【レビュー/感想】2人協力ゲーム『違う冬のぼくら』はパズルと物語の作り込みが深かった

4.0
ゲームレビュー
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どうも、みう太(@arai_miuta)です(ΦωΦ)

任天堂などの王手メーカーだけでなく、様々なインディーゲームも注目を集めるようになった近年ですが、クオリティもさることながらアイデアで勝負しているタイトルも多く、面白そうなゲームが次から次へとリリースされて何を買おうか悩む今日この頃です。

2023年4月6日には個人的に好きな『溶鉄のマルフーシャ』のコンシューマー版が発売されたり動きも活発で、なんとかアンテナを伸ばしていろいろなゲームに触れたいな…と思います。

2人プレイ限定の協力パズル『違う冬のぼくら』

そんなSteamは定期的に大型セールが開催されていますが、2023年3月のスプリングセールで友人に『違う冬のぼくら』というゲームを教えてもらい、実際にすべての実績を解除するまで遊んでみました。

本作は『2人プレイ限定』のアクションパズルゲームで、1人ではどうやってもクリアできず、またお互いの通話も必須という前提はあるものの、その柔らかみのあるグラフィックは多くの方が興味をひかれるのではないかと思います。

(現在アーリーアクセス版ですが、ゲームの本編は完成しており、物語も最後まで楽しめます)

本作は『ひとりぼっち惑星』などのタイトルで知られるクリエイター『ところにょり』さんが開発したゲームで、PVには『2人プレイ専用友情確認ゲーム』と、ちょっとだけ不穏な紹介もされています。

そもそも2人プレイはややハードルが高く感じるかもしれませんが、本作は1人が製品版を購入していればもう1人は無料版で一緒に遊べるため、その辺りのサポートもありがたいところです。

様々なギミックが盛り込まれたパズルはやり応えがあり、ぜひいろいろな方に『友情確認』してみてほしいので、今回は簡単なレビューを書いてみようと思います!

Steamでの購入はこちら(価格:1,420円)

唯一無二の親友だった2人の少年が立ち向かうアクションパズル

『違う冬のぼくら』は2人で遊ぶゲームなのもあって、『赤いマフラーの少年』と『青い服の少年』の2人の主人公が登場し、ゲーム開始時にプレイヤーはどちらを操作するか選ぶことになります。

2人は一緒に『パケットモンスター』というゲームを遊ぶほど仲が良く、まさに唯一無二と呼べる大親友ですが、お互いに家族に関する悩みを抱えていて、どこか達観したような後ろ暗さも見え隠れするのが印象的です。

少年たちの住む町には山のてっぺんに巨大な『町長の石像』が建てられていて、『見下されているようで気に入らない』と話の盛り上がった2人は、花火で作った爆弾でぶっ壊してやろう!と頂上を目指します。

本作の操作は『移動』『ジャンプ』『モノを掴む』の3つが基本なので、アクションゲームに慣れていない方でも迷わず遊べるうえに、ゲーム序盤はチュートリアル的な簡単なパズルも用意されています。

『2人で協力』が前提である本作は、シーソーに2人で乗って高台へ届くようにしたり、下ルートの少年が干し草のカゴを動かすことで上ルートの少年が飛び降りれるようにしたり…、まさにお互いの意思疎通がなにより重要なゲームデザインになっていました。

2人の少年はあまりに高いところから落ちたり、水に落ちるとミスになってしまいますが、こまめにオートセーブされてすぐにリトライできるため、『とりあえずやってみる』精神は大切だと思います。

最初から最後まで遊んでみたところ、アクションパズルとしての作り込みはしっかりしていながらも、2人で相談して『ああじゃないか』『こうじゃないか』と進められたので、そこまで『どうしても分からない!』とはならず、ちょうどいいゲームバランスに感じました。

完全初見の状態で1周クリアするのにかかった時間はおよそ5時間で、私は2回に分けてプレイしましたが、やはり謎解きをずっとやり続けるのは集中力を切らしやすいので、うまく時間を合わせて友達と遊んでほしいと思います。

なお作者のところにょりさんは『プレイした二人が唯一無二の親友になればいいな、もしくは壊滅的に喧嘩して絶交すればいいなと思いながら作った』とTwitterでつぶやいているので、それだけ『友情確認ゲーム』のコンセプトを大切にされている…のかもしれません。

