長い歴史の中で名前が変わった『スーパーマリオ』のキャラクターを調べてまとめてみた

任天堂のゲーム
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どうも、みう太(@arai_miuta)です(ΦωΦ)

ついに公開まで1週間を切った『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』ですが、日本に上陸する前から累計興行収入が930億円を突破しており、私のブログでも関連した記事をたびたび取り上げてきました。

聞くところによると日本語版と英語版で脚本が違うらしく、『マリオの生みの親』である宮本さんも『両方観てもらえると嬉しい』とコメントしていて、どちらを見たかで印象も違ってくるのかもしれません。

映画に合わせて突然名前の変わった『ブラッキー』

そんな『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』については現在Twitterでも頻繁に情報が発信されていて、主要キャラクターの紹介文が掲載されたり、映画のワンシーンが切り抜きで公開されたり…毎日チェックしている方も多いと思います。

そんな中、多くの人を驚かせたのが映画に登場するキャラクター『ブラッキー』の名前で、なんとこのタイミングで海外に合わせて『スパイク』に名称変更されることが明らかになりました。

ブラッキー…改めスパイクは今から38年前のファミコンソフト『レッキングクルー』に登場したマリオのライバルで、ハンマーを振るって妨害してくるその様子は説明書にも『いじわるおじさん』と書かれていました。

このスパイクへの名前変更はあまりに突然でしたが、『スーパーマリオ』の長い歴史の中で名称が変わったキャラクターは意外と他にもいるようなので、今回は何人か調べてまとめてみようと思います!

主人公でありながら当初は名前が与えられていなかった『マリオ』

任天堂といえば真っ先に浮かぶであろうキャラクターは間違いなく『マリオ』で、彼は1981年に稼働を開始したアーケードゲーム『ドンキーコング』から40年以上にわたり活躍を続けています。

しかし彼は当初『ジャンプマン』『救助マン』『ミスター・ビデオゲーム』といった通称で呼ばれていて、『マリオ』という名前はまだ与えられていませんでした。

『ドンキーコング』は主人公のペットであったドンキーコングが『レディ』をさらってしまい、それを取り戻すため工事中のビルを登っていく…という物語で、まだマリオとしてのキャラクターも設定もそこまで固まってはいなかったようです。

『ジャンプマン』はその名の通り主人公がジャンプするから…に他なりませんが、実は開発当初は移動するだけでジャンプを操作に組み込む予定はなく、転がってくるタルを避けながらハシゴを登るあみだくじのようなゲームが想定されていました。

過去のインタビュー記事はこちら

しかしレバーだけでなくジャンプ用のボタンを追加することでタルを飛び越して回避できるようになったり、リフトに直接飛び乗れるようになったり…ゲームとして遊びの幅が広がり、結果それが『ジャンプマン』の誕生にもつながっています。

マリオという名前が付けられたのは1982年の『ドンキーコングJR.』からで、本作はタイトルの通りドンキーコングJR.が主人公であり、マリオはドンキーコングを捕まえた悪役として登場する数少ない作品でもあります。

本作のマリオは鞭を振るってワニの機械『スナップジョー』などを従え、ドンキーコングJR.に突撃させてきますが…、悪役であるがゆえに『ジャンプ』も『救助』もしないので、何か個別の名前が必要になったのかもしれません。

名前の由来はNintendo of Americaの倉庫の大家だったイタリア系アメリカ人『マリオ・セガール』が、偶然にも『ドンキーコング』の主人公と特徴が一致しており、ゲームのキャラクターにも『マリオ』とあだ名を付けて呼んでいたから…とされています。

その後はご存じの通り『マリオ』の名前で統一されていますが、『ミスター・ビデオゲーム』の呼び名は今でもマリオの功績を称える際に用いられることがあり、40年以上にわたり愛されている証拠といえそうです。

かつては毒キノコの姫と呼ばれていた『ピーチ』

『スーパーマリオ』シリーズの主人公がマリオであれば、ヒロインは『ピーチ』というのが今やおなじみの構図ですが、かのピーチ姫もかつては違う名前で呼ばれていることがありました。

ピーチ姫の初登場作品は1985年発売の『スーパーマリオブラザーズ』で、本作は大魔王『クッパ』がキノコ王国を侵略、住民たちをすべて魔法でブロックやツクシなどに変えて滅亡させた挙句、ピーチ姫をも誘拐してしまいます。

ピーチ姫はこのクッパの魔法を解除できる唯一の存在だったらしく、キノコ王国を蘇らせるためマリオは妥当クッパを目指す…という物語でした。

日本ではこの頃から『ピーチ姫』の呼び名で統一されていましたが、海外では『Princess Peach』ではなく『Princess Toadstool(プリンセス・トードストール)』と表記されていて、和訳すると『毒キノコ姫』と何ともインパクトのある名前になっています。

