どうも、みう太(@arai_miuta)です(ΦωΦ)
今やゲームの種類は数えきれないほどあって、私はわりとどんなジャンルでも手を出すのですが、たまには『なんだこのゲーム…?』と思うような未知のタイトルにも触れたくなる今日この頃です。
あまりに突飛な設定でありながら、ゲームとしてはしっかりと作り込まれているものも意外と多く、Steamでストアを見て回るだけでも楽しくなってしまいます。
力士が島を大冒険するアクションパズルゲーム
少し時間は遡りますが2022年の年末、Steamのホリデーセールで面白いゲームがないか探していたところ、『Sumoman(スモーマン)』という名前の通り『相撲』をモチーフにしたゲームを見つけました。
相撲といえば1対1の対戦型ゲームを想像しますが、本作は横スクロールの2Dアクションゲームで、その意外な取り合わせが気になっていた人は私以外にも多かったらしく、後々調べてみたらかなり有名なタイトルだったようです。
実際に遊んでみると難易度もかなり高かったですが、力士がおぼつかない足取りで村やお城を駆けまわるのは見るからにシュールで、いわゆる『バカゲー』でありながらゲームとしてのクオリティも高く、思わず熱中してしまう中毒性がありました。
その独特な操作感からすべての人にオススメ!…とはいえませんが、個人的には買って損のないゲームだったと思うので、今回は簡単にレビューを書いてみようと思います!
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おぼつかない足取りの力士をどれだけ動かせるか
本作の主人公である力士は、相撲大会の途中に祖母から不可解な知らせを受け取り、まわしの恰好そのままで急いで生まれ故郷の島まで戻るところから始まります。
渡し船の船頭は力士を小舟に乗せ島まで向かいますが、普段は見かけるはずの漁師の船が島の周りに1隻もなく、島にたどり着いた途端に船頭も眠ってしまいました。
島に上陸するとどうやらすべての島民が眠っているようで、力士はこの謎を解き明かすためまずは実家に向かいますが、物語を進めるごとに想像以上に大きな事態になっていることが分かります。
力士は基本的に左から右へ進み、最後のゴールまでたどり着けばステージクリア…とシンプルなものですが、実際に触ってみてまず思うのが、力士のあまりに不安定なアクションに他なりません。
力士はまっすぐ歩くだけでもどこかバランスが取れていないような足取りで、ちょっとした段差に躓いて転んでしまったり、ただジャンプしただけなのに着地に失敗したり…その思い通りにいかない操作性に面食らうと思います。
そして何より困るのは、一度転んだ力士はまさかの自力で起き上がれず、そのまま地面でバタバタもがいたまま動けなくなってしまうことです。
つまり『力士が転ぶ = ミス』といったゲームバランスで、これが難易度の高い主な要因なのですが…、実はこの力士、どういうわけかEnterキーを押し続けると時間を巻き戻せて、自分が転ぶ前の世界からやり直せます。
巻き戻せる時間には限りがあるため万能ではないものの、どうやら公式の説明文によれば力士が時間を逆行できるのは常識的なことらしく、この能力を駆使してステージクリアを目指すのが基本になります。
力士は本当にすぐ転んでしまうので、何回も何回も時間を巻き戻すことにはなりますが、不自由な主人公だからこそ突破できたときの快感は格別なものがありました。
木箱を押して壊して考えながら進む骨太パズル
序盤のステージを遊んでみるとそこまで特別な仕掛けもなく、『Getting Over It』のように自由の効かないキャラクターを操るアクションゲームなのかな…?と思いがちですが、実は本作の最大の魅力はかなり本格的なパズル要素にあります。
※Getting Over It / 壺に入った男がハンマーだけで山登りをするゲーム
主人公は現役の力士らしく非常にパワフルで、島のいたるところに落ちている木箱を押したり、ときには壊すことすら可能です。
先に進むにはこの木箱が必要になる場面も多く、単純に押し込んで足場にすることもあれば、上から落として積み重ねたり、水辺に浮かべて飛び石にしたり…様々な活用法があります。
また、力士は四股を踏んでからの『スモーアタック』と『スモーシェイク』ができて、スモーアタックは横方向に強力なタックルを繰り出し、木箱を思いきり突き飛ばしたり、ひび割れた壁やブロックを壊すことができます。
特に木箱の突き飛ばしは必須のテクニックで、力士では通れない狭い通路の先に木箱だけを送ってスイッチを押す…なんて仕掛けも見られました。
スモーシェイクは力士がその場でジャンプして周囲に地響きを起こし、画面内にある木箱や木の板など軽いものを少し浮かせたり、位置をずらしたりできます。
力士は崖を掴んで登るような器用なアクションができないので、高所にあるオブジェクトにはなかなか干渉が難しいですが…、これによって高いところにある木箱を振動でずらして落とすなど、工夫次第でより行動範囲を広げられます。
ただし、忘れてはならないのが本作はもともと操作性の悪いゲームなので、木箱を正しく配置できたとしてもそれにジャンプで乗るのが難しく、まったく狙っていないのに体がぶつかって木箱を押してしまったり、乗り損ねて転んでしまったり…思い通りに動けるとは限りません。