近くて遠い『違う世界』を見ている2人の少年

ここまで紹介した内容だとスタンダードな2人協力ゲームに思えますが、本作の最大の特徴が、物語の途中で『お互いに見えるものが違ってくる』点です。

少年たちが山の頂上を目指す途中で、2人は腐敗したシカの死体を発見し、近づいてみたところ気分が悪くなって意識を失ってしまいます。

気を失っている間にいくつもの人間の顔がくっ付いたような怪物が2人に近寄り、目が覚めると世界の風景が一変、少年たちまで人の姿ではなくなっていました

お互いに『何でこんなことに?』と相談すると、どこか話が噛み合わなかったり、伝えたいものが伝わらなかったり、なんとなく会話に齟齬があることに気づきます。

これは2人の認識している世界の形が違うからであって、赤いマフラーの少年はすべての生き物がニコニコした動物に見える『動物の世界』なのに対し、青い服の少年はすべての生き物が朽ち果てたロボットに見える『機械の世界』に見えていて、まさに『近くにいるのに遠い存在』という表現がピッタリの状況です。

同じ場所にいるのに見えているものが違うため、これはゲームプレイにも大いに影響して、例えば青い服の少年を操作している人が『十字架の場所まで木箱を運ぶね』と言っても、赤いマフラーの少年には十字架とは違ったものが見えているので、より意志の伝達をしっかりしなければなりません。

物語の中盤に差し掛かると、片方には巨大な岩に見えているのにもう片方には小さな箱に見えていて動かせたり、片方には凶暴な野犬に見えていてももう片方には敵意のないロボットに見えたり…、存在そのものの認識すらズレが出てきます。

自分にはできないことも、友達の視点ではできることが大いにあるので、まず『自分の画面にはこれがある』『自分にはこれがこう見えている』など、こまめに教えてあげるのが謎解きを解くうえでも大切です。

終盤は片方がカメラとなって指示を出し、もう片方がそれに従って動かす…なんて場面もあるのですが、ここは少しアクションの要素が強くなっているので、慣れていない人にはちょっと難しいかもしれません。

見えているものが違うからこそ深まる『世界の謎』

少年たちは冒険の途中でとある夫婦に出会うのですが、2人とも認識している世界が違うため、赤いマフラーの少年にはライオンとヒツジの夫婦、青い服の少年には背の高いロボットの夫婦に見えていて、受ける印象も大きく変わってきます。

しかしどうやら話を聞く限り、夫婦には少年たちが普通の人間の姿に見えているようなので、『どの世界が本当の姿なのか』は本作の1つのテーマでもあるようです。

ゲームの途中ではたびたびイベントシーンが挿入されて、2人の会話を中心に物語が展開されますが、ときとして人生を分かつような『重要な決断』を迫られることもあるかもしれません。

その選択によって大幅に物語が変わることはありませんが、選択肢は2人の意思を合わせなければ先には進めず、『それを選んだことであなたはどう思うか』が問いかけられているようにも感じました。

また、イベントによっては2人が別々に行動することもあって、そこでは『その少年の世界だからこそ』得られる情報もあり、それがお互い近くにいたらどのように見えていたのか…考えれば考えるほど謎が深まります。

そして世界の法則が違うからこそお互いの世界に干渉することもできて、例えば『機械の世界』では少年自身もロボットの体になっているため、体の一部をパーツとして取り外しても動くことができます。

しかしもう片方の『動物の世界』からすれば、友達は生身の生き物の姿で見えているので…、体がバラバラでも生きている『その世界ではあり得ないこと』が実現しており、世界のズレが常識にもズレを生んでいるのは面白いところです。

また、この冒険において2人に大きな影響を与えるのが、山で出会う『ハル』という謎の少年で、『動物の世界』と『機械の世界』に閉じ込められた2人でも、なぜかハルだけは人間の姿で認識できる不思議な存在でした。

彼がいったい何者なのか…は実際にゲームをプレイして確かめてみてほしいですが、もしかしたら2周目をプレイして、お互いに両方の世界を体験してこそ分かることもある…かもしれません。

自分の感性を信じて『友情確認』してみてほしい

というわけで今回は簡単に『違う冬のぼくら』というゲームについて紹介してみましたが、アクションパズルとしての面白さはもちろん、『友達とのコミュニケーション』が重視されるコンセプトはなかなか珍しいと思いました。

公式サイトで『誰と一緒に遊ぶのかを決めるところから、このゲームは始まっています』と紹介されている通り、誰と遊んでどのように意見を交わしていくのか…それが本作の本質でもあるように感じます。

プレイヤーの感情を強く揺さぶるテーマが描かれていますが、一方で文学的な言い回し、哲学的な考え方もちらほら見られるので、物語を重視するより『とにかくゲームを遊びたい!』という人には少し向かないかもしれません。

ちなみに私は友人と配信しながら遊んでアーカイブも残っているのですが、見てほしいと思う反面、絶対に初見で遊んだほうが最大限楽しめるので、全編見るのではなく、なんとなく序盤の雰囲気だけ掴んでもらえたら嬉しいな…と思います。

Steamでの購入はこちら(価格:1,420円)

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