【レビュー/感想】『遊戯王 マスターデュエル』は20年ぶりのデュエリストでもカードが楽しめた

ゲームレビュー
広告

どうも、みう太(@arai_miuta)です(ΦωΦ)

昔はお店で購入するのが当たり前だったゲームも、近年では『ニンテンドースイッチオンライン』のようなサブスクリプションで過去のタイトルが遊べるようになったり、『APEX』や『フォートナイト』のように基本無料で楽しめたり…、かなり気軽で身近なものになったなぁと感じる今日この頃です。

据え置きハードのゲームはもちろん、最近はSteamなどでもセールの度に色々買っていた結果遊べていないタイトルがどんどん増えてしまったので、今年はできるだけ多くのゲームをクリアするのが密かな目標だったりします。

圧倒的なカードプールの『遊戯王 マスターデュエル』

そんな気軽に遊べるゲームが増えている昨今、2022年1月19日にカードゲーム『遊戯王』を再現した『遊戯王 マスターデュエル』が突如リリースされ、基本無料で本格的な遊戯王が楽しめると大きな話題になりました。

1999年から現在までにわたって発売された10,000種以上のカードがほぼすべて収録されていて、およそ20年前に少し遊んでいただけの自分には知らないカードだらけでしたが、それでもそれだけのカードプールが再現されているのは『どんなデッキを組んでみよう』とワクワクするところです。

昔の知識のままだと想像以上に複雑になっていた遊戯王ですが、リリースから1ヶ月ほど経った今でも楽しく遊び続けていて、ちょっとずつ自分の思ったようにカードが動かせるようになってきました。

というわけで遊戯王に関してはまだまだ駆け出しの状態ですが、この『遊戯王 マスターデュエル』を1ヶ月遊び続けてみた簡単な感想やレビューを初心者目線で書いてみようと思います!

入り口は広いけど覚えることもとても多い

まず現代の遊戯王に触れてみて真っ先に感じたのが『カードの効果の複雑さ』で、昔のように能力の高いモンスターカードを入れれば勝てる…というような単純なものではありませんでした。

もちろん効果モンスターや魔法カードなどは以前から多くの場面で使われていましたが、相手のモンスターを破壊できる『人喰い虫』といったカードよりも、デッキから特定のモンスターを手札に加えられたり、墓地から条件に当てはまるカードをフィールドに戻せたり、効果を組み合わせていかに強力なコンボを作れるかが今では重要視されています。

強力なモンスターを使うには複数のモンスターをリリースして召喚する『アドバンス(生贄)召喚』や『儀式召喚』、『融合召喚』などが古くからありましたが、今では『シンクロ召喚』『エクシーズ召喚』『リンク召喚』『ペンデュラム召喚』などなど…、召喚1つを取っても様々な手段が追加されました。

シンクロ召喚するには『チューナー』と呼ばれるモンスターが必要だったり、エクシーズ召喚には同じレベルのモンスターを複数並べる必要があったり…、まずは召喚のルールから覚えなければ場に出すことさえ少し難しいかもしれません。

しかし、マスターデュエルではできる限り初心者にも手を出しやすいように配慮されていて、基本的な魔法や罠カードの使い方から、特殊な召喚方法を活用したカードの動かし方までチュートリアルが用意されています。

また、今の遊戯王では『ブルーアイズデッキ』や『ブラック・マジシャンデッキ』など、テーマに沿った構築をするのが主流になっていますが、本作のソロモードでも『エレメントセイバーデッキ』や『ジェムナイトデッキ』などをレンタルで使用できて、どのような手順を踏めば切り札までつなげられるのかも解説してもらえます。

ただ、このレンタルデッキを使ったデュエルはカードのコンボが前提になっている難易度なので、正しい順番でのカードの出し方を理解しなければ勝つことは難しく、そもそも手札に必要なカードが来なくてどうしようもない…なんてことも少なくありません。

もちろんそのデッキの使い方を学ぶためのソロモードなので、カードを上手に扱えなければ勝ちにつながらないのは正しいのですが、そのためにはチュートリアルで教えてもらえる範囲がかなり狭いので、人によっては『まったく知らないカードを急に渡された』と戸惑うと思います。