もし『詰み』状態になってしまった場合はDeleteキーを押すことで中間ポイントまで戻れますが、苦労して突破した場所ももう1度やり直しになってしまうので、できれば力士の巻き戻し能力でカバーできるよう、早め早めの巻き戻しが重要…かもしれません。
求められるアクション、増えるギミックとパズル
『Sumoman』は全部で14ものチャプターが用意されていて、ちょっと意外…というと失礼かもしれませんが、思った以上のボリュームがあります。
しかし当然終盤のチャプターになればなるほど求められるアクションやパズルが増え、ギミックの突破も一筋縄ではいきません。
例えばチャプター7の『忍者道場』はまさに忍者の拠点らしく、奥から手前に壁がせり出してきて押し出されたり、飛び乗った足場が落とし穴のように開いて落とされたり…、単純にアクションゲームとしてかなりの難易度になっています。
せり出す壁も開く足場もできるだけスピーディに駆け抜けたいところですが…ここでも主人公の動きの悪さが目立ち、振り向くだけでワンクッションかかる力士にはなかなか高いハードルです。
チャプター9ではどういうわけかちっぽけなイカダに乗っての川下りになり、限られた狭いエリアで障害物をかわしたり、足場に飛び乗ったりとせわしなく、基本的に何度も繰り返しながら仕掛けを覚えていくのが前提のように思えます。
パズル要素もチャプターが進むと木箱の押し引きだけでなく、滑車の付いたリフトに箱を乗せて下におろす、水門を開けて水の浮力で箱を浮かべる…などなど、こちらも考えることが段違いで増えていきます。
私は基本的にできるだけ攻略情報などを見ないでプレイしていますが、ときとして木箱のやりくりがうまくいかず、足場が足りなくて30分くらい試行錯誤を繰り返した…なんて場面も少なくありませんでした。
特にチャプター13の『ダンジョン』は『プリンス・オブ・ペルシャ』というゲームをモチーフ(というかすべて同じ構成)にしたマップなのですが、ジャンプで天井を突っつくと崩れて新しい道ができたり、原作を知らない人にはちょっと分かりにくいギミックが多かったと思います。
プリンス・オブ・ペルシャでは崖に掴まって登ったり、逆に崖からゆっくり下に降りたり様々なアクションがありましたが、この『Sumoman』ではもちろんそんなアクションはできないので、単純に難易度も高くなっています。
目指すは横綱?あまりに深いやり込み要素
全体的に高い難易度ではありますが、ただクリアを目指すだけであれば、謎解きとアクションのコツさえ掴めば7~8時間程度でできると思います。
しかし、この『Sumoman』にはいたるところにカラフルな『巻き寿司』が隠されていて、入手した数に応じて力士のランクが『序の口』『序二段』『三段目』…と上がっていきます。
ランクが上がるとどうなるか…といわれれば具体的なメリットはありませんが、力士の腰に巻いている『まわし』がだんだん豪華になり、力士らしく『横綱』を目指すのが最大の目標…かもしれません。
(私はまだ小結までしか上げられていません…!)
しかし巻き寿司は全部集めようとすると非常に大変で、もしコンプリートできたとしたらそれは類まれなる集中力とゲームセンスを持っていると思います。
普通のジャンプでは届かないほど高い位置に浮いている巻き寿司をどうやって取るか、動き続ける足場を乗り継いで巻き寿司までたどり着けるか…など、より難易度の高いパズルやアクションに挑む必要もあり、本編クリア後にもやり込み要素としては十分なボリュームです。
また、私はまだ遊べていないのですが、実は本作には『2人プレイモード』があって、友人と画面分割しレース形式の対戦ができます。
残念ながらオンラインには対応していませんが、Steamであれば『Remote Play Together』機能を使い、ローカルプレイを疑似的にオンラインで遊べるので、挑戦してみるのも良いかもしれません。
対戦形式となればもちろん勝ち負けは付くものの…このゲームはもともと完璧なクリアを目指すだけでなく、自分でも予期しなかったはちゃめちゃな動きを『なんだそれ!』とツッコミながら遊ぶのが面白いので、間違いなく盛り上がることは保証できます。
ただし、普通に歩き続けることすら難しい本作はプレイスキルが顕著に出るのも確かなので、お互いにある程度プレイ済みであるとより楽しいのかな…と思います。
まずはシュールなその世界を楽しもう
というわけで今回は『Sumoman』について簡単なレビューを書いてみましたが、もしかしたらこの記事を読むと『とにかく難しそう…』と感じるかもしれません。
確かに難易度の高いことに間違いはありませんが、それよりもちょっとした段差で躓く、ジャンプしただけで転ぶ、走っただけでバランスを崩す…など、思わず笑ってしまうようなシュールさがあってこその本作だと思うので、まずはこの独特な世界そのものを楽しんでほしいと思います。
どうやっても思い通りに動かせなくて先に進めなかったり、何回やり直してもパズルの答えが分からなかったり、人によってはそういった『詰み』ポイントがストレスにも感じる場合もあるので、そこまで根を詰めず、暇なときに少しずつ進めていくくらいがちょうど良さそうです。
また、どうしてもそのチャーミングな力士に注目してしまいますが、地味ながらグラフィックもBGMもクオリティが高いので、もし機会があればそちらも注目してみてください。
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