【レビュー/感想】『溶鉄のマルフーシャ』はタワーディフェンスと荒廃した世界観の融合が素晴らしい

ゲームレビュー
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どうも、みう太(@arai_miuta)です(ΦωΦ)

2022年も気が付けば8月に入り、楽しみにしていた『スプラトゥーン3』の発売も近づいてきた今日この頃ですが…、早く遊びたいという一方で買ったきりの積みゲーをちゃんと消化しなければ…という気持ちも強くなってきました。

先日も『The First Tree』や『Luna’s Fishing Garden』といったインディーゲームのレビュー記事を書きましたが、まだまだ遊びたいゲームはまさしく山のように残っているのが現状です。

可愛らしい少女と戦争が絶えないディストピアの世界

そんな中、少し前の『Steam サマーセール』にて購入したゲームに『溶鉄のマルフーシャ』というタイトルがあったのですが、こちらは空いた時間に遊びやすいテンポの良さがありながら、作り込まれた世界観が素晴らしいとても面白いゲームでした。

主人公の『マルフーシャ』はパン屋で働く少女でしたが、突如人員不足による緊急徴兵を命じられ、隣国からの侵攻を食い止める外壁防衛任務に就くことになります。

操作はキーボードの移動とマウスクリックによる射撃だけのシンプルなもので、祖国の門を破壊しようと向かってくる機械兵をすべて撃ち落とせばクリアの『シューティング』と『タワーディフェンス』を組み合わせたような、誰でも遊びやすいものに仕上がっています。

ストーリーモードは1時間ほどでクリアできるお手軽さですが、マルチエンディングなため繰り返し遊びたくなる魅力もありますし、マルフーシャを始めとした少女たちの細かいアニメーションもとても可愛らしいです。

一方でその世界観は戦争に明け暮れる非常に重たいもので、過酷な使命を背負った少女たちがどのような結末を迎えるのか…ぜひ遊んでみて欲しいので、今回は簡単ながらレビューを書いてみようと思います!

マルフーシャを強くしながら門を守り抜くやり応え

マルフーシャの祖国『カゾルミア』は隣国との戦争状態が続いていて、ときおり防衛ラインを突破した敵が国に入り込み門を壊そうと向かってくるので、それを撃退するのがマルフーシャに課せられた任務になります。

マルフーシャは最初からハンドガンを装備していますが攻撃手段としてはやや心もとなく、マルフーシャ本人も決して高い能力を持っているわけではありません。

しかし防衛任務は1日こなすごとに国からお金が支給されるので、うまく所持金を管理しながら新しい武器を購入したり、共に戦ってくれる仲間を雇ったり…押し寄せる敵に対抗するための準備を整えながら戦います。

1日の始まりにマルフーシャにはランダムで3枚のカードが提示され、そこには『攻撃力アップ』や『連射力アップ』などのパワーアップだったり、『アサルトライフル』や『ショットガン』などの武器だったり、『サブマシンガン兵』や『上級狙撃兵』などの雇える仲間だったり…様々なものが描かれていますが、お金を払って1枚手に入れることができます。

あくまでランダムなので欲しいパワーアップカードが手元に来ないこともありますが、強力な武器や仲間は必要になるお金も多いので、不要なものは買わずに翌日まで取っておくのも1つの手です。

中でも重要なのが武器で、手に入れた武器には耐久度が定められていて1日経つごとに1ずつ減っていき、0になると強制的にハンドガンで戦わなければなりません

そのため壊れる前に新しい武器を購入しなければなりませんが、手元に届くカードがランダムなため耐久値ギリギリまで使っていると欲しい武器が引けない可能性も出てきますし、かといって欲しい武器だからとすぐに買い替えれば出費がかさむ…という選択を常に迫られます。

雇用できる仲間にはそれなりの費用が必要ですが、単純に戦力が2倍になると考えるだけでも十分強いのでできるだけ早く雇っておきたいところです。

仲間は同時に1人までしか雇えないので、例えば『サブマシンガン兵』が仲間の状態で『アサルトライフル兵』を雇うとサブマシンガン兵はいなくなってしまいますが、サブマシンガン兵が仲間の状態でさらにサブマシンガン兵のカードを選ぶと仲間のレベルが上がるので、そちらも意識すると攻略が少し楽になるかもしれません。

物語を進めるごとにマルフーシャの活躍も評価され給金が増える…と思いきや、こちらの活躍が認められるたびに『住民税』や『消費税』などの導入で徴収が増え、思ったように所持金は増えません

そのため何を優先してパワーアップするかを考えながら、ときには出費を抑えて欲しいカードが出てくるまで待つ…というお金の使い方が重要です。

ストーリーモードはマルフーシャの100日間を描いたもので、後半になればなるほど敵の侵攻も激しくなりますし、ある程度自分好みの育て方ができるのもかなりやり応えがあると思います。

心に残る世界観と作り込まれた設定の数々

メインモードを始めると最初にちょっとしたプロローグが挿入されますが、普通の少女だったマルフーシャが突然徴兵され妹と引き離される様子は、それだけでこの国が普通ではないことを表しています。