昔のようにただ攻撃力が高いだけでは有利に働くとは言い切れず、カード1枚1枚の効果も複雑になっているので、テキストを確認していくだけでも相当な時間がかかってしまい、特に初心者は自分のカードより『相手が使った今のカードはなんだろう?』とすぐに理解できないことも多いです。

モンスターを召喚して、魔法やトラップを駆使しながら相手のライフポイントを奪う…という基本ルールは初心者でも分かりやすいのですが、20年以上にわたって積み重ねられてきた数多くのカードを把握するのはやはり難しく、『マスターデュエル』というゲーム自体は初心者に優しいですが、『遊戯王』そのものが少しハードルの高い存在になっているのかもしれません。

無課金でもカードを集めやすくてデッキが組める

本作は基本無料で始められて圧倒的なカードプールを備えていますが、カードも比較的集めやすく作られていて、無課金でも十分オンラインで戦えるデッキを構築可能です。

本作はチュートリアルを終えると最初に『ブルーアイズデッキ』『シンクロデッキ』『リンクデッキ』のうちのどれか1つを貰えるのですが、いずれもテーマに必要な基本的なカードは入っているので、慣れないうちはそのデッキを少しずつ改造していくのも良いと思います。

また、これら最初に貰えるデッキ以外にもいくつかストラクチャーデッキが用意されていて、ゲーム内で手に入れたジェムを使って引き換えたり、ソロモードのデュエルを勝ち進むことで解放されていくので、無理なく色々なテーマのデッキに触れられるのも嬉しいところです。

主にカードはカードパックを購入して集めるのですが、8枚入りのパックはゲーム内で手に入るジェム100個と引き換えられて、さらに10パックまとめて引き換えればスーパーレアのカードが必ず1枚は出てきます。

そしてこのゲームの特にありがたいのが、特定のカードがピックアップで出やすい『シークレットパック』の存在で、これは全部で100種類ものパックがあるのですが、ある程度まとめてパックを買い続けるだけでテーマに沿ったデッキが簡単に組めるようになっています。

私はアンデット系のデッキをいくつか作っているのですが、『死霊王 ドーハスーラ』や『アンデットワールド』といった関連性の深いカードが同じパックから出てくるので、初心者でも『デッキに何から手を付ければ良いのか分からない…』とはなりにくいと思います。

一方でシークレットパックから出てこないカードは手に入れるのが難しくて、あらゆるカードが出てくる可能性のある『マスターパック』か、昔懐かしいカードが多く入っているボーナスパックの『レガシーパック』からピンポイントで引き当てるのは確率的に厳しいところです。

そんな時に有効なのが『分解』と『生成』で、このゲームでは不要になったカードを分解してポイントに変換し、そのポイントを使って欲しいカードを生成する…というリサイクルに近いシステムがあります。

このおかげでデッキに入れられない余剰分のカードも無駄にならず、さらにパックからどうしても引けなかったレアカードを狙って作り出せるので、テーマを絞れば理想のデッキもかなり組みやすい環境ではないかと思います。

デッキ編集画面では属性や種族、レアリティ、持っている枚数などでの絞り込みや、テキストを指定しての検索なども用意されているだけでなく、関連カードから関連カードへつなげるように絞り込むことも可能です。

このおかげでデッキに必要なカードが把握しやすく、テーマさえ定まっていれば関連カードを入れていくだけである程度まとまりのあるデッキがすぐに組めてしまいます。

ただ、この関連カードで表示されるカードが本当に関係性の強いものだけで、例えば『ブラック・マジシャン』の関連カードであれば『ブラック・マジシャン・ガール』などは表示されますが、『魔法使い族』や『闇属性』全般に使える汎用カードなどは表示されないので、その絞り込みの範囲がもう少し選べるようになると嬉しいかもしれません。

デュエルの処理をすべて任せられるありがたさ

デッキを組んだのであればデュエルで実際に試してみたいところですが、本作では様々なテーマに沿ってコンピューターと戦える『ソロモード』と、オンラインにつないで全世界のプレイヤーと戦える『デュエルモード』が用意されています。

本作は様々なミッションが用意されていて、クリアすることでジェムやアクセサリーが手に入るのですが、オンライン対戦に関係するお題も多いので、やはりカードを集めるのであれば世界の人とデュエルを繰り返すのが1番の近道です。

