではないかと思います。

まず気になるのはなんといっても主人公への闘志を燃やすスグリで、敵意…とまでは言わずとも嫉妬に近い感情を抱いているようにも見え、後編ではどのようなポジションで登場するのか気になるところです。

まるで強さに憑りつかれたよう変貌ぶりですが、どうやらスグリの本質的な性格だけでなく、ともっこに関係するポケモンや、キタカミの里に残された不思議な力の影響で性格が変わってしまったのではないか…といった予想もネット上では多く見られました。

ここは後編を遊んでみなければなんともいえませんが、確かにともっこの3匹は『賢くなりたい』『強くなりたい』『美しくなりたい』と願ったことで姿が変わったといわれており、さらに『けらいポケモン』に分類されている以上は主人に当たるポケモンもいる可能性は十分あります。

ともっこが犬・猿・雉となればやはり主は桃太郎?というのがベタな予想ではあるものの、キタカミに伝わるポケモンがブルーベリー学園にもなにか関わってくるのか、オーガポンが後編でもまたカギを握るのか…前編との繋がりも注目して遊びたいと思います。

また、どうやらスグリが手持ちに連れていた新ポケモン『カミッチュ』は『しんかのきせき』が適用されているらしいので、まさかの更なる進化系が後編に登場するのではないかとも話題になっているようです。

カミッチュはまるでりんご飴のような見た目のポケモンですが、『碧の仮面』でりんご飴といえば『オモテ祭り』にてスグリが屋台で買ってくれた思い出の食べ物で、この辺りまで伏線になっているのか…?と勘繰ってしまいます。

公式の紹介映像ではブルベリーグの四天王のみならず、赤いタンクトップを着た謎のトレーナーが一瞬だけ映されていて、彼がブルーベリー学園でのスグリなのではないかとも予想されており、『碧の仮面』の頃の純粋なスグリとはやはり雰囲気がかなり違うのかもしれません。

想像以上にスグリとゼイユの物語だった

というわけで今回は『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』のDLC『ゼロの秘宝前編 碧の仮面』について簡単に感想を書いてみましたが、プレイしてみると思った以上にスグリ・ゼイユの2人が物語のカギを握っていて、後編の展開にも大きく関わってきそうでした。

わずか3日間でゼイユは主人公に心を開き、一方でスグリは主人公に対抗心を燃やすという大きな変化があり、主人公以上にこの2人がどのように描かれるのか今から気になるところです。

ゼイユが最初に思っていた以上に愉快な人だったり、後編の最後にはスグリも元の性格に戻ってほしかったり、サザレが関係するサブイベントも『ポケモンレジェンズ アルセウス』を遊んでいると感慨深いものがあったり…語りたい点は多いのですが、キリがないのでこの辺りにしておこうと思います。

個人的には物語はもちろん、やっぱり広大なフィールドで新しいポケモンに出会えることが何より楽しかったので、『藍の円盤』でも同じような楽しみが待っていると考えると、今から配信日が待ち遠しい今日この頃です。

  • 遊びやすさ
    3
  • グラフィック
    4
  • ストーリー性
    5
  • やり込み要素
    4
  • コストパフォーマンス
    3

※余談:緑の仮面については配信しながら全部遊んだので、お暇があればぜひ。

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