これはNintendo of Americaがスーパーマリオブラザーズをローカライズする際、『ピーチ』という名前がキノコ王国とはあまりに関連性が薄いと感じ変更したらしく、その後10年以上にわたって海外では『トードストール』の呼び名が使われていたようです。

参考記事はこちら

また、海外では『Peach』という単語自体に『魅力的な女性』という意味が含まれていて、それが転じて『乳房』『密告』『裏切り』などの意味で使われることもあったため、名前に使うのは避けたかったのかもしれません。

海外で『Princess Peach』の名前が初めて使われたのは1993年発売の『ヨッシーのロードハンティング』でしたが、本作は周辺機器『スーパースコープ』が必要だったこともあってヒットには至らず、のちの1996年3月発売の『スーパーマリオRPG』でも『Princess Toadstool』に戻っています。

再び『Princess Peach』の名前が使われたのが1996年6月発売の『スーパーマリオ64』で、以降は全作品において海外でも『ピーチ』の呼び名が一般的になり、2003年発売の『マリオゴルフ ファミリーツアー』の海外版『MARIO GOLF: Toadstool Tour』を最後に使われることもなくなりました。

しかし『スーパーマリオ64』の説明書や、ピーチ姫から送られてくる手紙には『Princess Toadstool』と併記されていたため、ブラッキーのように即座に切り替わったのではなく、両方の呼び名が使われていた時期もあったようです。

元祖ヒロインであり今も活躍目覚ましい『ポリーン』

今でこそマリオのヒロインといえば『ピーチ』で固定されていますが、1981年稼働のアーケード版『ドンキーコング』ではピーチではなく、『ポリーン』がヒロインを務めていました。

ポリーンといえば2017年発売の『スーパーマリオ オデッセイ』で『ニュードンクシティ』の市長として登場し、近年活躍の場を増やしつつありますが、実はマリオと同じく40年以上前に生み出されたキャラクターというのは少し驚きかもしれません。

『ドンキーコング』では先ほど紹介した通りマリオにすら明確な名前が付けられていなかったため、ポリーンにも固有名詞が与えられておらず、一般的な女性を指す言葉で『レディ』と呼ばれていました

1982年発売の『ドンキーコングJR.』にてマリオには名前が与えられましたが、本作に未登場だったレディは相変わらずそのままで、設定も特に深く作り込まれていなかったようです。

きっかけは1983年にアメリカで放映されたアニメ『Saturday Supercade』で、これは特に人気の高かったアーケードゲームを取り扱った短編アニメであり、ここで『ドンキーコング』のヒロインに初めて『ポリーン』という名前が付きました。

このアニメでポリーンという名前がどれだけ浸透したのかは分かりませんが…、1986年に発売された欧米のNES版『ドンキーコング』から正式にポリーンの名前が反映され、海外ではその後レディと呼ばれることもなくなりました。

しかしアニメが放映されていなかった日本では依然として『レディ』のままで、1994年のゲームボーイ版『ドンキーコング』でポリーンと呼ばれるようになるまでのおよそ9年間、日本と国外で呼び名が違う状態が続いていたようです。

ポリーンはドンキーコングに幾度となくさらわれますが、いずれも怒ることなく最終的にドンキーコングを許していて、穏やかで優しい性格が『スーパーマリオ オデッセイ』にも反映されていました。

現在『マリオテニス エース』『マリオゴルフ スーパーラッシュ』『マリオカート ツアー』など様々なタイトルにも活躍の場を広げていて、今後はマリオファミリーの1人としておなじみの存在にもなっていきそうです。

もっとシンプルな名前で登場した『ノコノコ』

『スーパーマリオ』には様々な敵キャラクターが登場しますが、かのクッパ軍団の一員として代表的な『ノコノコ』は特に高い知名度を持っています。

ノコノコの初登場作品は『ピーチ』や『クリボー』と同じく1985年発売の『スーパーマリオブラザーズ』で、踏みつけたりダメージを与えるとコウラの中に身を隠し、マリオが蹴飛ばすことで攻撃にも利用できました。

しかしそのノコノコの原型となったのが1983年発売の『マリオブラザーズ』に登場するカメの敵キャラクターで、『カメさん』もしくは『シェルクリーパー』という名前で呼ばれ、あらゆるカメ一族のモチーフになったキャラクターともいわれています。