近年の遊戯王では『効果を持っていないカード』の方が珍しく、中には1枚のカードで複数の効果を持っていたり、条件に応じて発動する効果が違ったり…、テキストをしっかりと読まなければ理解が難しいものも存在します。

しかし『遊戯王 マスターデュエル』が初心者にオススメできる理由に、発動できる効果がある場合ゲーム内で『効果を発動しますか?』とガイダンスが表示されて、その都度考える時間を与えてもらえます。

実際に紙のカードで遊ぶときは自発的に『効果を発動します』と宣言しなければなりませんが、効果の発動できるタイミングもカードによってまちまちで、テキストの読み方や解釈の違いから間違った処理をしてしまうこともあるかもしれません。

その点、本作であれば『どのカードの効果を発動するか』『誰を対象に発動するか』『別の効果に連鎖(チェイン)するか』などを適切に選択できて、お互いに正しいルールでフェアに戦えます

新しいカードを使えば『なんで今この効果は発動できなかったの?』『これは条件を満たせていないの?』など戸惑うこともあると思いますが、基本的にゲーム内の処理が間違うことはないので、繰り返し遊ぶことで正しいデッキの取り回しも覚えられます。

とはいえ相手の発動したカードについては淡々と処理されていくので、自分がどのような状況に置かれているのか把握するには、相手の場や墓地のカードのチェックも欠かせません。

もしかしたら『場のカードを確認するのに時間を使ってしまい相手に申し訳ない…』と思うこともあるかもしれませんが、1万種類以上のカードを覚えている人はむしろ稀であり、カードの内容を時間をかけて確認するのはお互い様なので、そこまで気にする必要はないと思います。

ただし、オンライン対戦ではお互いに持ち時間が与えられていて、それが0になると強制的に敗北になってしまうので、それだけは気をつけなければなりません。

思い通りにカードを動かせるようになる『理解』の面白さ

遊戯王のデッキのテーマは非常に多岐に渡って存在しますが、いずれのテーマでもできるだけコンボをつなげるようにカードを展開して理想の盤面を作り出すのが定石になっています。

そのためにはコンボの始動となるカードを最初に引けるかが重要ですが、うまくカードが回れば1ターンで強力なモンスターを召喚することも、フィールドをモンスターで埋め尽くすことも不可能ではありません。

カードゲームは運の要素も大きいので、毎回必ずしも理想に形に…とはなりませんが、それでも自分の考えた通りにカードが展開できたときは『うまくいった』という実感が湧いてきます。

その反面、盤面が整ってしまえば一方的なデュエルになることも少なくなく、もし相手にフィールドを制圧されてしまった場合は覆すのも一筋縄ではいきません。

今のデュエルは昔に比べて高速化が顕著になっていて、攻撃力2000以上のモンスターを1ターン目に大量展開することもそこまで難しくなく、構築によっては先攻が圧倒的に有利ともいわれています。

後攻になったときは自分のやりたいことを貫き通すことも大切ですが、それと同じくらい相手のやりたいことをいかに止められるかも重要で、使用率の高い特定のカードを防ぐために『灰流うらら』などの対策カードを入れたり、デッキ構築から戦略は始まっている…といっても過言ではありません。

『遊戯王』そのものをレビューすることは駆け出しの私には難しいですが、思いがけないところで入れていたカードが有効に働いたり、カードゲームの醍醐味はこのマスターデュエルでも存分に楽しめると思います。

『このカードとこのカードを組み合わせれば強い』とコンボを狙うあまりデッキ全体のバランスが悪くなったり、最初の手札が悪かった時に何もできなかったり…、それであればどのカードを抜いてどのカードを入れるべきか…考えるのもまた楽しいところです。

もう少しお手軽にオンラインが遊べるともっと嬉しい

気軽に始められて、ある程度のまとまったカードが無料でも集まり、初心者でも遊びやすいようにチュートリアルまで用意されている本作ですが、オンラインでのデュエルは基本的に『ランクデュエル』と、プライベートルームを開いてフレンドなどと戦える『デュエルルーム』しか今のところ用意されていません。

