ルイージが実は『無鉄砲』な性格?ダッシュが滑りやすいのは過去の性格の影響だった

任天堂のゲーム
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どうも、みう太(@arai_miuta)です(ΦωΦ)

任天堂の『永遠の二番手』といえばスーパーマリオシリーズに登場する『ルイージ』ですが、2019年10月31日には『ルイージマンション3』がNintendo Switch(ニンテンドースイッチ)で発売されていて、もはや決して2番手とはいえないほどの活躍を見せています。

ヨッシーにドンキーコング、ワリオまでが主役の座を手にしていく中、2Pキャラクターとしての時代が長かったルイージも2001年に『ルイージマンション』で主役の座をつかみ取り、しっかりとシリーズとして定着してきています。

初代『ルイージマンション』はまさにお化け屋敷さながらの怖さもありましたが、シリーズを重ねるごとにコミカルで親しみやすい雰囲気が増してきて、アクションやホラーが苦手な方でも手に取りやすいゲームになりました。

最初はオバキュームの操作が意外と難しくて思ったように扱えない…!と思っても、遊んでいるうちに館に隠された様々なものを根こそぎ吸い込めるようになってくるのが楽しいポイントです。

※この記事は2019年9月30日に投稿した記事を再構築したものです。

いつからルイージは物腰柔らかな性格に?

そんなルイージといえばちょっと気弱でネガティブ、マリオに比べると大人しく、ゲーム内の言葉づかいからも物腰の柔らかい印象を受けるキャラクターです。

『マリオストーリー』の日記を付けるマメさや、『スーパーマリオRPG』の『兄さんの役に立ちたい』と願う健気さもありつつ、『ペーパーマリオRPG』では自分の冒険譚を美化して書籍化しベストセラーを記録するしたたかさも見せました。

しかしやはり基本的には損な役回りに当てられることも多く、クッパから『緑のヒゲ』『頼りないヒゲ』など名前で呼ばれなかったり、キノピオやピーチ姫にすら雑な対応をされることも少なくありません。

ところがルイージの歴史について調べてみると当初はネガティブなキャラ付けはされておらず、今では想像もつかないほど異なる性格をしていたようです。

走り出したら止まらないのは『無鉄砲』な性格から

『ルイージ』というキャラクターが初めて登場したのは、1983年にゲーム&ウォッチで発売された『マリオブラザーズ』で、この当時からマリオは赤、ルイージは緑に色分けされていました。

なお、これはアーケードで有名なコインを取り合う『マリオブラザーズ』ではなく、ビン詰め工場でベルトコンベアから流れてくる荷物を乗せ換えていくゲームで、ゲームボーイの『ゲームボーイギャラリー3』にも収録されています。

ちなみにゲームボーイギャラリー3の公式サイトでは『おまえのハートはおれのハート。おれのハートはおれのハート。』というルイージのセリフが書かれていて、今の性格とはかなり違う様子も垣間見えます。

家庭用ゲーム機『ファミリーコンピューター』が広く普及してからも『レッキングクルー』や『スーパーマリオブラザーズ』などでルイージは登場しましたが、このときはマリオの純粋な色替えキャラクターであり、能力に違いはありませんでした。

しかし1986年にディスクシステムで発売された『スーパーマリオブラザーズ2』ではマリオと性能面においても差別化され、ジャンプ力が高い代わりにブレーキが利きづらく、ダッシュするとなかなか止まれなくなっています。

多くのプレイヤーはマリオでの操作に慣れているので、ルイージの操作感に違和感を覚え玄人好みの性能ではありましたが、高いジャンプ力を活かして慣れればマリオ以上にスイスイとステージクリアできるポテンシャルも秘めていました。

ファミコン当時はマリオやルイージのセリフがゲーム内に表示されることもないので、もちろんキャラ付けも明確にされていませんでしたが、取扱説明書には『ルイージはマリオより無鉄砲に飛び上がります』と書かれていて、今のネガティブな性格からは連想しにくい説明文になっています。

ルイージが一度走り出したら滑りやすく止まれない操作感も、この性格を反映させた影響が大きく出ていて、近年もこの性能だけは変わらず引き継がれているようです。

実際にディスクシステムの起動画面や『スーパーマリオブラザーズ3』のタイトルではマリオに悪戯を仕掛けたり、マリオ以上に活動的なキャラクターとして描かれることも少なくありませんでした。

漫画がキッカケ?いつしか損な役回りの『不遇キャラ』に

そんなマリオ以上に強気な性格だったルイージも、始めこそは頼れる兄貴分として描かれていましたが、いつしか『2人プレイでなければ使われない影の薄いキャラ』の印象へとシフトしました。

その大きな原因が漫画での描かれ方で、コロコロで連載されていた『スーパーマリオくん』では強気なキャラクターが採用されていましたが、コミックボンボンで連載されていた本山一城先生の『スーパーマリオ』や、吉田戦車先生の『はまり道』などでは気の弱いキャラクターとして描かれ、それが一般層にも浸透していった影響があります。

個人的にも本山先生の漫画は何冊か持っていましたが、やはりマリオが主人公である以上『ルイージが兄貴分』というのは使いにくかったのかもしれません。

結果、任天堂のゲームにおいてもルイージは落ち着いた性格に移り変わり、1995年にスクウェアが開発した『スーパーマリオRPG』の説明書では、すでに丁寧な言葉でナビゲートをするキャラクターに変更されていたようです。

その後の『マリオストーリー』などにおいても1人で留守番をしていることが多かったですが、『ペーパーマリオRPG』では自分の冒険を美化して話すことから悪い印象を持たれ、会話の途中で居眠りをされたり不遇な扱いが増えてきました。

『マリオ&ルイージRPG』ではメインキャラクターの1人にも抜擢されていながらギャグ要素も担当していて、マメーリア王国の警備兵にすら『ルーなんとか』と呼ばれるほど雑な扱いをされています。

宮本さん曰く、一時期は『冷めているキャラ』に…?

ルイージの出番は一時期かなり少なくなり、『スーパーマリオRPG』には説明書とエンディングのみの登場、ベビィの姿で描かれた『ヨッシーアイランド』でもゲーム本編には絡まず、『スーパーマリオ64』に至ってはまったく出番がありませんでした。

その影響からルイージの控えめなイメージは強くなり、ニンテンドーオンラインマガジンの『宮本茂の推薦文』でも

そうそう、彼の弟のほうですけどね、ルイージはちょっとさめてるヤツなんです。「どーせ主役にはならへん」と、ナメてかかってる(笑)。次男なんでね、要領よく休むんですよ、ボクといっしょで(笑)。

と、生みの親である宮本さんもルイージを『どうせ主役にならないからナメてる』と紹介していて、少し冷めた落ち着いたキャラクターだと認識していたようです。

しかし、当時の記事はドルフィン(ゲームキューブ)の開発真っ最中であり、『ルイージマンション』の制作も裏では決定していたので、『彼を主役にしてあげたいっていつも思ってる』と、次は彼が主人公になることをちょっとだけ示唆したコメントも残しています。

そして『ルイージマンション』で初の主人公(※)を飾り、オバケが苦手で怖がり、ネガティブで大人しい、という性格も確固たるものになりました。

※実は他社が任天堂のライセンスを得て、『Mario is Missing!』というルイージが主役のゲームを1992年に発売していたりします。

その後『大乱闘スマッシュブラザーズ』でも隠しキャラとして登場し、マリオに比べてコミカルな動きが多かったり、『ネガティブゾーン』という『最後の切りふだ』が使える作品があったり…スタンダードなマリオ以上の個性を確立しました。

ちなみにルイージの名前は『マリオの類似』からきたという説がありますが、それは後から付けられた俗説であって、実際はイタリア人に多く語呂の良い名前を選んだ結果となっています。

…が、こちらもニンテンドーオンラインマガジンの『マリオ誕生にまつわるエピソード』では

ちなみに弟分のルイージは、マリオに類似してるからルイージ・・・・らしい!?

とも書かれていて、任天堂も『そういうことにしちゃえ』感があったように思えます。

これは1999年の記事ですが、この頃からすでに任天堂も少しずつルイージを面白おかしく扱い始めていたのかもしれません。

昔の公式サイトや記事は読むと結構面白い

『キャラクターの性格』は今やWikipediaを見れば簡単に調べられますが、今回はそれに付随して昔のニンテンドーオンラインマガジンが面白かったので記事にしてみました。

走り出したらすぐには止まれない無鉄砲な性格…だったハズが、いつしか生みの親である宮本さんにも『冷めてる次男』と言われるようになり、今では『永遠の2番手』として揺るぎない地位を築いています。

ルイージが漫画で『おれ』と言っているのは見たことがある人もいると思いますが、『ゲームボーイギャラリー3』のサイトのように公式で『おれ』と書かれているのは貴重かもしれません。

今となっては無鉄砲な性格はほとんど見られず、『ジャンプが高くて滑りやすい』という個性だけが引き継がれているのも、このように歴史を紐解くと興味深いところです。

コメント

  1. 匿名 より:

    >少し冷めた落ち着いたキャラクターだと認識していたようです。

    この性格が反映されているのはマリオゴルフ64で、オープニングで出てくるワルイージを冷たくあしらうシーンがあるので、少なくとも64時代はそういうキャラ付けをされていたようです。
    転機になるのはGCのルイージマンションで、あの頃からビビリで臆病というキャラが定着、ナメてかかっていたワルイージにもマリオパーティ4の公式イラストで鼻に指を突っ込まれるなど、臆病なキャラが定着していったということでしょう。

    • 64でルイージも3Dになって、そこからだんだんキャラ付けがされていった感じですよね。
      とはいえ当初のような無鉄砲な性格だったら他の仲間からいじられる事もあまりなく、ルイージマンションも発売されるか分からなかったので…、結果的に良い方向に転んだ代表的なキャラクター…なのかもしれません。

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