カメさんとノコノコを同一に扱うかは定かではなく、『踏みつけても倒せない』『コウラの色が変わると足が速くなる』など異なる特徴もあるため、あくまで原型であり別種…という考え方もされています。

当時サウンドを担当していた田中宏和さんがデザインの案を出したものの、あまりにリアルすぎるカメだったためデザイナーの宮本茂さんが自分で描き直し、現在にもつながるコミカルで可愛らしいデザインのベースになりました。

一方で現実のカメとはあまりに異なることから、のちのインタビューでは宮本さんも『カメではないんです。ノコノコです。』と答えていて、宮本さんにとっては『カメさん』も『ノコノコ』も同一の存在と捉えているようです。

当時のインタビュー記事はこちら

現在は羽が生えて自由に空を飛ぶ『パタパタ』を始め、『カロン』『ヤミノコノコ』『トゲノコ』など様々な派生種が存在していて、ただの『カメさん』とは呼べないほど個性も豊かになりました。

また、当初は4足歩行でしたが『スーパーマリオワールド』以降の作品では2足歩行がスタンダードになり、『マリオカート』『マリオテニス』『マリオゴルフ』などでも欠かせないキャラクターになっています。

ちなみに『マリオブラザーズ』には他にも『カニさん(サイドステッパー)』が登場していますが、そちらは他のキャラクターの原型になっておらず、名前もリメイクの度に『カニキチ』『カニ』『クワトロ』と異なる名前が使われていたようです。

クッパの息子ではなく優秀な部下に変更された『クッパ7人衆』

『クッパ7人衆』とはクッパ軍団に所属する『ラリー』『レミー』『イギー』『ロイ』『モートン』『ウェンディ』『ルドウィッグ』の7人のことを指していて、『スーパーマリオ』シリーズにおいて度々ボスとして登場します。

初登場は1988年の『スーパーマリオブラザーズ3』で、キノコワールドに点在する7つの国からそれぞれ魔法の国を盗み出し、王様たちを動物の姿に変えてしまいました。

当時クッパ7人衆は『クッパの子供たち』という設定があり、『コクッパ7人衆』『コクッパ7兄弟』など別の呼び名があったことから、現在でも彼らのことを『コクッパ』と呼ぶ人は少なくありません。

その後も『スーパーマリオワールド』や『ヨッシーのロードハンティング』にてマリオの前に立ちふさがり、エリアボスとして様々なタイトルで活躍を見せていました。

しかし2002年発売の『スーパーマリオ サンシャイン』で新たにクッパの息子である『クッパJr.』が登場すると一転、もともとクッパの息子とされていたコクッパ7人衆は出番を減らし、他のパーティゲームにおいてもクッパJr.が活躍の場を増やしていきます。

長らくクッパとの関係性が不透明だったクッパ7人衆は2009年発売の『New スーパーマリオブラザーズWii』にて久しぶりに再登場、クッパJr.と共演を果たし、このタイトルから7人衆はクッパの『息子』ではなく『手下』に設定が変更されたようです。

2012年の宮本さんへのインタビューでは明確に『現在の我々のストーリーの中では、7人のコクッパはクッパの子供ではなく、クッパ唯一の子供はクッパJr.のみ』と答えられていて、今ではクッパ軍団の優秀な幹部として扱われています。

2014年発売の『大乱闘スマッシュブラザーズ for 3DS / Wii U』や『マリオカート8』でも全員参戦を果たし、以前はクッパJr.との共演を避けているような節が見られましたが、むしろ現在ではクッパJr.のお世話役として一緒に登場することも多いようです。

『コクッパ』と公式に呼ばれることはなくなってしまったものの、7人衆としての出番は今後も増えそうであり、結果的には子供の設定がなくなったことで自由が効きやすくなった…のかもしれません。

ある意味ブラッキーの名前変更はレアケースかも

というわけで今回は『長い歴史の中で名前が変更されたスーパーマリオのキャラクター』をいくつか紹介してみましたが、シリーズに欠かせない『マリオ』や『ピーチ』もかつて違う名前で呼ばれていたのは意外なところです。

とはいえさすがに38年越しに名前が変更されるケースは非常に珍しいことであり、後にも先にも『映画きっかけ』で名前の変わるキャラクターは他にはいないのではないかと思います。

今後は心機一転『スパイク』として活躍の場が増えれば…と期待していますが、『クッパ7人衆』を未だに『コクッパ』と呼んでしまうように、個人的には引き続き『ブラッキー』と呼ぶ方がしっくりくる…かもしれません。

ブラッキーは作品によって着ている服やヒゲの濃さなどが少し違うので、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』ではどのようなビジュアルで描かれるのか…、名前だけでなくそこも気になる今日この頃です。

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