事実マルフーシャの祖国『カゾルミア』のテレビでは『偉大なる指導者の歴史』が特集されていたり、ラジオからは『仕事は重く、命は軽く』『赤い国旗は正義の印!』と四六時中流れていたり…、国民に対する意識の統一が図られていたようです。

国民にも等級で明確なランク付けがされていて、特に10等級以下の国民は人権がなく人間として認められていないため、実際に物語の途中でサブウェポン『地雷』の使用が許可されるのですが、その通知には『地雷により低級民に被害が出た場合、報告は不要です』と書かれています。

マルフーシャは5等級国民の中流階級で下級民ではありませんでしたが、それでも活躍が評価されてから住民税や国民税が徴収されている…ということはやはり良い扱いはされていなかったのかもしれません。

全体的にかなり重たい描写が見られますが、このゲームは10日ごとにマルフーシャと仲間との宿舎の様子が描かれて、例えばサブマシンガン兵の『ベルカ』はトゲトゲした言葉遣いでありながら世話焼きな性格で常にマルフーシャを気遣ってくれたり、上級サブマシンガン兵の『ストレルカ』を雇うと部屋が本だらけになったり…、荒廃した世界でもキャラクターへの親しみやすさを感じるのが印象的です。

マルフーシャに基礎的な進め方をアドバイスしてくれる監査官『ライカ』もどこか幼さを残していて、わざわざゲームの画面一部を切り抜いたパネルを作って説明してくれたり、そのためにインクを使いすぎて上官に怒られ泣いていたり…短い物語の中でもキャラクターへの愛着を持つようになります。

しかし仲間として雇える少女たちにも細かく設定が練られていて、例えば上級狙撃兵の『フェリセット』は天才的な射撃の腕を持っていますが常に眠そうで、自分の食事や入浴すらマルフーシャに手伝ってくれないかお願いしてきますが、これは過去に誤射で仲間を射殺してしまった経験から自堕落な性格に変貌した経緯があります。

他の仲間たちに関する設定も『コレクション』に詳しく記載されているので、メインモードをクリアしてから改めて見てみるとより深く楽しめるかもしれません。

繰り返し遊べるメインモードとチャレンジモード

『溶鉄のマルフーシャ』のメインモードは100日間を戦い抜くのが目標になるので、ゲームプレイでいえば1時間程度でエンディングまでたどり着けます。

それだけ聞けばボリューム不足…にも感じるかもしれませんが、本作は10通りものエンディングが用意されているので何回も繰り返し遊ぶ意味があります。

特に『仲間に誰を雇ったか』が重要で、その選択よって宿舎で特別なイベントシーンが挿入されたりエンディングの中身が分岐したり…毎回違った仲間を雇って遊んでみるのも面白いです。

マルフーシャが最後にどのような結末を迎えるかはぜひプレイして確かめて欲しいところですが、作者へのインタビュー記事によれば『当たり障りのない中身で忘れられるくらいなら爪痕が残るものにしたかった』と答えていて、だからこそここまで印象的な世界観が描かれているのだと思います。

インタビュー記事はこちら(ネタバレを含みます)

メインモードとは別に何日間生き延びれるか記録を目指す『チャレンジモード』も用意されていて、こちらは日が進むごとにメインモードより苛烈な攻撃をしのがなければなりません。

チャレンジモード最大の特徴がマルフーシャだけでなくベルカやフェリセットなど別の少女も操作できる点で、1人1人に細かくステータスも設定されています。

マルフーシャはすべての能力がバランスよく欠点がありませんが、例えばフェリセットだと攻撃力と連射力が非常に高い代わりに移動速度が遅かったり、軽機関銃兵のエノスは攻撃力が低い代わりに毎日門の耐久値を回復する能力を持っていたり…、それぞれ違った長所を活かした立ち回りが必要です。

宿舎では選択したキャラクターに応じて休息の様子が見られて、食事や入浴に関するアニメーションまで個別で作られているので1人1人順番に遊んでみるだけでも面白いと思います。

もちろんお金を払えば仲間を雇うことも可能で、組み合わせによってはチャレンジモードでしか見られないイベントが用意されているので、メインモードよりチャレンジモードの方が好き…という方もいるかもしれません。

短くても長く遊べる工夫が凝らされていた

というわけで今回は『溶鉄のマルフーシャ』について簡単なレビュー記事を書いてみましたが、メインモードは1時間程度でクリアできるカジュアルなものながら、複数のエンディングや育て方で何回も繰り返し遊べる工夫が凝らされていました。

グラフィックから世界観まで深く作り込まれていて、かつあえて祖国の情勢をゲーム内で詳しく語らないことで考察の余地も大きいので、マルフーシャの未来がどうなるのか…遊べば多くの人が引き込まれるのではないかと思います。

ただ、グロテスクな表現はありませんがあまりに過酷な環境を生き抜く少女の物語なので、そういった表現が苦手であればあまり手を出さない方が良いかもしれません。

とはいえこの『溶鉄のマルフーシャ』はゲームとしても物語としてもクオリティが高いので、シューティングやタワーディフェンスが好きであれば間違いなくオススメできるタイトルです。

Steamでの購入はこちら

  • 遊びやすさ
    4
  • 飽きにくさ
    3
  • ストーリー性
    5
  • やり込み要素
    3
  • コストパフォーマンス
    4

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