ランクデュエルはルーキーから始まってブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナと上がっていき、そのたびにジェムのプレゼントもあるのですが、当然ながらランクを上げれば上げるほどマッチングする相手も強くなってきます。

強いデッキを作るには強い相手と戦って、どのようなカードが有効なのか調整を繰り返すのが定石ではありますが、一方でランクが上がった分だけ勝ちにこだわったデッキでなければ勝利を掴むのは難しくなり、試しに作ったデッキで気軽にデュエル!…とはなかなかできません。

勝率の高いデッキを作り上げるのは遊戯王の目的の1つでもありますが、新しく集めたカードの慣れていないテーマデッキや、原作を再現したファンデッキでは勝ち星を上げにくく、オンラインではランクを下げる結果にもつながってしまいます。

勝負はこだわるからこそ面白い…ともいえるのですが、やはりランクなどを気にせず気軽に遊べるカジュアルマッチのようなモードは欲しいところです。

一方、2022年2月17日からはエクストラデッキにエクシーズのモンスターしか入れられない『エクシーズフェスティバル』というイベントが期間限定で開催されていて、これはこれで新しいデッキの構築や再調整が必要ではあるのですが、普段使わないカードやテーマに手を出すきっかけにもなる良いイベントだと思いました。

禁止カードなどのレギュレーションもイベントに合わせて変更されており、エクシーズの召喚を制限するような魔法カードや、エクストラデッキに頼らなくても十分な強さを持ったモンスターカード『黄金卿エルドリッチ』なども禁止されています。

ただ、『エクシーズを駆使してデュエルする』という趣旨に合わせたレギュレーションの制定は独自性がありますし、普段と違った雰囲気のデュエルも楽しめるのですが、そのレギュレーションの発表がイベント開催の当日になってからだったので、禁止カードがいつもと違うのであれば次からは事前にお知らせして欲しかったところです。

そしてエクシーズフェスティバルではデュエルの後にメダルがもらえて、集めた枚数に応じてジェムやボーナスパックのチケットなど、多くの報酬が受け取れました。

このイベントでは『最後までデュエルすれば勝っても負けてもメダルがもらえる』という部分に目をつけて、一部のユーザーでは自らライフポイントを0にして回転率を上げる『自爆デッキ』が流行っていたのですが、この現状を受けて翌日には勝った時のメダルの数を大幅に増やし、イベントが破綻しないようにアップデートもしてくれています。

イベントの1日目と2日目で受け取れるメダルの枚数が違うのは、初日から遊んでいた人からすると不公平感も生まれていましたが、それでも環境を放置するより良かったと個人的には思います。

今後マスターデュエルの収録カードは追加されていくのか、禁止カードや制限カードの調整はされるのか、リプレイデータの保存枠は増えるのか…など気になる点もありますが、運営の力の入れ具合から今後も期待できそうです。

『遊戯王』そのものが難しいゲームだった

正直なところ20年以上の歴史がある『遊戯王』そのものが初心者には少し難しいゲームではありますが、本作『遊戯王 マスターデュエル』は有用なカードがまとまったストラクチャーデッキが用意されていたり、テーマに沿ったカードパックで関連性の深いカードを集めやすかったり、デュエルの進行をゲーム内で処理してもらえたり…、基本無料と相まって敷居は相当低くなったのではないかと思います。

今となってはルールや効果が複雑化し、自分のデッキのことですら覚えることが非常に多いですが、やはりこれだけ膨大なカードプールから理想のデッキを作り出すのは大変でありながらとても楽しい作業です。

オンラインでデュエルをしなければなかなかジェムが集まらないので、そこは少しハードルが高くも感じますが…、最初はソロモードのミッションをクリアしていくだけでも十分な数のカードパックは引き換えられます。

何より現在はなかなか誰かと対面してデュエル…というのはしにくい状況ですし、絶版になってしまい簡単には手に入らないカードも少なくないので、手軽にデッキを組んで友達とデュエルが楽しめる…というだけでもかなりありがたい存在かもしれません。

あまりに1ターンに展開するカードが多いことから、近年では『ソリティア』と例えられることもありますが、それを実現するだけのカードの豊富さと戦略性はかなり中毒性が高く、これからももっと色々なデッキを組んでみたいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました